「ご多分に漏れず弊社にとっても重要な課題です。」


ご多分に漏れず


取引先の担当者との会話に「ご多分に漏れず」と言われることがあります。

詳しい意味が分からなくて相槌を打ってその場を誤魔化しましたが、冷や汗が流れました。


確か「いつも通りに」って意味だと思うのですが自信がありません…。

こんな経験、あなたにもありませんか?

正しい意味を知らないだけで、恥をかくのはツライですよね。

そこで今回は、ご多分に漏れずの意味や使い方について紹介します!



ご多分に漏れずの意味・読み方とは?


「ご多分に漏れず」は「ごたぶんにもれず」と読みます。

意味は「世間の多くの例えや場合と同じように」「例外ではなく」です。



漢字で「ご多分」「御多分」のどちらを書いても正解です。

多くの人が「御他聞」もしくは「御多聞」と書き間違えているので注意してください!

ちなみに、「ご」は尊敬語・謙譲語の一つですが、必ず「ご(御)」をつける慣用句で、「多分に漏れず」とは使いません。


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ご多分に漏れずの語源は?

「多分」とは、大勢の、大部分という意味。

「漏れる」とは、液体・気体・光・音などが容器や仕切りの隙間から外へ少しずつ出ることですね。

これらの意味から「大多数の人が一人の漏れもなくみんなが同じ意見、同じ行動を取ること、付き従う」言葉として、ご多分に漏れずが誕生しました。

大正~昭和初期の文豪・泉鏡花の作品「売色鴨南蛮」に「ご多分に漏れず」が登場しますよ!


ご多分に漏れず

ご多分に漏れずの使い方・例文!

「ご多分に漏れず」の使い方と例文をご紹介します。

使い方は

  • 他の状態と同じこと
  • 今までの状態と同じこと

  • 他の状態と同じこと
  • 長引く不景気のため、我が社の業績もご多分に漏れません。

    他の大勢の人たちと同じ状況であることを説明するために「ご多分に漏れず」は修飾語として使います。

    修飾語とは、文章の前後の語句が意味内容を詳しくはっきりとさせることです。

    「ご多分に漏れず」を文章の最後に使い、言い切る形にすることでスッキリとした表現になります。

  • 今までの状態と同じこと
  • ご多分に漏れず私も実験に失敗しました。

    今まで同じ状態での繰り返しが多い、今回もまた同じような状況になった時に使われます。

    同義語には「いつも通り」「案の定」「お約束通り」「毎度のように」などがあります。

    他の同義語と違い「ご多分に漏れず」は回りくどい言い方、または比喩・象徴に近い表現です。



次に英語での使い方と例文をご紹介します。

「ご多分に漏れず」と同義の英文には

  • like many others(他の多くと同じように)
  • as the world goes(世間のように)
  • like the rest(その他の人たちのように)
  • being no exception(例外なく)
  • as is usual with(いつも通り)

があります。


Like many others , our company is suffering from the recession.(他の多くと同じように、わが社も不況で苦しんでいる。)

「ご多分に漏れず」にあたる英文を使うと2つの文章が組み合わせる重文になります。

文章の最初に持ってくるときは「,」で文章を区切り、後の文章にはどういう状況なのかを現在進行形( be ~ing )で表現します。


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まとめ

同義語には「例に漏れず」「例外ではなく」「他と同じく」「同様に」「いつも通りに」「いつものように」などがあります。

「ご多分に漏れず」は言い回しが難解に感じがちですが、同義語に当てはめてみると普段使いに使えそうな親しみを感じますね!


余談ですが、辞書を引くと「ご多分に漏れず」のとなりに「御多分連(ごたぶんれん)」という言葉があります。

意味は、自分の意見を持たずに、ただ大勢の人たちにつき従う連中という意味です。

よく「周りに流される」と言われる人がいますよね?

御多分連にはその人を蔑む意味合いも含まれます。

他の人たちと同じ状況や結果になったとしても、自分の意思をしっかりと持たなければいけませんね!


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