「君は本当に、杓子定規でしか物事を考えることが出来ないなぁ~。頭が固いよ!」

新人くんが部長に注意を受けていました。


杓子定規


反省しているのかと思いきや「部長、杓子定規ってなんですか?」と聞いてるし!Σ(・□・;)

呆れた部長から、新人くんに「杓子定規」の意味を説明しておくようにと言われたものの…

何となく意味は知っているけれど、「説明して」と言われる説明できなくて困った経験、あなたにもありますよね。


そこで今回は、「杓子定規」の意味について調べてみることにしました。

意味だけでなく、語源や使い方をあわせて調べたことで私も新人くんも深く理解することができましたよ。

では、まずはじめは意味と読み方からスタートです。

一緒に見て行きましょう。



杓子定規の意味・読み方!


「杓子定規」「しゃくしじょうぎ」と読みます。

意味は、

  • すべてのことを一つの標準や規則に当てはめて処置しようとするやり方や態度。
  • 一定の基準や形式で、すべてを律しようとすること。

です。



うわぁ~、なんだか面倒くさそうな人を指している言葉ですね。

一言でいうなら、「融通が利かない」です。


ところで「杓子」とは一体何でしょうか?

定規は物差しのことかな?と想像がつきますが…

「杓子」の正体を知るためにも、意味をより深く理解するためにも次の章を一緒に見ていきましょう。


スポンサーリンク


杓子定規の語源・由来とは?

「杓子定規」の語源のお話の前に、まずは「杓子」と「定規」について説明していこうと思います。

まずは「定規」から。

定規は、線を引くときに使うまっすぐな道具の事です。

続いては「杓子」です。

杓子は、汁物をすくったり、ご飯を盛ったりするのに使います

ご飯を盛るのに使う「杓子」は「杓文字(しゃもじ)」とも呼ばれます。

お味噌汁やカレーをすくうときに使っている「お玉」も正式名は「玉杓子」といい、「杓子」のひとつなんですよ。

杓文字やお玉を想像してもわかるように、「杓子」の柄の部分は曲がっていますね。

その曲がった「杓子」を無理やり、まっすぐな「定規」の代わりに使おうとするなんて機転が利かない人のすることです。


そこから、「機転が利かない。」という意味の言葉になり、「融通が利かない。」という意味に転じていったのが「杓子定規」の語源なんです。

つまり、杓子(を)定規(の代わりに使おうなんて、なんと機転が利かないんだ!)と、いうふうに(  )内の言葉を省いてしまってできた言葉なんですね。


実は、「杓子定規」の語源にはもうひとつ説があるんです!

「杓子」は、もともと物を図るものとして使用されていて、税の取り立てにも使われていました。

「杓子」を使ってきっちりと出来高をはかり、税を決められたというところから、決められた基準をきっちり守らなければいけないという考えを「杓子定規」というようになった。という説です。

個人的にはふたつめの説のほうが納得がいきました。

さて、「杓子定規」の語源もわかったことですし、次は使い方を紹介しますね。


杓子定規

杓子定規の使い方・例文

例文を使いながら「杓子定規」の使い方を紹介していきますね。

今年の新入社員は真面目だけれど、杓子定規な考え方の人が多いなぁ

真面目なのは良いことだけれど、臨機応変な対応も必要ということをこれから学んでいってもらいたいな。


君が考えている方法はちょっと杓子定規すぎるなぁ

もっと、ケースバイケースで!という考え方を盛り込んだほうが良い提案になると思うよ。



ルールや規則は大切なことですが、ビジネスシーンでは臨機応変も同様に大切ですもんね。

ちなみに、「臨機応変」や「ケースバイケース」は「杓子定規」の対義語です。

この申請には、印鑑証明と戸籍謄本が必要です。だってさ!

申請事ってホント杓子定規で面倒だよ

ちょっとくらい融通を利かせてくれたっていいようなものを<(`^´)>



役所内で聞こえてきそうな愚痴ですね。

でもこの場合の杓子定規はそうでなくてはいけないものです。

「真面目過ぎる」のではなく「忠実」なんです。


例文を見ていただいてわかるように、「杓子定規」は良い意味で使われることはあまりありません。

特にビジネスシーンで使う場合には、注意しましょうね。


スポンサーリンク


まとめ

いかがでしたか?
「杓子定規」の意味や語源・使い方を見てきました。

語源が2通りあるというのには、驚きましたね。

もちろん「杓子定規」な人は日本人だけではありませんよね。

英語では、

  • go by the book
  • go by the rules

と表現します。どちらも「規則通りに行う。」という意味です。

また、類語にはこんなものがあります。

  • 四角四面:ひどくまじめで堅苦しいこと。非常にかしこまっていること。
  • 頑固一徹:非常にかたくなで、一度決めたらあくまでも自分の考えや態度を変えようとしないさま。
  • 堅物:きまじめで、融通の利かない人。
  • 教科書通り:物事はこうあるべき、という理念に忠実であるさま。
  • 柔軟性がない:その場に応じた適切な判断ができないこと。さまざまな状況に対応できないこと。



やはり類語も使うのに注意しなくてはいけない言葉ばかりですね。


「杓子」は聞きなれない言葉でしたけれど、思いのほかことわざや慣用句で使われていました。

  • 猫も杓子も:誰も彼も。
  • 杓子を渡す:姑が嫁に家政を譲る。
  • 杓子果報:うまい食事に恵まれること。よいものや、よい状態を得る幸運に恵まれること。
  • 杓子は耳掻きにはならず:大きいものが、必ずしも小さいものの代わりにはならないたとえ。
  • 杓子で腹を切る:できるはずがないこと、また、形式だけのことをするたとえ。

「杓子」がいろいろなものに使われていますね。


慣用句やことわざに出てくる言葉って、いったい何が一番多いんでしょう。

動物も多そうですし…調べてみるのも面白いかもしれませんね。


関連記事(一部広告含む)