「君って、几帳面だよね。」と言われたら、大抵の人は褒められたと感じると思います。


几帳面


でも、本当に「几帳面」は褒め言葉なのでしょうか?

そう聞かれると、自信をもって答えられる人は意外に少ないもの。

うろ覚えで使っている言葉って多いですからね!

そこで今回は、几帳面の意味や語源、使い方について紹介します。

一緒に見ていきましょう。



几帳面の意味・読み方!


「几帳面」「きちょうめん」と読みます。

意味は、「細かいところまで、物事をきちんと行うさま。・決まりや約束にかなうように正確に処理するさま。」です。 



「どんなことでもいい加減にしないで、きちんとする真面目な人」を表す言葉として使われることがほとんどですね。

意味やどんな人を表す言葉なのかは分かりましたが、どうして、そういう人を「几帳面」と呼ぶようになったのでしょうか?

漢字や意味からは推測できそうにありませんね。

そんな場合は、語源を調べてみると分かることが多いんですよ(*^-^*)

と、いうわけで次の章では語源について見てみましょう!


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几帳面の語源・由来とは?

「几帳面」の語源をたどっていくと平安時代の「家具作り」にたどり着きます。

平安時代の建物で、「寝殿造り」と呼ばれる様式があります。
主に公家の邸宅に使われていた様式で、この寝殿造りの建物の中で使われていた家具に関係しているんですよ!

寝殿造りの建物の室内は、だだっ広いワンルームのような作りです。


ですから、間仕切りや目隠し・風よけのための屏風(びょうぶ)や衝立(ついたて)といった屏障具(へいしょうぐ)と呼ばれる家具が必要。

その屏障具の中のひとつに「几帳」と呼ばれるものがありました。


几帳は、台に長さ3~4尺 (約90~120cm) の細い柱を2本立て、その上に横木を渡したものを骨組みにして薄絹をかけているものです。

可動式の間仕切りにしたり、目隠しにしたりととても多様されていました。装飾品としての役割もあったんですよ。


そして「几帳」の柱には、面取りの細工が施されていて、この細工の名前を「几帳面」といったのです。(面取りとは、建築用語のひとつ。角材の角を削って滑らかにすること。)

一言に細工と言っても、細い柱の表面を丸く削ったり、鋭角な三角形を切り取って段をつけたりと丁寧で繊細な細工だったんですよ。

もちろん、鋭角になっているところに布がひっかからないような工夫をして仕上げられてもいました。


そんな細工をするには、正確さはもちろんのこと細やかなところまできちんとできる技術が必要となりますよね。

そんなところから、「細かいところまで、物事をきちんと行うこと」を「几帳面」と言うようになった。というわけなんです。



さて、ここまでで意味と読み方・語源が分かりました!

次に、実生活でもありそうなシチュエーションの例文を使いながら、使い方を紹介します。


几帳面

几帳面の使い方・例文!

では早速、例文を見ていきましょう。

几帳面は「どんなことでも、いい加減にしないできちんとする真面目な人」を表す言葉でしたね!

まずは、ビジネスシーンにありそうなシチュエーションでの例文です。

T部長の仕事は本当に几帳面で頭が下がる

図面はきちんとアルファベット順にファイルしてあるし、見積書や注文書もちゃんと依頼番号順にならんでいる。

「見積書、どこへ行ったかな?」なんてことになったことがないもんね!



そうそう、「見積書、どこへ行ったかな?」と探す時間はムダな時間ですからね。

ファイリングなんかは、特に几帳面さが際立ちます。

ビジネスシーンでは、無駄を省くのはとても大切なことです。

几帳面な人って、神経質で融通が利かないところがあるから僕は苦手だな

なんて言っているSくんは、いいかげんの代表格といっても過言ではない。

時間にルーズだし、机の上も散らかし放題。几帳面な人を少しは見習うべきだよ



こちらの例文では「几帳面」を悪口として使っていますね。

確かに、几帳面な人は融通が利かない人が多いかもしれません。

しかし、すべての面において自分と同じレベルを他人に要求したり・価値観を押し付けたりする人ばかりじゃあないでしょうから、見習うべきところは、しっかりと見習いましょうね。

時間にルーズなんてのは、ビジネスシーンではもってのほかですから!


ご家庭で使う場合やや子育て中のママには、こんな例文はいかがでしょうか。

Aちゃんママって本当に几帳面

まだ、小さいお子さんもいるのに、いつお邪魔してもお家が散らかっていたことってないんだもん!

見習わなきゃって思うけれど、私の性格じゃ無理かな(-_-;)



お子さんが小さくても、散らかさないママって本当にすごいですよね。もう、尊敬しちゃいます!

私の場合は見えなけりゃオッケーってことで、すぐに戸棚やクローゼットにしまい込んじゃいますから(笑)

うちの子、へんなところに几帳面でハァ━(-д-;)━ァ…

何でか知らないけど、色鉛筆や絵の具を長さの順に並べなけりゃ気がすまないみたい。

おもちゃはあちこちに散らかしたままにするんだけどね(´Д`)




ありますよね。お子さんのこだわりと言うかなんというかw

ひょっとしたら、ママも変な几帳面さがあるのかもしれませんよ( *´艸`)


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まとめ

いかがでしたか?

「几帳面」の意味や語源・使い方を見てきました。

「几帳面」は一見すると、褒め言葉のように見えますが、「几帳面」な人が苦手という人が使うと悪口にもなってしまう言葉。

「融通がきかない人」という嫌味で、「几帳面」を使う人がいるのも確かです。ビジネスシーンでは、特に気をつけて使いたい言葉のひとつですね。


言葉選びに困ったときに、融通が利くように「几帳面」の類語をご紹介しておきますね。

  • きちんと:整っているさま。正確なさま。過不足ないさま。
  • 誠実:真心がこもっていること。誠意があること。
  • 真面目:誠実である。本気である。
  • 折り目正しい:態度がきちんとしているさま。行儀作法にかなっているさま。
  • 律儀:きわめて義理堅いこと。実直なこと。また、そのさま。



英語では、こんなふうに表します。

  • well-organized:整然としている、きちんとしている。
  • methodical:注意深くて秩序立っている。
  • Scrupulous:実直な。慎重な。



思いのほか、たくさんありますね。


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