「ちょっと小耳に挟んだんだけどね~」
うわさ話って、こんな感じで話し出しますよね。
「耳」は聞くものなのに、どうして「挟む」なんて言うんでしょうか?
なんだか不思議な表現です。
使い慣れた言葉のはずなのに、何かの拍子に「あれ?」と気になってしなう。
そんな言葉は、意外と多いものです。
今回はそんな言葉のひとつ「小耳に挟む」の意味や使い方などを紹介します!
読み終わるころには、「これってこんな理由で使われているんだよ。」なんて話せるようになれますよ(*´▽`*)
一緒に見ていきましょう。
小耳に挟むの意味・読み方
「口を挟む」と混同してしまうのか、「小耳を挟む」と言ってしまうことがあるようです。
「小耳を」ではなく「小耳に」ですから、注意してくださいね。
小耳に挟むの語源・由来とは?
「小耳に挟む」に語源らしい語源はありません。
というわで、今回は「小耳に挟む」を単語に分けて掘り下げて見ていくことにしましょう。
まずは、「小」。
「小」の意味にひとつに、「動詞・形容詞・形容動詞などに付いて、すこし・なんとなく・ちょっとなどの意を表す。」という役目があります。
「小腹」「小ぎれい」「こざっぱり」などが、同じ使い方になりますね。
「耳」は、言わずと知れた「生物の、物を聞く働きをする器官。」です。
では、「挟む」はどうでしょうか?
今回の言葉の中では、「挟む」の意味が一番のカギとなるところですね。
意味には、「物と物との間に差し入れる。」「何かをしている途中に、別のものを入れる。」「何かを間に置いて相対する。」などがあります。
実は、この他にも「聞き込む。」という意味があるのです!
但しこれは、「小耳に」という言葉が付いた場合のみに意味をなすので他の言葉には付きません。
「聞き込む。」とは「聞いて知る。」という意味ですね。
では、全ての意味を合わせてみましょう。
「ちょっと聞いて知る。」となります。
まさに、「ちらりと聞く。」「聞くつもりはなかったが、聞こえてしまう。」ですね。
小耳に挟むの使い方・例文
では「小耳に挟む」を、実際使っている例文を見ていきましょう。
3つの例文を続けて見ていただきました。
「さみしいことや困ったこと」「期待を持てること・うれしいこと」を小耳に挟んだようですね。
こちらを見ていただいてわかるように「あまり聞きたくないこと」「聞いてうれしいこと」どちらにも「小耳に挟む」は使えるんです。
他にはどんな使い方ができるでしょうか?
小耳に挟んだ話を「情報源」のひとつとして利用している。
そんな使い方ですね。
と、このように「小耳に挟む」を使います。
自分から進んでではないのに、聞いた・知ったときなどに使いますよ!
逆に、自分から情報収集した場合やしようとした場合には、使いませんので、気をつけくださいね。
例えば…「次の試合の対戦相手の弱点はないかと、情報を小耳に挟むために練習を見に行ってみた。」や「入社試験の傾向と対策のために先輩の話を小耳に挟みに行ったんだ。」と、いった使い方です。
間違って使うと、恥をかいてしまいますのでご注意ください( ̄▽ ̄;)
まとめ
いかがでしたか?
「小耳に挟む」の意味や語源・使い方をみてきました。
ここで「小耳に挟む」の類語をいくつか紹介しますね。
- 仄聞(そくぶん):人づてなどによって、うすうす聞くこと。
- 耳にする:耳に入ってくる。
- 聞くともなしに聞く:あえて聞こうとしているわけではないが、聞こえてくる。
- 風の便り:どこからともなく伝わってくるうわさ。 吹く風が伝えるもの。
- 風聞(ふうぶん):うわさ。風のたより。また、うわさとして聞くこと。
英語だと、「hear casually(何気なく聞く)」や「overhear(ふと耳にする)」で表現できますよ。
そして、こんな言い方もあります。
「a little bird told me 」
こちらは、英語のイディオムで「風の便りに聞いた,」「小耳にはさんだ 」と意訳されるんです。
(イディオムとは、2つ以上の語が結びついて特殊な意味を持つ言葉。習慣的に使われる慣用語のため、単語の意味から推測しても、全体の意味が分からない表現のこと。)
聖書に書かれている一文で「鳥はうわさをひろめるから」というのが語源になっているものなんですよ。
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