営業で向かった取引先で何とか商談を成功させたい。
そんな時、担当者の人から「この前の商談でも頑張っちゃったからな〜無い袖は振れないよ」と笑顔で軽くあしらわれる…。
「えっ?無い袖は振れないってどんな意味??」
言われた言葉が分からず困った経験、あなたもありませんか?
社会人になると上司や取引先など学生とは違うビジネスシーンでのお付き合いをしなくてはなりません。
そんな時とっさに言われた言葉に尻込んでしまって雰囲気が悪くなったり、曖昧な返事をして後々上司から大目玉!なんてことも…。
そんな事にならないように、今回は「無い袖は振れない」の意味や使い方を丁寧に説明していきますね!
無い袖は振れないの意味・読み方とは?
意味は分かりましたが、何故「無い袖」が「出しようがない」となるのか、さっぱり分かりません…
営業先の担当者が「無い袖は振れない」と、どんな意味で使ったのか今ひとつ結びつくことが出来ないと次のステップに進めませんよね。
せっかく意味は分かっても語源が分からないと理解が出来ないので、もう少し調べてみましょう。
無い袖は振れないの語源とは?
「無い袖は振れない」の「袖」とは、着物の腕を包んでいる膨らんでいる部分の「たもと」の部分までを指しています。
もちろん、たもとが付いていない着物ではあれば降ることは出来ません。
でも何故「出しようがない」のでしょうか。
それは昔、着物の袖のたもとに小銭や銭袋を入れることがありました。
たもとのない着物では小銭を入れるところがないのでお金がない、という意味を表現しています。
取引先で担当者に「この前の商談でも頑張っちゃったからな〜無い袖は振れないよ」と言われたのは、今回の商談ではお金がないよ、という事を伝えたかったのですね。
語源を調べたら「無い袖は振れない」の意味合いも深く分かることが出来ました。
では実際にどうやって使うことが出来るのでしょうか。
次に「無い袖は振れない」の使い方をみていきたいと思います。
無い袖は振れないの使い方・例文
- 「援助したい気持ちはあるんだが無い袖は振れないよ」
- 「いくらせがまれても無い袖は振れないよ」
など、という金銭的な場面で使う事が出来ます。
岡鬼太郎さん作の落語「意地比べ」でも、金銭のやり取りをしている時に「無い袖は振れない」という言葉が出てきます。
というように「無い袖は振れない」とは金銭的な話をした時に「出しようがない」場面で使う事が出来ます。
逆に金銭的な話をしていない時に「無い袖は振れない」というのは正しい使い方ではありませんので注意してください。
例えば
「この会議中に最善策を考えつけ、と言われても残りの時間で良い意見など出るはずがない。無い袖は振れないよ」
など、「実際に無いものはどうやっても出しようがない」という意味のニュアンスは似ていますが、語源からの話をすれば全く違うことが分かります。
まとめ
「無い袖は振れない」というのは着物のたもとの部分にお金を入れることが語源となりましたが、着物を着る文化のない海外ではどのように使うのでしょうか?
調べてみましょう!
「A man cannot give what he hasn’t got.」
直訳すると、「持っていないものは与えることが出来ない」という意味になります。
援助を求められても自分には持ってないのでどうしようも出来ない、という至ってシンプルなもの。
また似たような言葉になりますと
「It is hard to get a stocking off a bare leg.」
意味は素足から靴下を脱がすのは難しい、となり何とも英語圏らしいニュアンスになりますね。
「An empty bag will not stand upright.」
こちらも直訳すると、「空の袋はまっすぐに立たない」というな意味になります。
英語圏で使われている同様なことわざです。
日本語では似たような言葉として「無い知恵は出せぬ」という類義語がありますね。
こちらも出したくてもどうしようもない意味合いです。
いかがでしたか?
「無い袖は振れない」の意味はお分かり頂けたでしょうか?
何となく聞いたことのある言葉だけど意味まで分からない…と思っていた人も、こちらを読んでスッキリして頂けたら幸いです。
ビジネスシーンにおいてコミュニケーション能力が1番重要で、人を動かす原動力となるのが「言葉」。
気持ちの良いコミュニケーションを取れるために正しい日本語を使っていきましょう。
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