「君のプランはいつも絵に描いた餅だよ。きちんと実現できるプランをしっかりと考えなさい!」

お調子者のR先輩が上司から注意を受けていました。


絵に描いた餅


何となく「現実味がない。」という感じの意味だったような…

「こんな雰囲気の意味」だったはず…と使っている言葉。そんな言葉って、思いのほか多いものです。

せっかく、知っているのに「何となく」使っていては勿体ない( ̄▽ ̄;)

正しい意味や使い方を学んで、上手に使っていきませんか。そうすれば、あなたの語彙力がアップすること間違いなし!

そこで、今回は「絵に描いた餅」の意味を分かりやすく紹介していきます

記憶に残りやすくするために、語源や言葉の成り立ち・例文を使った使い方もあわせて紹介していきますね。

まずはじめは、意味と読み方から一緒に見ていきましょう。



絵に描いた餅の意味・読み方!


「絵に描いた餅」「えにかいたもち」と読みます。

意味は、

  • 何の役にも立たないもの。
  • 実物・本物でなければ何の値打ちもないこと。
  • 計画などが実現する可能性のないこと。

です。



意味はわかりましたが、どうしてこんな言葉が生まれたんでしょうか?

何となく「餅の絵」を「役に立たないもの」と比喩しているような気がしますが・・・。

そんな疑問を解決するためにも、次の章では語源を見ていくことにしましょう。 


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絵に描いた餅の語源・由来とは?

「絵に描いた餅」の語源をたどると古代の中国へたどり着きます。

中国の三国時代の書物である「魏書廬毓伝(ギショロイクデン)」の中に記されているお話が語源となります。

「魏書廬毓伝」に書かれている、語源となったお話はこちら。

「選擧莫取有名、名如畫地作餅、不可啖也」(選び挙ぐるに名有るのみを取る莫(なか)れ。名は地に画(えが)きて餅を作すが如し、啖(くら)ふべからずなり。)

こちらは「魏」の初代皇帝である曹丕(そうひ)の言葉です。

残念ながら漢文では何を言っているのかわかりません(-_-;)


現代語に訳してみましょう。

「人を選び登用するときは、名声や評判だけで選んではいけません。名声や評判というものは、地面に書いた餅の絵が食べられないのと同じで、何の役にも立たないものなんです。」と、なります。

予想通り、「餅の絵」を「役に立たないもの」と比喩表現をしていましたね。

曹丕の言葉から実際に役に立たないもののことを「画餅(がべい」といい、「絵に描いた餅」は「画餅」を日本語に訳したものということになります。



このお話の中で曹丕が「餅」ではなく他のもの、そうですね例えば…「おにぎり」に例えていたら「絵に描いたおにぎり」になっていたんでしょうね( ´艸`)

ちなみに、このお話、日本でいうと卑弥呼が邪馬台国を治めていた時代のお話なんですよ。

ですから、「絵に描いた餅」という言葉はかなり昔から使われている言葉であるということになりますね。

さて、語源の紹介が終わったところで次は「絵に描いた餅」の使い方を紹介していきましょう。

続けて、見ていきましょう。


絵に描いた餅

絵に描いた餅の使い方・例文!

では早速、例文を見ていくことにしましょう。

ご家庭でありそうな会話と会社でありそうな会話を例にあげてみましたよ(^-^)

夏休みの宿題は7月中に終わらせる!

なんて言っているけど、毎年絵に描いた餅じゃない( ´艸`)

いったいいつになったら、実現するんだか…



夏休みの初めに小学生がよく言う言葉ですね。

そして、親はそれを絵に描いた餅と言う…

毎年繰り返される会話なんじゃないでしょうか(笑)

今度の連休は家族旅行だ!

なんてパパは張り切っているけれど、どうせ仕事になるんでしょう。

ホント毎回、絵に描いた餅なんだから



我が家のパパは一緒に旅行に行こうとすらしてくれないので、こう言ってくれるだけでも、うらやましい限りです。

A部長が言っていることはわかります。

でも、所詮は理想論。

何年かかっても実現できていない現在のありかたが、絵に描いた餅であることを証明しているじゃないですか



会社でも社会でも「絵に描いた餅」じゃないの?と言いたくなることがたくさんありますね。

身近なことで言えば「待機児童をゼロにする!」なんてのがそうではないでしょうか。

「ゼロ」は無理にしても、絵に描いた餅では終わらせないでほしいものです。

御社に入社したあかつきには、〇〇することが目標です。

目標は立派だけれど、絵に描いた餅にならないようにしっかり努力するように



面接試験で交わされそうな会話ですね。

目標、本当に絵に描いた餅にしないように努力しましょうね!


「絵に描いた餅」は比較的使い方が簡単な言葉だったんじゃないでしょうか。

例文を参考にして慣用句やことわざの、意味をしっかり理解したうえで使用していきましょうね。

意味だけでなく語源まで学んだあなたなら、きっと大丈夫ですよ!


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まとめ

いかがでしたか?

「絵に描いた餅」の意味や語源・使い方を見てきました。

どうやら役に立たないものに例えられるのは「絵」の「餅」だけではないようですよ。

類語を紹介しますね。

  • 画餅に帰す:せっかくたてた計画や考えていた事などが実現できなくて、無駄に終わってしまう事。
  • 机上の空論:頭の中だけで考えられた、実際には役に立たない理論。
  • 畳の上の水練:理屈ばかりで実地の訓練が欠けているため、実際には役に立たないこと。
  • 鞍掛(くらか)け馬の稽古:なんの役にも立たない無駄な練習のたとえ。
  • 砂上の楼閣:基礎がしっかりしてない為にすぐダメになってしまうことのたとえ。
  • 捕らぬ狸の皮算用:まだ手に入らないうちから、それをあてにしてあれこれと計画を立てることのたとえ。



など、たくさんあります。


英語ではこんなものに例えられていますよ。

pie in the sky(空にあるパイ)

パイは報酬を比喩していて、それが空に浮かんでいる。非現実的で手に入らないものという意味ですね。

ちなみに、タイでは「うさぎ」に例えられています。

A rabbit aims for the moon.(月を目指すうさぎ)

現実的に不可能なものを目指している。という意味です。


また、インドでは「夢の中の札束」に例えられていますね。

The money you dreams about will not pay your bills.(夢の中の札束で代金は支払えない。)

思い描いただけでは現実は変わらない。という意味です。


慣用句やことわざをきっかけにして、世界各国のことを調べてみるのもおもしろそうですね。


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