「今度という今度は、さすがに俺も堪忍袋の緒が切れたよ。」
「堪忍袋の緒が切れる」という言葉を目にする機会は意外に多いのではないでしょうか。
なんとなく怒っているというのは想像できるのですが、改めてこの言葉を見てみますと「そもそも堪忍袋って?」「どれくらいの怒りを表している表現なのだろうか?」などと疑問に思うこともちらほら。
という訳で今回は、堪忍袋の緒が切れるについての意味や語源などに触れながら、この言葉をもう少し掘り下げて見ていきたいと思います!
堪忍袋の緒が切れるの意味・読み方とは?
ですので、簡単にはお目にかかれないくらい強い怒りを表している言葉。
これと似たような言葉を例に挙げてみますと「逆上する」「激高する」「怒り心頭に発する」「はらわたが煮えくり返る」「業を煮やす」などなど。
また、この言葉には「相手の行為などに対して、これ以上耐え忍ぶことができない」という意味合いも含まれます。
こちらの意味合いに近い言葉としては「我慢ならない」「我慢の限界だ」「もううんざりだ」といった表現がありますね。
他にも、「仏の顔も三度まで」という言葉も良く目にしますが、こちらも、同じ意味で使われる慣用句になります。
堪忍袋の緒が切れるの語源は?
では、語源の説明に移りたいと思います。
まずは、堪忍袋の説明から。
堪忍袋とは、相手を堪忍する度量の大きさを「袋」という言葉で例えたものです。
人からの何か不快に思ってしまう言動に対して、我慢したり、目をつぶったりすることはよくあるでしょう。
そういった気持ちをため込んでしまうと自分でも気づかないうちに、心の中でどんどんとふくらんでいきます。
もし仮に、その堪忍袋の口を緒(ひものようなもの)で縛った状態で、袋の中身が徐々に大きくなっていったらどうなるでしょうか?
きっと、緒が切れて、中に入っているものがとめどなくあふれてくるでしょう。
このように、袋を縛ってある緒が切れてしまうほど、堪忍袋が大きくなってしまった、ということを例えた言葉が「堪忍袋の緒が切れる」です。
「今までのこらえていた怒りが爆発する」様子が目に浮かぶようですね。
堪忍袋の緒が切れるの使い方・例文!
このように、「堪忍袋の緒が切れる」という言葉は、単純に「怒っている様子」を表すのではなく、「今まで我慢してきたのだけれども、それを抑えることができない」ほどの場面で使うことになります。
いくつか例文を挙げてみますと
おそらく、怒りがここまでに達してしまうと、もう何を言っても聞く耳を持たない状態であると思いますので、怒りが冷めるのをじっと待つしかないでしょう。
言い訳などしようものならそれこそ火に油を注いでしまいかねません:(;゙゚’ω゚’):
ちなみに、英語ではどのような表現をするのかというと
- I can’t stand it anymore.
- That’s the last straw.
補足しますと「stand」は、ここでは「我慢する」という意味、「anymore」は「もはや~ない」という単語です。
また2番目の文章を直訳しますと「それは最後の藁(わら)だ」ということに。
一見それがどうつながるのか分かりにくいようですが、これは、「これでもかと荷物を積んでいるラクダに対して、例え藁一本でもこれ以上載せてしまってはラクダの骨が折れてしまう」ということを例えた言い回しのようです。
思わず「うまい表現だな」と思ってしまいましたが、英語でも何かの場面に例えた表現というものがあるのですね。
ラクダも、これ以上藁を載せられては堪忍袋の緒が切れてしまうのでしょう
このように、語源からその言葉を知ってみるのも、また新たな一面が確認できて面白いのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたか。
「堪忍袋の緒が切れる」の意味や語源などに触れながら進めてきました。
「堪忍袋の緒が切れる」という言葉は人を堪忍する心が入った袋の口を縛った緒が切れてしまうほど、怒りが我慢の限界に達してしまった状態を表す言葉だ、ということが理解できたのではないでしょうか。
また「堪忍袋の緒が切れる」の「緒」を、「しっぽの尾」と勘違いして「堪忍袋の尾が切れる」という間違いも見られるようですが、「堪忍袋」とはどういったものなのかを知っていればこういった間違いはしないのではないでしょうか。
怒りを表す言葉として「怒髪天を衝く」(激しい怒りのために逆立った髪の毛が天を突き上げる様子)も挙げられます。
このように、ひとえに「怒り」を表す言葉といってもその度合いによって、いろいろな言葉が存在します。
日本語にも「うまい表現」はあるものですね。
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