「取引先の担当者から、言質を得ているので大丈夫です!」
仕事上の交渉や契約の様子を報告する際によく「言質を取る」と表現します。
ドラマなどでも登場する言葉なので、あなたも良く耳にするのではないでしょうか。
ちなみに、「言質」は「げんち」、「げんしつ」「げんしち」…と様々な読み方をされるので正しい読み方を分からない…なんて人もいると思います。
もし、会社の報告会で間違った読み方や使い方をしてしまったら…赤っ恥です!(*ノωノ)
そうなる前に、言質を取る意味や読み方そして使い方まで、一緒に見ていきましょう!
言質を取るの意味・読み方とは?
「言葉の人質」と書くと覚えやすいですが、相手を不利な立場に追い込むようことなど不穏な意味に感じてしまいますね。
多くの人が「げんしち」「げんしつ」と間違って読んでいるのでご注意を!
言質を取るの語源とは?
今回は漢字が持つ意味を調べてみましょう!
「質」とは、生まれ持った性質や物が本来持っている中身のこと、相手に問いただすという意味。
「質」を「シチ・チ」と読むときは、取引や約束の補償として相手に預けておく物に意味が変わります。
漢字の構成である「斦(ギン)」は、古代の貿易や商売で使われていた契約書や約束事が書かれた木片や紙片の真ん中に証印を押して、この文章を二つに割ったもの。
現在でも取引などで使う契約書は、複数の転写をしてお互いに約束を交わしますね。
次に「言」を調べてみましょう!
「言」とは「言葉」を意味します。
言葉だけを交わした契約や約束には、物的な証拠がありません。
物証がなくても後に効力が発揮できる約束を「言質を取る」と呼ぶようになりました。
書面を使わないで約束を交わすということは、それだけお互いを信頼している証拠だったんですね!
言質を取るの使い方・例文
言質を取るの使い方と例文をご紹介します。
本来の意味は「後日に証拠となる言葉を相手から引き出すこと」です。
先日上司から会議に使う資料を作るようにと指示を受けた。
私は「資料に使うデータは先月の売上データでよろしいでしょうか?」と確認を取ったら上司は「いや、去年の売上データで作ってくれ」と言った。
私は「去年の売上データですね?」と聞き返したら「そうだ、頼む」と上司から言質を取って資料を作った。
「そのお菓子はどうしたんですか?」と聞くと彼は「自分で買ったものだよ」と答えるので、すかさず「そのお菓子は私が買ったものです。私の名前が書いてありますよね?」と切り返した。
彼は言質を取られて答えられなくなっていた。
次に英語での使い方と例文をご紹介します。
pledge(名詞、動詞)(~誓約する、担保、質入れ、印)を使います。
文型表現ではget a person’s pledge (相手と約束を得る)で「言質を得る」になります。
get の代わりにtake を使っても同じ意味になりますよ。
He got a person’s pledge from negotiating partner.(彼は交渉相手から言質を得た。)
また、pledge(誓約、担保)と同じ意味で promise(約束、契約)があります。
promiseを使う場合も文型表現は同じです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
同義語には「証拠を引き出す」「発言を引き出す」があります。
どの慣用句も交渉事で、相手より有利な立場になる際に使う言葉です。
「言質を得る」を調べるとなんだか相手を誘導尋問しているように感じますが、相手と交渉を進めるためのスムーズな会話選びは、仕事をする上では大切な技術ですよね!
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