「このオーディションはアイドル歌手への登竜門です。」そんな公開オーディション番組をひと昔前はよく目にしましたね。
最近は、そういった番組はもちろんのこと、「登竜門」という言葉自体をあまり聞かなくなったような…
なんとなく意味を理解したつもりになり、なんとなく使っていた言葉。
数多くあるそんな言葉のひとつだった「登竜門」。
今回はそんな「登竜門」の正しい意味や語源・使い方を紹介していきますので、一緒にみていきましょう。
登竜門の意味・読み方!
ごく稀(まれ)にですが「とうりょうもん」と読む場合もあります。
意味を簡単にいえば「関門を乗り越えて成功する」ですね。
実は、本来のとは違い「誤用」といわれていた意味が、時代とともに定着してきており「立身出世のための試験や審査・賞そのもの」をさすようにもなりました。
こちらは「成功のために乗り越える関門」とも言えますね。
では、試験や審査を突破することが、なぜ「登竜門」と呼ばれるようになったのでしょうか?
疑問を解決するためにも語源を見ていくことにしましょう。
登竜門の語源・由来とは?
「登竜門」の語源をたどると、慣用句やことわざ・故事成語の語源の定番、中国へとたどりつきます。
中国の「竜門を登り切った鯉は竜になることができる。」という言い伝えが語源なんです。
「竜門」とは、黄河の上流にある急流のことをさしています。
古代中国の夏王朝(紀元前1900年頃 -~紀元前1600年頃 中国最古の王朝といわれる) の禹王(うおう)が河川工事をを行った時に、その地にあった竜門山を切り開いてできた急流なので「竜門」という名になりました。
この「竜門」と呼ばれる急流を、見事登りきった鯉は竜になると言われてました。
想像を絶する急流である竜門を登ろうとするのですら大変なのに、登りきるのは並大抵のことではありません。
登りきれた鯉は選ばれしものなので、竜になる価値があるのです。
こんなお話から、竜門を登ることつまり「登竜門」が難関や試験を表すようになったのです。
竜になる可能性を秘めている鯉は、中国では力強く逞しいく縁起の良い魚といわれているんですよ。
また、「登竜門」には歴史的な故事も関係しています。
中国の後漢王朝の時代(25年 ~ 220年)に、李膺(りよう)という偉い官僚がいました。
李膺は当時の宮廷の実力者であったために、李膺に認められたならば出世が約束されるといわれたほどでした。
そこで、彼に認められることを「登竜門」のお話になぞらえていたといわれています。
王朝時代の中国ではの科挙(かきょ 中国で598年~1905年に行われた官吏の採用試験)が具体例といえるのではないでしょうか。
科挙に合格すれば本人は官僚として地位・名声・権力が約束されていましたし、それを元に大きな富も得ることができます。
その上、その一族にとっては未来にわたってずっと残る名誉とされていたのですから、「登竜門」といって過言はないでしょう。
しかし、なぜ鯉が竜になったら成功を表すのでしょうか?
古来から竜が天に昇る様子は出世や成功の象徴として描かれており、成功した自分の姿を天を駆け巡る竜に例える。という比喩表現なんです。
「天にも昇る気持ち」とでもいいましょうか(笑)
ちなみに、「登竜門」の語源になった言い伝えを表現しているのが端午の節句に飾られる「鯉のぼり」。
「登竜門」の語源になぞらえて、子供(特に男の子)の健やかな成長や立身出世を願い鯉のぼりをあげるのです。
登竜門の使い方・例文!
さて、登竜門の意味と語源を見てきました。
早速ですが、例文を作ってみましょう。
いかがでしょう。
あなたが想像した使い方と似ていましたか?
「難しいけど達成すると大きな成果があるもの」として表現するのがふさわしいですね。
他にも応用的な使い方として、困難な仕事や厳しい仕事をする際に「この仕事をやりぬくということは、この業界で成功するための登竜門となるはずだ!」といったふうに、自分のやる気を奮い立たすため使うこともできますね。
まとめ
いかがでしたか?
「登竜門」の意味や語源・使い方を見てきました。
古代の中国の地名を含んだ言葉であった「登竜門」ですが、英語で表現するこは出来るんでしょうか?
- A first step to success (成功への第一歩)
- A stepping stone to success(成功への足掛かり)
- a gateway to success.(成功への入口)
なるほど!
どの表現も「登竜門」と意訳できそうですね。
日本語訳もこのまま同義語として使えそうですし、良い表現が見つかりましたね。( ..)φメモメモ
「登竜門」の反対の意味の言葉で「点額(てんがく)」というものがあります。
この言葉の語源は、竜門を登ることに失敗してしまった鯉が、岩に額をぶつけて傷(点)をつけてしまったことなんですよ。
あなたは「これが登竜門だった!」という経験はありましたか?
それとも、これからでしょうか?
何の世界でも「登竜門」はあります。小さな世界のものもあれば国際的なものまで、さまざまな世界の登竜門的なコンテストなどが開催されていますね。
あきらめないで努力すればきっと人生何かひとつ「登竜門」に挑戦する、そしてその門をくぐることがきっと出来るはずですよ。
「点額」になってしまわないように、日々の努力を怠らないようにしましょうね。(*^-^*)
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