「息をのむ」って言葉、よく耳にしませんか?
スポーツ中継などでも、「両者一歩も譲らず、息をのむ展開が続いています」と解説者の人が言っていることがあります。
「息をのむ展開」ってどんな状況なのでしょうか?よく聞く言葉ですが、ふと意味や使い方を考えると、パッと頭に浮かんでこない…
普段は、息は吸うもので飲むことはあまりないですよね。漢字もどの「のむ」を使うのか気になりますね。
いくら言葉だけ知っていても、正しい意味を知っていて適切な場面で使えないと恥をかいてしまいます。
そんなことになる前に、今回は「息をのむ」について、意味や使い方、類語を覚えていきましょう。
息を呑むの意味・読み方!
「息を呑む」を「息を飲む」と書いてしまうと、誤表記になってしまうので注意しましょう。
「飲む」ではなく「呑む」と書くのかというと、「息をのむ」という行為は実際に行うことはないので、抽象的な意味を表す「呑む」という漢字が使われます。
「要求をのむ」というときも「呑む」という漢字が使われます。息は吸うもので、飲み込まないですもんね。
「飲む」という表現は、実際にものを飲み込むときに使います。
意味や漢字が分かったところで、なぜ息を呑むと言う言葉ができたのか語源をみていきましょう!
息を呑むの語源・由来とは?
驚いたときや、緊張状態のときに、「ハッ!」と一息吸いこんで体に力が入ることがありますよね。
人間は、驚いたりすると、無意識のうちに神経が高ぶり、すぐに体が動けるように準備するために筋肉を緊張させます。
このときに一呼吸するので、そのときの動作から、「息を呑む」というようになりました。
確かに驚いたりすると、「ハッ!」と一息吸いこみますよね。
あの動作が、すぐに体が動けるように無意識に準備していたとは…考えてみると、勢いよく息を吸い込むから息をのんでいるように感じます。
息を呑むの使い方・例文!
「息を呑む」の意味は、「おそれや驚きなどで一瞬息を止める、緊張しながらじっと見守ること」でしたね。
このことから、「緊迫した様子を表す場面」や「どうなるのか結果が分からない様子」、「驚いたときに息が止まるような瞬間」などによく使われます。
では、例文を見ながら確認していきましょう。
やっぱり生で聴く演奏は違いますよね。迫力が桁違いです。音で衝撃を受けるような感じがします。
私は中学生のときに吹奏楽部だったので、コンクールで他校の演奏を聴く機会があったのですが、やっぱり優勝校の演奏は衝撃的でした。
上記の例文のように驚き交じりで感動したときも、思わず息を止めることがあります。そんな場面でも「息を呑む」を使うことができます。
では次の例文も確認してみましょう。
両者の実力が拮抗していると、展開が読めず見ているほうもハラハラ、ドキドキします。
どっちが勝つんだろうと思いながら、観客も緊張しながら勝負の行方を見守りますよね。
そんなときにも「息を呑む」が使えます。
では、続いて類語を確認していきましょう。「息を呑む」の意味に似た言葉にはどんなものがあるのでしょうか。
- 唖然とする(あぜんとする):思いがけない出来事に驚きあきれて声も出ないさま。あっけにとられるさま。
- 声を呑む(こえをのむ):感動や驚き、悲しいなどの衝撃で声が出ない様子。
- 固唾を呑む(かたずをのむ):ことの成り行きを心配して息を凝らす。
「息を呑む」の言い換えとして使えそうなのは、「声を呑む」になりますね。
言葉の雰囲気も似ています。
「声を呑む」も「固唾を呑む」も実際に飲みこむものではないので、「呑む」という漢字を使っていますね。
ちなみに、「固唾」は緊張しているときに口の中に溜まるつばを表しています。
類語も一緒に覚えておくと言葉のレパートリーが増えて、いろいろな場面に対応できます。
まとめ
今回は「息を呑む」について意味や語源、使い方をまとめてみました。
意味は「おそれや驚きなどで一瞬息を止める、緊張しながらじっと見守ること」でした。
「息を飲む」と書いてしまうと誤表記になってしまうので、そこだけ注意が必要ですね。
美術館できれいな絵を見たときに、感動して「息を呑む」ことがあったり、子どもが道路に急に飛び出して車にぶつかりをそうな場面に出くわして「息を呑む」ことがあったりと、様々な場面で使える言葉です。
ぜひ、驚いたり緊張して見守るようなことがあったら、「息を呑む」を使ってみてくださいね^^
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