体の一部を使った、慣用句やことわざはたくさんありますよね。
今回は、そんな言葉のひとつ「濡れ手で粟」を紹介していきます。
この言葉には、どんな過程があって生まれてきたのか?
どんなシーンで使用するのが、正しい使い方なのか?
などなど。
実生活で使うことを想定して、いろんな角度から一緒に見ていきましょう!
濡れ手で粟の意味・読み方!
「粟」は、現代で目にすることが少ない穀物かもしれません。
雑穀米など入っていたり、小鳥のえさに使用したりしているんですよ。
馴染みが少ないものなので、ついつい音が同じで馴染みのあるの「泡」と書いたり、漢字の見た目が似ている「栗(くり)」と書いてしまいがちです。
「濡れ手で泡」じゃ、洗濯をしているみたいですし、「濡れ手で栗」じゃあ、まるで栗ご飯を作る過程みたいになっちゃいますね(笑)
誤表記してしまうと、全く別の言葉になってしまいますので、気を付けましょう。
そんな誤表記や、意味の勘違いを防ぐためには語源を知ることもひとつの方法です。
ということで、次の章では、語源を紹介しますね!
濡れ手で粟の語源・由来とは?
「濡れ手で粟」の語源は、読んで字のごとく。
濡れた「手」で「粟」を掴むことにあります。
ここでいう「粟」は、「粟の実」のこと。
黄色くて細かな粒をしている雑穀のひとつです。
この細かな粒が、袋の中にたくさん入っているところを想像してください。
次に濡れた手をこの袋の中に入れて・・・
最後に、その手を袋から取り出してみるとどうなっているでしょうか?
そうですよね!濡れた手に、たくさんの「粟」が付いていますよね。
しかも、大量の粟をとったのは、濡らした手を袋に入れただけ!
たいした苦労も努力もしてません。
この様子が「濡れ手で粟」の語源になったんですね!
濡れ手で粟の使い方・例文!
では、「濡れ手で粟」はどういったシーンで使うのでしょうか?
正しい使い方を例文を使いながら紹介していきますね!
ギャンブルこそ「なんの苦労もしないで簡単に多くの利益を得ること。」の代表格ではないでしょうか。
もちろんリスクは大きいのですが…当たってしまえば、そんなリスクは吹き飛んでしまうのでしょう。
普段苦労しているからこそ「ふと、思いついたもの」がヒットしたことを「濡れ手で粟」と感じたのでしょう。
「骨を折らずに金をもうけること。」はなかなかむつかしいことのようですね。
誰もが一度は夢を見そうなセリフですね。「楽」をするどころか「何も」していませんが…
と、このように「濡れ手で粟」を使います。
「楽して利益を得る」、濡れ手で粟は、そんな状況を表現するのにぴったりな言葉でしたね。
あなたもぜひ、使ってみてください。
ちなみに、「濡れ手に粟」と言われる場合もあるようですが、こちらは間違いなんですよ。
「濡れ手に粟」だと、「濡れた手」に「粟」が勝手に付いてきちゃった!
と、いう雰囲気の言葉になってしまいますので、気を付けてくださいね。
まとめ
いかがでしたか?
「濡れ手で粟」の意味や語源・使い方を見てきました。
「濡れ手で粟」には、こんな類語があるんですよ。
- 濡れ手で粟の掴み取り:濡れ手で粟に同じ。
- 一攫千金:一度にたやすく巨額の利益を得ることのたとえ。
- ぼろ儲け:元手や労力の割に多大の利益を得ること。
- 漁夫の利:当事者同士が争っているうちに、第三者が何の苦労もなく利益をさらうことのたとえ。
- 田夫の功:争っているもの同士が両方とも倒れて、その争いとは関係ない人が利益を得ること。
などです。
もちろん、英語だって表現することも可能です。
例えば…「Make a lot of money without much effort(たくさんの努力をせずに大金を稼ぐ)」で表現できますよ!
最後に、「濡れ手で粟」と同じように「手」が使われている慣用句やことわざを、ご紹介させていただきます。
- 手玉に取る:人を自分の思うままに動かし扱う。
- 手塩に掛ける:自分で直接気を配って世話をする。
- 手八口八丁:腕も立つが口も達者であること。
- 手に汗を握る:緊張した事態で、一体どうなるのかと、はらはらして見ている様子。
- 先手は万手:機先を制することが、どんな手よりも効果があるということ。出鼻をくじけば天狗も降参する。
など、たくさんあります。
他の体の部分が使われている慣用句やことわざを探してみるのも面白そうですね。
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