飲み会の場で、先輩から「じゃあ、お前。乾杯の音頭をとれ!」と言われた経験はありませんか?
この場合の「音頭をとる」を正しい意味で理解できていれば、先輩も納得なのでしょうが、言葉の意味を知らないと「そんなのも知らんのか!」と怒られることもしばしば…
「えっ?なんで言葉の意味を知らないだけで怒られなきゃならないの?」と思ってしまいそうですが、社会人生活の場では良くあること(-_-;)
理不尽な怒られ方をされないためにも、いろいろな言葉を知ることは大切です。
今回は、「音頭を取る」の意味や使い方など紹介しますので、一緒に理解を深めていきましょう。
音頭をとるの意味・読み方は?
冒頭部の例では、2番目の意味として使われていたのですね。
「音頭を取る」を別な言葉で言い換えた場合、「先導する」「陣頭に立つ」「統率する」「先陣を切る」などが挙げられます。
集団の先頭に立ち全体を引っ張るという様子が伝わるのではないでしょうか。
また「音頭を取る」には「雰囲気を高める」という意味合いも含まれますので、この場合は「盛り上げる」「気勢を高める」「発破をかける」などとも置き換えられます。
音頭をとるの語源とは?
続いて、語源の説明です。
まずは「音頭」という言葉から見ていきたいと思います。
「音頭」という言葉は、歌や踊りを表す「東京音頭」や「東村山音頭」などでもみかける、比較的馴染みのある言葉だと思います。
また、辞書によると「音頭」という言葉には「※雅楽において各管楽器の首席奏者」という意味もあるそうです。
そのようなこともあり、「音頭を取る」という言葉は、もともと歌や踊りの場で皆を先導すること、として使われ始めました。
それが、時代とともに使われる範囲が広くなり、現在では、一般的に物事を先導する、という場面でも見られるようになりました。
だからといって、どのような場面でも「先導する」という場面で使われるとも限りません。
もともとは、歌や踊りの場面で使われていた言葉ですので、「音頭」という言葉は、乾杯の場のように比較的華やかな場面で使われることが多いです。
※雅楽(ががく)とは、歌や舞を伴う日本独自の発展をとげた曲
音頭をとるの使い方・例文!
さて、この「音頭」という言葉。
「オンド」という言葉の響きだけでいうと「温度」と勘違いしてしまいそうですが、まずは「音頭」である、ということには注意が必要です。
「温度を取る」と勘違いしてしまうと、体温計を使って体温を測ることや、料理中などにお湯の温度を確認すること、ともとらえかねませんので気をつけましょう。
一般的に「音頭を取る」という言葉は「乾杯の音頭をとる」「歓迎会の音頭をとる」のように「○○の音頭を取る」のように使われることが多いです。
また、前述のように比較的華やかな場面で使う言葉ですので、例えば、冠婚葬祭の「葬」にあたるような場で「音頭を取る」という言葉を使うと、中には首をかしげたり「不謹慎だ!」と発言したりする人が出てくるかも…
では、それらを踏まえまして、会話形式での例文を紹介します。
例えば、ある時先輩から「今度の歓迎会、始めの挨拶はお前に頼んだからな。」と言われたとします。
「気が重いなあ。」と思いながらも席に戻り、同僚へ一言。
「今度の歓迎会で音頭を取れって言われちゃったよ。」
このように、「音頭を取る」という言葉は「先頭に立ち、全体を引っ張る」という場面で使うことになります。
ちなみに、英語では「lead(導く)」という単語を使い「to lead a group of people」と表すようです。
また「propose a toast」という表現もあります。
「propose」は「提案する」という意味。
一般的に、「プロポーズ」と使われているあの言葉です。
一方「toast」も、「トースト」という言葉として日常生活でもお馴染みですが、「乾杯や祝杯」という意味もあるそうです。
複数の意味を持つ言葉がある、ということは日本語も英語も同じようですね。
まとめ
いかがでしたか。
「音頭をとる」の意味や使い方などについて見てきました。
おさらいしますと、「音頭を取る」という言葉は、主に音楽の場で使われる言葉だったのですが、今では一般的な物事に対しても先頭に立つという意味で使われる言葉、だということが理解できたのではないかと思います。
社会生活の場において、自分の知らない言葉に出くわすことは往々にしてあることだと思います。
意味を知ることも重要ですが、語源や使い方などにも触れておくと、より深くその言葉について知ることができます。
先輩から「音頭を取れ」と言われた場合、間違ってもその場で踊ってみたり、「22℃です!」と大声で報告したりすることのないようにしましょう。
関連記事(一部広告含む)