「自腹を切る」という言葉は、普段から良く見かけるのではないでしょうか。

例えば、「自腹を切って購入した。」などのように様々な場面で使われる言葉です。


自腹を切る


しかし、言葉(特に慣用句では)は、自分が正しい意味として使っていたつもりでも、「使い方が間違っている!」と相手に叱られる場合もしばしば…

今回のテーマは「自腹を切る」の意味や使い方について。

普段から良く使っている言葉だから問題ないと思いがちですが、分かりやすい言葉だからこそ、大きな落とし穴があるかも?!

そうならないように、今一度確認していきましょう!



自腹を切るの意味・読み方は?


「自腹を切る」は「じばらをきる」と読みます。

意味は「必ずしも自分が負担する必要のない経費などを自分の金で支払う」こと。



これと似たような表現としては「私財をなげうって」「自費で」「身銭を切って」「自分持ちで」「自前の費用で」などが挙げられます。

「自腹を切る」という行為は、自分の財布を痛めることにつながりますので、避けられるものならば避けたいものです。

それにしても「自腹を切る」とはすごい表現ですよね。

ではどのようにして、お金を払うこととつながるのか見ていきたいと思います。


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自腹を切るの語源とは?

「自腹を切る」の語源ですが、やはり「自分の腹を切る行為=切腹」に由来する言葉だと言われています。

切腹とは、責任を自分自身で被る行為となりますので、そこから転じて、「自分の金でお金を支払う」ことを「自腹を切る」と言うようになりました。


慣用句は、その行為を実際にするわけではないのだけれども、その状況を何かの場面に例えて使うことが多く、例えば「清水の舞台から飛び降りる(思いきって決断する)」なども同じような使われ方をします。

先ほど「自腹を切る」と同じような意味を持つ言葉として「身銭を切る」という表現もご紹介しました。

こちらも同じ意味として使われる言葉なのですが、どちらかというと「自腹を切る」のほうが使われる機会が多いですね!

やはり、「切腹」を連想させる「自腹」のほうがインパクトのある言葉であり、使いやすい印象がある、ということも関係しているのでしょうか。


自腹を切る

自腹を切るの使い方・例文!

使い方・例文の説明に移りますが、やはり、会社や仕事関係の場で使われることが多い言葉。

以下、例文を紹介します。

  • 「自腹を切って」会社の備品を買う。
  • 営業成績が思わしくなかったので、「自腹を切って」その場をしのいだ。
  • あとで経費として計上するので、取りあえずここは「自腹を切ろう」。
  • 私が会社で使っているペンは「自腹」で買ったものだ。
  • そもそもなぜこんな思いをしてまで「自腹を切ら」なければならないのだ。



一般的に、仕事をする上でどうしても使わなければならないお金は必要経費となりますので、必ずしも自分で負担する必要はないのですが、手続きが面倒くさいなどの理由から仕方なく個人で負担してしまう場面もあろうかと思います。

そういったお金を負担するときには「自腹を切る」と使うのですが、もともと自分で購入しようと思っていたものに対してこの言葉は使いません。

例えば、「ようやく、2週間前に予約をしておいた商品が届いた」からといって、その商品を買うために「自腹を切る」と使ってしまうとおかしな表現となってしまいます。

あくまでも、自分が払う必要のないお金を負担する場合に使う言葉ですので注意しましょう。


ではもう一つ使い方が間違っている例として、友人と食事をしたあとに会計をする場面を見てみましょう。

「この前はお金を出してもらったから、今回は私が自腹を切るよ。」

このように使ってしまうと、言われた側は「この人はいやいやながらお金を出しているのか。」「別にこちらから支払うように言ったわけではない。」などと誤解されてしまう場合もあります。

この場合では、単純に「今日は私が出すよ。」としたほうが良いでしょう。


余談となりますが、ここで英語の表現について見ていきたいと思います。

  • at one’s expense
  • pay for something out of one’s own pocket



補足しますと「expense」は「費用」、「pay」は「支払う」、「pocket」は日常生活でも使うあのポケットです。


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まとめ

いかがでしたか。

「自腹を切る」について、意味や語源、使い方について見てきました。

おさらいすると、この言葉の意味は、「必ずしも自分が負担する必要がないお金を支払うこと」で、「自分の腹を切る=切腹」に由来する言葉であると理解できたのではないでしょうか。


「自腹を切る」は良く使われる表現であるため、言葉自体を言い間違違うことは少ないと思いますが、使われるべき場所には気を付けたいところです。

正しい使い方であれば問題ないのですが、もしそれが間違っていた場合は恥をかいてしまったり、ときには責められたりすることも…

改めて「言葉を見直してみよう」と思うきっかけとなりましたら幸いです。


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