あなたも、激しい怒りで我を忘れそうになった経験はありませんか?
恥ずかしながら私はあります。
その時は怒りの感情をコントロールできなくて恋人を殴ってしまったのですが、怒りではらわたが煮えくり返るってああいう事を言うんだなと思いました…。
しかし、なぜ激しい怒りのことを「はらわたが煮えくり返る」というのでしょうか?
怒りで我を忘れている時は、体中が熱くてはらわたが煮えているんじゃないかと思いましたが、実際に煮えているわけではないし…。
もう人を殴るようなことがないように己を戒めるためにも、「はらわたが煮えくり返る」の意味について詳しく紹介します。
はらわたが煮えくり返るの意味・読み方は?
「腹が煮えくり返る」と使う人が多いですが、こちらは間違いです。
腹は表面から見た状態を指します。
はらわたは漢字で「腸」と書き、内臓を指していて、「はらわたが煮えくり返る」とはお腹の内側から激しい怒りを感じていることです。
はらわたが煮えくり返るの語源とは?
「はらわたが煮えくり返る」がいつ頃から使われてきたのかは、詳細は分かっていませんがちょっと推理してみましょう^^
はらわたは「腸」と書く通り、人体のお腹にある臓器を意味しています。
中国医学には人間の臓器全体を「五臓六腑」と呼びます。
西洋医学とは異なり、臓器の役割の他に人体に流れる生命エネルギーなども治療の対象と考えていました。
そのため陰陽五行説による解釈を臓器にも当てはめて病気の治療を行います。
ちなみに、陰陽五行説は現代でも医学以外にも活躍しています。
代表的なものは風水で、間取りやインテリアの配置など運気をアップに活用させている人が多いですね。
話を戻すと、腸は陰陽五行説で当てはめると小腸は「火」を大腸は「土」。
内臓の大きさを考えると小腸の方がお腹いっぱいに広がっているので、怒りで激しく煮え立っているという表現は小腸が燃えていると考えると納得できます。
また、怒りを感じることを「腹が立つ」と言います。
腹が立つ怒りとは何とか感情をコントロールできていても、はらわたが煮えくり返る程の怒りは感情のコントロールが効かない…
どちらの言葉も比喩を使った表現です。
ですが「煮えくり返る」と使うことで、腹の状態がどうなっているのかを誇張して表現できます。
それほど怒りが大きいということですね。
はらわたが煮えくり返るの使い方・例文
「はらわたが煮えくり返る」を使った例文と使い方をご紹介します。
- 入っていけないところに、男性が入っていたので注意したところ、すると、男性は逆ギレして文句を言ってきた。
私は、はらわたが煮えくり返る思いでした。
- 浮気をした恋人のことを思い出すと、いまでもはらわたが煮えくり返るんです。
- 親は何も言わないけど、はらわたが煮えくり返るほど怒っているのは感じる。
次に英語での例文と使い方をご紹介します。
「はらわたが煮えくり返る」もしくは「血が逆流する」などの激しい怒りのことを英語の文型表現では、make ~ blood boil (~を激怒させる、~を激しく怒る)と表現します。
It makes my blood boil to realize that I have been deceived for a long time.
(長い間だまされ続けていたことを知ってはらわたが煮えくり返る思いだ。)
他にもanger(名詞、動詞)(怒り、立腹)を使って、My blood boiled with anger.(怒りで煮えくり返る思いだ。)などの表現方法があります。
まとめ
同じ意味合いの類義語として、「怒りを露にする」「憤りを感じる」「怒りに身を震わせる」「血が逆流する」「青筋を立てる」などがあります。
どの言葉も怒りの感情を意味する言葉で、怒りが身体からにじみ出ている様子が見て取れます。
「腸」は人間の臓器に使うだけでなく動物にも使われる言葉です。
例えばテレビの料理番組で「次にイワシのはらわたを抜きます」などの説明を聞いたことがあるでしょう。
はらわたを使った慣用句は「はらわたが煮えくり返る」の他に「はらわたがちぎれる」で深い悲しみなどに耐えられない様子に使われています。
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