「本日、○○組に捜査が入り○○事件の関係者を一網打尽にしました。」テレビからこんな言葉が聞こえてきました。
「一網打尽」ドラマやニュースで耳にすることの多い言葉のひとつですよね。
意味は確か…「いっきに捕まえること」だったかな?
よく耳にする言葉でも、意味を間違えて覚えている人は意外に多いもの。
なんとなくで覚えているから、「いざ!」というときに「あれ、どんな意味だったっけ?」とか「あれ?漢字が思い出せない…」なんてことになってしまう!って経験、あなたにあるのではないでしょうか?
今回、紹介する言葉は「一網打尽」。
意味だけではなく、語源や使い方も紹介しますので、しっかりと記憶に焼き付けてくださいね^^
一網打尽の意味・読み方!
「網(あみ)」を「綱(つな)」と書き間違う人が多いのでご注意ください。
次の章は語源の紹介です。
意味だけでなく語源もあわせて知ることで、記憶にとどまりやすくなるんですよ。
では、一緒に見ていきましょう!
一網打尽の語源・由来とは?
「一網打尽」の語源をたどると中国へとたどり着きます。
中国に語源・由来がある言葉は多いです。昔の日本は、それだけ中国の影響を受けてたんですね。
「一網打尽」はもともと、「網を打って一度にたくさんの魚を捕らえる。」という意味で存在していた言葉なんです。
- 「一網」は、ひとつの網
- 「打」は中国語で、○○する
- 「尽」は、し尽くす
と、それぞれの意味から成り立っている言葉だったのです。
「ひと網であたりのすべての魚や鳥獣などを捕らえること。」の方の意味ですね。
それが、転じて「犯人などをひとまとめに捕らえること。」という意味になったのは、「宋史」という中国の書物の范純仁(はんじゅんじん)伝の中にあります。
網でひとまとめにして捕らえるさまを、一斉に逮捕した様子にたとえた比喩表現いうわけです。
ひとつの言葉に、ふたつの語源があるなんて、驚きですね(;゚Д゚)!
さて、ここまでで「一網打尽」の意味を掘り下げて学ぶことができました。
そうなると、実際に使えるようになりたいですよね^^
次は実際に「一網打尽」の使い方を例文で紹介します!
一網打尽の使い方・例文!
では早速、例文を見ていくことにしましょう。
あれあれ?こちらの例文はなんだか違和感がありますね。
違和感の原因が何かわかりましたか?
そうです、「一網打尽」に捕らえると、言っていますね。
「一網打尽」という言葉そのものに「捕らえる」という意味がふくまれています。
なのに、さらに捕らえるを使っては「まとめに捕らえる捕らえる」と同じこと繰り返していますね(;´∀`)
これでは言葉が成り立ちませんので、誤用ということになりますね。
この場合は、「今日は、あの辺りの魚を一網打尽だ!」が正解です!
ちなみに、最近は、こんな使い方もあります。
こちらの意味は、「一気に倒したりやっつけたりする。」になり、本来の意味である「ひとまとめに捕らえる。」とは、厳密に言えば違います。
しかし、「言葉は生き物。」と、言われるように意味や使い方が時代と共に変化していくもの。
その証拠に、誤用が定着した言葉というものもあります。
などがそうですね。
まとめ
いかがでしたか?
「一網打尽」の意味や語源・使い方をみてきました。
ここで、一網打尽の類語をご紹介しましょう。
- 一気呵成(いっきかせい):物事を中断せずに一気に仕上げてしまうことを表す
- 一瀉千里(いっしゃせんり):物事が一気にはかどること
- 根こそぎ:全部。余す所なく
- 一斉検挙:犯罪組織などを一気に捜査し罪を暴くこと
などがあります。
全く同じ意味ではありませんが、だからこそうまく使い分ければメリハリをつけれそうですね。
もちろん、英語でも表現できますよ。
round up
「切り上げる」という意味の表現ですが、「一網打尽」「一斉検挙」と意訳される言葉なんです。
Excelを使用する人なら、おなじみの関数でもありますが、こんな意味があったなんて驚きです。
普段よく耳にする言葉も初めて聞く言葉も、じっくりと調べてみると面白い発見があったりするものです。
慣用句やことわざ・四字熟語などを使って、自分の言いたいことを上手に表現していけば「知的な人」と言われるかもしれません^^
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