「昼行燈な人って夜になると何か変わるのかな?
だって昼に使うから役に立たないんだから、夜は役に立つんじゃないの?」
先日、ママ友からこんな質問されました。
使い方としては合ってる気がするけど、正しい意味を知らない言葉って結構ありますよね。
昼行燈もそのひとつ。
そこで今回は「昼行燈」の意味や語源を紹介しちゃいましょう。
昼は役に立たない人は夜になると変身するのでしょうか?
昼行燈の意味・読み方!
「行燈」は「行灯 」と書くこともあります。
「昼間に役に立たない人」や「昼間にぼぉ~っとしている人」の意味ではありません。
「役にたたない」「ぼんやりしている」状態が「昼」であろうが「夜」であろうが「昼行燈」なんですね。
では、なぜ「役にたたない人」「ぼんやりしている人」は「昼行燈」と呼ばぶのでしょうか?
昼行燈の語源・由来とは?
語源の説明の前に「行燈」とは、どんな物なのかを説明しましょう。
行燈とは、昔使われていた照明器具のひとつです。
主に使われていたのは江戸時代の頃。
木や竹・金属で作られた枠に紙を貼り付け内部に油皿を置き芯に灯(ひ)を灯(とも)して使います。
蝋燭(ろうそく)を使う場合もありますが、蝋燭はまだ貴重品であったので油をつかうのが主流でした。
時代劇などで部屋に置いてある薄明りのシェードのついたスタンドのようなものが「行燈」ですね。
「行燈」は照明器具なのですから、当然 暗いところで使うものです。
明るい昼間に行燈を灯しても役に立ちませんし、何の意味も成しません。
ここから転じて「役にたたない人」という意味になりました。
また、「ぼんやりしている人」の意味は、昼間に行燈をつけても明るさがわかりにくく、ぼんやりしている状態になることから転じているのです。
ちなみに、「行燈」と聞いて「化け猫」を思い出す人もいると思います。
実は、化け猫が舐めるといわれている油を使っているのが、行燈なんです。
「行燈」に使われていたのは、菜種油か鰯油(いわしあぶら)が主でした。
庶民の間では安価な鰯油がほとんどで、独特の臭いを放っていたそうです。
化け猫が行燈の油をなめていたのは鰯の臭いにつられてなんでしょうね。
昼行燈の使い方・例文!
では、使い方の例をあげてみましょう。
水泳の後の授業はただでさえ、ぼぉ~っとしてしまいがちですからね(笑)
こんな人は陰口にすら気がつかないのかも知れませんね。
「昼行燈」じつは、こんな使い方もするんです。
実はすごい人が理由あって、実力を隠したいがために、普段は「昼行燈」の振りをしている。
「怠け者や役に立たないふりをしていて、実は実力を隠している人」と言う意味で「昼行燈」が使われる場合もあります。
例えば、「必殺・仕事人シリーズ」で故藤田まことさんが演じている中村主水(もんど)。
テレビの視聴者からみれば、この使い方の「昼行燈」そのものですね。
昼間はぼぉ~っとしたお役人。夜になれば…
ですが、この事実を知っているのはテレビの視聴者だけです。
では、見るサイドを視聴者から主水さんの奥さんとお姑さんに変えてみましょう。
ドラマの中で奥さんやお姑さんが主水さんを「昼行燈」と言っていますね。
奥さんやお姑さんは夜の主水さんの顔を知らないので、この「昼行燈」は悪口として使っています。
このように、見る方向が変われば悪口である「昼行燈」が褒め言葉のようにも聞こえます。
ということは、逆もしかり…
褒めたつもりが、相手が気を悪くした…なんてならないようにしましょう。
まとめ
「昼行燈」の意味や語源を見てきましたがいかがでしたか。
あなたが想像していた通りでしたか?
ここで、ちょっと「昼行燈」とごっちゃにされがちな言葉を紹介します。
- 月夜に提灯(ちょうちん)
明るい月夜に提灯を灯して歩いても、役に立たない。それどころか邪魔になることから必要ないもの・役に立たないものという意味の言葉です。
ごっちゃにしてしまい、「昼提灯」としてしまわないようにしましょう。
確かに、昼間に提灯を使うのも役に立ちませんけどね(笑)
今回、紹介した「昼行燈」。
なんとなく知っている言葉を調べたことで、より深く知ることができましたね。
意味だけでなく語源や使い方を知ることで記憶に残りやすくなるものです。
もうひとつのポイントは、人から聞くのではなく自分で調べること。
そのひと手間でより一層、記憶に残ること間違いなし!です。
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