「あなたにだけは腹を割っては話すわ。実はね…」井戸端会議の中で聞こえてきそうな台詞(せりふ)ですね。
そんなことをいう人に限って本音と建前は…なんてね(笑)
おばさんあるあるはさておき、話をするのは口なのになんで「腹を割る」なんだろう?
あれ?「口を割る」って言葉も聞いたことがある?
なんだか訳が分からなくなってきました(,, ゚Д゚)
分からないなら調べよう!
というわけで、今回は「腹を割る」の意味や使い方をご紹介します。
では、読み方と意味からスタートです!
腹を割るの意味・読み方とは?
簡単に言えば「ぶっちゃけ○○なんだよね」って事ですね。
「腹を割って話す」ともいいます。
「腹を割る」のも大切ですが、「それは気に入らない」や「あなたのことがきらい」なんて感情ばかりを議論の場でぶっちゃていたら大変。
ケンカになっちゃいますよ。
腹を割るべき内容を、ちゃんと考えましょうね。
腹を割るの語源とは?
話をするのは口なのになんで割るのは腹なんでしょうか?
語源をみていきましょう。
昔は物事を考えるのは「頭」ではなく「腹」だと思われていました。
現代でそんなことを言ったら鼻で笑われてしまいそうですが(笑)
本心が入っている「腹の中」を見せるには、腹を割らないと見せることができない!というところから「腹を割る」が生まれたんですね。
どうりで「腹黒い」や「腹蔵(ふくぞう)ない」など、本心に関係する言葉に「腹」が使われているはずです。(意味は後ほど…)
腹を割るの使い方・例文!
「腹を割る」の意味や語源がわかったところで実際に例文を作っていきましょう。
数をこなせば、きっとかっこよく使えますよ。
- このチームは腹を割っての話し合いができるから、いつもいいムードだ。
- 本当の友達とは腹を割って話をすることができる人のことだ。
- 腹を割ったがために話が余計にややこしくなってしまった。
- 腹を割って話すことが、必ずしも良い結果につながるとは限らない。
- 僕が腹を割ったことで、みんなが心を開いてくれた。
良くも悪くも使える「腹を割る」をうまく使えましたね。
ここで、冒頭に出てきた「口を割る」のお話をしましょう。
口を割るは、誤用の代表格です。
「腹を割る」も「口を割る」も真実を話すというところでは同じです。
しかし「腹を割る」は自分から話す場合に多く使われます。
一方、「口を割る」は、他人から強要されて話すときに使うことが多く、自白する・白状する、といった意味です。
ということは「話し合う」という場面で使うのは不適切ですね。
- 厳しい取調べによって、犯人はとうとう口を割った。
- 仲間が口を割ったので、悪事がばれてしまった。
といった使い方をします。
まとめ
「腹を割る」意外や意外、英語にも数種類似た表現があるのでご紹介しますね。
- heart-to-heart talk(腹を割った話し合い)
- to be frank(正直なところ)
- Let’s talk turkey(ざっくばらんに話す)
日本語も負けていられません。
例文を使いながら類義語を紹介していきますね。
- 長年の付き合いで、僕は彼には胸襟を開くようになった。
- 彼と膝を突き合わせてゆっくりと話し合った。
- 本心を披瀝するとがきた
- 君は腹心を布きすぎだよ
- ざっくばらんに話せる友達は貴重だ
胸襟(きょうきん)を開く・・・心中を隠すところなく打ち明ける
膝を突き合わせる・・・心の中に隠さずじっくり話し合う。
披瀝(ひれき)・・・心の中を包みかくさずに打ち明けること
腹心を布く(しく)・・・心の内をかくさず打ち明ける。思っていることをかくさず述べること
ざっくばらん・・・心中をさらけ出して隠し事をしないさま。遠慮がないさま。
さすがは日本語。いろんな言い回しがありますね。
せっかく「腹」が本心の比喩に使われることを学んだのですから、同じ意味の「腹」を使っている言葉も紹介しましょう。
先ほど出てきた「腹黒い」と「腹蔵ない」の意味もこちらで説明しますね。
- 腹黒い・・・心に何か悪だくみをもっている。陰険で意地が悪い。
- 腹蔵ない・・・心の中に隠さない。思っているまま。
- 腹に一物(いつもつ)・・・表面は何事もないようで、心の中では何かたくらんでいること
- 口に蜜あり腹に剣あり・・・口ではうまいこと言っているが、内心は険悪なこと
- 腹をさぐる・・・それとなく人の本心を探り出そうとする
人間って「腹」にいろんなものをかかえているんですね。
こわいこわい!
何かわからなかったときは意味だけでなく語源や類義語を調べてみること!
そうすれば、より記憶に残りますよ。
これって、勉強のコツかも!