新婚ほやほやの先輩が、「僕が家に帰ったら、妻が夕飯も出してくれて、お風呂の準備までしてくれる。本当に至れり尽くせりの生活だよ~。結婚して良かった~。」と惚気てきました。
「至れり尽くせり」ってこんな感じで、耳にすることが多いです。
ただ、正しい意味が分かって使ってる?って聞かれると、ちょっと難しいですよね。
なんとなく、「不自由なく十分なようす」を表しているのかな~、と思うのですが…
実際のところはどうなのでしょうか?
今回はそんな疑問を解決するために、「至れり尽くせり」について、意味や語源、使い方をまとめていきます。
至れり尽くせりの意味・読み方!
「至れり尽くせり」を「至る」と「尽くす」に分けて考えてみましょう。
「至る」の意味には、「注意が十分に行き渡る、行き届く」があります。
「尽くす」には、「できる限りのことをして、これ以上はないという状態にする」という意味があります。
上記から、「至れり尽くせり」は、「これ以上ないほど注意を行き渡らせている状態」となり、「十分に配慮が行き届いていること」とにつながりますね。
「至れり尽くせり」の注意点としては、「至り尽くせり(いたりつくせり)」と間違えてしまうこと。
このようには使わないので、注意しましょう。
至れり尽くせりの語源・由来とは?
「至れり尽くせり」は、荘子(そうし)が書き残した「内篇」のなかの「斉物論(せいぶつろん)」で使われています。
「斉物論(せいぶつろん)」の中で、「至れり尽くせり」は、「これ以上何か加える必要がなく、完璧な状態」を表しています。
荘子(そうし)は道教の始祖と言われている人で、著作に「至れり尽くせり」を残したことから広く使われるようになったと考えられますね。
ちなみに「道教(道教)」は、中国三大宗教の一つで、中国古代の神仙思想(しんせんしそう:不老長寿の仙人になりたいと願った思想)に、陰陽五行説(いんようごぎょうせつ:中国古代の世界・宇宙観)や道家(どうか:古代中国の学派)思想を加え、さらに仏教の影響を受けて組織化されたものだそうです。
要するに、いろんな考えを織り交ぜて作られた、有名な中国宗教のうちの一つが、道教(どうきょう)ということになります。
なるほど、そんな有名な宗教の祖と言われる人物が使った言葉なら、広く使われるようになったのも納得です(*^-^*)
至れり尽くせりの使い方・例文!
では、例文から使い方を確認していきましょう。
いいですね!たまにはこんな日があるのも!できれば、1年に一回とかじゃなく、月一回位欲しいですが(;´∀`)
疲れた体のマッサージまで付いていて、申し分がない状態です。このように、配慮が十分行き届いていて申し分がないときに、「至れり尽くせり」が使えますね。
健康ランドっていろんなお風呂があったり、休憩室もあったりで、すごく快適な空間ですよね。
やることにも困らないし、本当に十分すぎて申し分がない状態です。
健康ランド、行こうかな…
では続けて、至れり尽くせりの類語を確認していきましょう。
- 心尽くし(こころづくし):できる限りのことを行ったさま。精魂こめたもの。(料理や催しで使うことが多い。)
- 懇切(こんせつ):細かいところまで心が行き届いて親切なこと。
- 気が利く(きがきく):配慮が行き届いている。
何度も同じ言葉を使ってしまうと、文の流れが単調になってしまうので、覚えておくと言いかえるときに便利です。
まとめ
今回は、「至れり尽くせり」について、意味や語源、使い方を確認してきました。
「配慮が行き届いていて、申し分ないこと」を意味していましたね。
最初、私が考えていた「不自由なく十分なようす」は、「至れり尽くせり」の意味としては、違っていますね。
「不自由なく」だと、「至れり尽くせり」がもつ「これ以上ないほど十分に配慮して」という雰囲気が感じられません。
意味的には「満ち足りた(みちたりた:十分に満足する)」のが近い気がします。
今回ちゃんと調べて意味を覚えたので、次からは正しい解釈ができますね。
このように、少し解釈を間違って使ってしまっている言葉があると思うので、少しでも疑問に思ったらどんどん調べてみましょう!
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