「気の置けない」は、日常でも良く使いますが、実は間違いやすい言葉のひとつ。
実際に、文化庁が毎年発表している「国語に関する世論調査」では、半分近くの人が間違った意味として理解しているというデータがあります。
半分近くの人が間違えてしまうとは相当なこと…。
それだけ間違えている人が多い気の置けないという言葉を正しく使えると一目置かれますね!
そこで今回は「気の置けない」の正しい意味や使い方について一緒に見ていきましょう!
気の置けないの意味・読み方とは?
もう少し掘り下げますと
- 遠慮せずに接することができる
- 相手に親しみや好感が持てる
という意味も含んでいます。
他の言葉で置き換えるならば、前者の場合は「気の許せる」「気の使う必要がない」「本音を語れる」、後者では「親近感のある」「馴染みやすい」「打ち解けやすい」とも言えます。
どちらかといえば良い意味である言葉のようですね。
また「気が置けない」という表現も見かけますが、意味は同じものです。
気の置けないの語源とは?
「気の置けない」という言葉があるのならば「気が置ける」という言葉もあるのでしょうか?
まずは、そこから進めてみたいと思います。
昔の文学作品においても「置ける・置けない」両方の表現がされているようで、
- 置ける人 → その人が帰るとホッとする
- 置けない人 → 気苦労することはない
この2つは逆の意味で使われていました。
辞書によると「気が置ける」という表現は、一般的には使われていない言い回しですが「気が置ける」ということは「気を使ってしまう」という理解で良いかと思います。
また、厳密にいうと「置けない」という表現は「~することができない」など「可能」を表す言葉であると思いがちですが、この場合は「自発」の意味となるようです。
ですので「気の置けない」という言葉の解釈は「気を使おうとしなくても気を使ってしまうことがない」ということに。
何やら回りくどい言い方となっているようですが、正式にはこのような解釈です。
気の置けないの使い方・例文
では、気を取り直して使い方について見ていきましょう。
冒頭部のように「気の置けない」という言葉は、本来と違った意味で使われるということが見受けられます。
本来の意味とは真逆の「相手に気配りや遠慮をしなくてはならないこと」という使い方を半数近くの人がしているようです。
どちらかというと「油断ならない」という意味で覚えてしまっているのかもしれません。
なぜこのような間違った意味として定着していったのでしょうか?
- 前述のように「気が置ける」という表現があまり使われなくなった
- 「~ない」という否定表現が注目され、いつの間にか「信頼がない」「信用がない」という意味として使われることとなった
このようなことが原因であると言われています。
また「気が休まらない」という言葉とも混同してしまった可能性もありそうですね。
なかなか一度覚えてしまったものを新たに覚えなおすことは難しいですが、正しい意味として理解していきましょう!
例えば仲の良い二人に対して「AさんとBさんはいつも一緒にいるイメージだから、よっぽど気の置けない仲なんだね。」というような使われ方をします。
また「気の置けない間柄の二人は、いつも本音でぶつかっている。」とも使うことができるでしょう。
ただし、半数近くの人が本来とは反対の意味としてとらえてしまっているという現実がある以上、こちらは正しい意味のつもりで使った言葉であっても、相手が間違った意味としてとらえている可能性も十分に考えられます。
まずは言葉の正確な意味を知ることは重要!
そのうえで、間違った意味としてとらえられていないかフォローすることも必要になってくるかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたか。「気の置けない」という言葉の意味や使い方などについて見てきました。
ポイントとしては
- 「気が置ける」=「気を遣う」
- 「気の置けない」=「気を遣う必要がない」
というのが本来の正しい意味であることを理解してもらえればと思います。
また「置けない」は本来「自発」を表す言葉であり「気を使うことができないほど悪い仲」という「可能」の意味でとってしまうと、「油断ならない」というような間違った解釈になりやすいということも併せて押さえておきたいところですね。
半数近くの人が間違えてしまうほどですから、正しい意味で伝わっていないとあらぬ誤解を生んでしまう可能性もあります。
とはいえ「気の置けない」は良い意味で使われる言葉ですので、「気の置けない仲」と呼べるほどの相手をどんどんと作っていきたいですね!
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