「今日の朝礼で、校長先生が身に余る光栄って言ってたんだけど、どういう意味?」

学校から帰ってきたとたんに、子どもが聞いてきました。
長年続けてきた何かを表彰してもらったらしいのですが、「身に余る」が気になった様子。

そっかぁ、それじゃあ説明してあげよう!と、思ったけど、どう説明すればわかりやすいんだろう?
何となく、こんな意味なんだけど…じゃダメだよね(;´Д`)


身に余る


「なんとなく知っている。」のままで使っていたから「いざ」というときに説明できない。そんな経験あなたにもありますよね。

特に子どもの質問には、正しく答えてあげたい!ですからね。

そんなあなたに、今回は「身に余る」の意味や語源・使い方を紹介いたします。

言葉が生まれたきっかけを知ることで、意味や使い方をより理解できますよ!

それでは、意味と読み方の紹介からはじめましょう。



身に余るの意味・読み方!


「身に余る」「みにあまる」と読みます。

意味は、

  • 喜びよりも、恐れ多い気持ちが大きい心境を表す言葉。
  • 与えられた仕事や責任が自分の能力に比べて重すぎる。

です。



「身に余る」に似た言葉で、「手に余る」「目に余る」があります。

しかし、「手に余る」の意味は、「 自分の能力を超えている。手に負えない。」

「目に余る」の意味は、「程度がひどくて黙って見ていられないほどである。数が多くて一目で見渡せないほどである。」なので、全く別の言葉です。

音や表記が似ていると、混同してしまいがちですから気を付けましょう。 


話を「身に余る」に戻しまして…

「身に余る」をどんなときに使えそうだと感じましたか?

褒め言葉? 謙遜?さて、あなたのイメージは正解なのでしょうか?

詳しい使い方は後ほど紹介しますね。

その前により意味を理解するために、語源の章を見ていくことにしましょう。


スポンサーリンク


身に余るの語源・由来とは?

いきなり結論から言うと、今回ご紹介中の言葉「身に余る」には語源らしい語源はありません

単語ごとの意味が連なってできている言葉なんです。

そういう成り立ちのことわざや慣用句って珍しくないんですよ。

そうですね、例えば…

などが、それにあたります。


それでは、「身に余る」を深く理解するために、意味を掘り下げて行きますね。

では「身」の意味から。

「身」には、

  • 身体<
  • 人が社会生活上に占める位置

という意味があります。

「身に余る」で使われている「身」の意味は「地位や立場のこと」ですね。


続いて「余る」です。

余るの意味で一般的なのは、「使いきれずに残る。」ですよね。

しかし、「身に余る」で使われている意味は「自分の限度をこえている。」です。


さぁ、ここまでくればあとはもう簡単ですよね。

ふたつの単語の意味を合わせれば、「自分の地位や立場の限度をこえている。」となります。

これで喜びと恐れ多さ表す言葉と取れば、自分の地位や立場以上のものをいただき「喜びよりも、恐れ多い気持ちが大きい心境を表す言葉。」

謙遜や否定を表現する言葉と取れば、「自分の地位や立場の限度をこえてしまっているから重すぎる」と、なるのです。


無事に「身に余る」の意味にたどり着くことができました!

さて、ここまで「身に余る」の意味を掘り下げて学んだのですから、実際に会話の中で使えるようになりたいですよね!

次のステップは実際に会話で「身に余る」を使うことを想定しての例文の紹介です。

意味によって、分けて説明しますので参考にしてください。

では、いっしょに見ていきましょう。


身に余る

身に余るの使い方・例文!

では、早速ですが例文の紹介です。

社内で新人を対象にしたコンペがあり、最終選考にまで残ったらしいく社長自らお褒めの言葉をいただいた。

身に余る光栄とはまさにこのことで、まさか自分が経験できることだなんて思ってもいなかった。


「受験がんばったね!」と、叔母から身に余る言葉と素敵なプレゼントをいただいた

宝の持ち腐れにならないように、しっかりと活用させてもらおう!



こちらのふたつの例文は、喜びよりも、恐れ多い気持ちが大きい心境を表す言葉。のほうの意味を使っていますね。

喜びよりも、恐れ多い気持ちが大きいと思いながらも、うれしいという気持ちもあるのでしょう。

そんな様子が伝わってきますね。


次の例文は、もうひとつの意味の方で作ってみました。

「今年の修学旅行の件は君に一任するよ。」と教頭先生から言われたけど。

どうしよう、僕には身に余る仕事だよ

だって、6年生の担任なんて初めての経験なのに…



こちらの意味で「身に余る」を使うことは比較的少ないと思います。

しかし、きちんとした「身に余る」の正しい意味ですから、自信をもってしっかりと使いましょう!


スポンサーリンク


まとめ

いかがでしたか?

「身に余る」の意味や語源・使い方をみてきました。


せっかく「身に余る」を学んだのですから一緒に類語も覚えておきましょう。

  • もったいない:身に過ぎておそれ多い。かたじけない。
  • 過分:分に過ぎた扱いを受けること。
  • 分不相応(ぶんふそうおう):その人の身分や能力にふさわしくないこと。
  • 身の丈に合わない:その人の状態にふさわしくないさま。

などがあります。


ちなみに、英語では、

  • The honor is more than I deserve.(身に余る光栄です。)
  • take a job that is too big for(身に余る仕事を引き受ける。)というように表します。

「身に余る」は、自分の仕事や業績について目上の方からお褒めの言葉をもらったときに使かう奥ゆかしい言葉でしたね。

「身に余るお言葉です。」「身に余る光栄です。」と用いることが多いでしょう。


他にも奥ゆかしい言葉はありますよ。

  • おかげさまで:手助けをしてもらったり、協力してもらったことによって成し得たことに対する感謝の気持ちを表す言葉
  • おそれいります:自分にとって過分と思われる目上の人の行為に対しての感謝の気持ちをあらわす挨拶

などもそうですね。

これらを使いこなせれば、上品で奥ゆかしい人と言われるかもしれませんよ♪

目上の方から「身に余る」ほど褒めていただける機会は、そうそうあるものではありません。

ぜひとも「身に余る」を使う機会に遭したいものですね。


関連記事(一部広告含む)