「ひとつ積んでは父のため、ふたつ積んでは母のため…」子供のころに見たアニメのワンシーン。
私の場合、「賽の河原」と聞くと、思い浮かぶのがコレでした。
鬼がいて、なんだか恐ろしいところ。なんてイメージの人も多いのではないでしょうか。
賽の河原とは、本当はどんなところなんでしょう。そして場所を表すほかに何か意味があるのでしょうか。
今回は、賽の河原の意味や語源について紹介します!
一緒に見てもらうと、きっと新しい発見がありますよー^^
賽の河原の意味・読み方!
「賽の河原の石積み」とも言われます。
もちろん、地獄にある「賽の河原」に関係している言葉です。
そのあたりについては次の章でご説明しますね。
賽の河原の語源・由来
「賽の河原」は親よりも先に死んだ子供が行くといわれている場所です。
あの世とこの世の境目にあるとされる、三途(さんず)の川のほとりが賽の河原と呼ばれています。
賽の河原に行くのは、三途の川を渡らせてもらえなかった子供。
親よりも先に死んだことで親を悲しませ親孝行もほとんどできいないことがその理由。
そして、罪滅ぼしのために塔が完成するまで石積みをさせらるのです。
塔が完成すれば罪を償うことができたと認められ極楽浄土へ行けるから…
しかし、いくら石を積み重ねていっても塔が完成する事はありません。
完成する前に、鬼がきて崩してしまいます。
それでも、子供たちは完成するまで塔を作るために石積みをさせられるのです。
「ひとつ積んでは父のため、ふたつ積んでは母のため…」とつぶやきながら。
何度も何度も永遠に…
そんなお話から、「無駄な努力・切りがない・終わりが見えない」という意味がきています。
ちなみに、独身者という意味は、未婚=子供と見なされることから。
もちろん、独身者も「賽の河原」に連れてこられるんですよ。
早く死んでしまったってことがなぜ子供の罪になるのか?
なぜ鬼に罪滅ぼしの邪魔をされ続けないといけないのか?
死んでしまった=親不孝だと責められるのは少し酷なような気がしますね。
でも、安心してください!
やがて地蔵菩薩(いわゆる お地蔵さま)がきて子供たちを助けてくれるそうですよ!
賽の河原の使い方・例文
- 賽の河原の石積みのように思えた分別作業もやっと終わることができた。
- すっかり荒れてしまったうちの庭。草むしりはまるで賽の河原の石積みのようだ。
- 片付けても片付けても散らかされる、まさに賽の河原といえる状態だ。
例文を作ってみましたが、むつかしいですね。
なかなか実生活では使わない言葉ですね。
しかし、小説や書物のなかでは使われている言葉なので覚えておいて損はないですよ。
まとめ
「賽の河原」って日本独特の言葉かと思ったら、ギリシャにそっくりな言葉がありました(;゚Д゚)!
- シーシュポスの岩
- シジフォスの巨石運び
シーシュポスはギリシャ神話の登場人物です。
発音の関係でシーシュポス・シジフォス・シシュフォスよ表記されることもあります。
シーシュポスは二度も神々を欺いた(あざむいた)罰として、タルタロスで巨大な岩を山頂まで運ぶように命じられました。
その岩はゼウスと同じ大きさ・重さです。
シーシュポスがもう少しで頂上に着きそうになると必ず転げ落ち何度も何度も同じことを繰り返さなければなりません。
そこから、果てしない徒労・永遠に終わることのない苦しみという意味を表す言葉となりました。
いかがですか?
語源まで「賽の河原」とそっくりですよね。
ギリシャによく似た言葉があるのはわかりましたが、英語で表現はできるのでしょうか。
仏教用語の(地獄にある)「賽の河原」は英語で”Children’s Limbo”です。
しかし意味から考えると、時間の無駄”waste of time”となりますね。
もう少しよい言い回しはないものでしょうか?
こちらはどうでしょう。
Your efforts will go (be) down the drain. 「あなたの努力は無駄になる」と訳せる言い回しです。
うん、こちらのほうがしっくりきますね。
「無駄な努力」を表す慣用句やことわざは他にもたくさんあります。
あまりにも多いので、ほんの一例にすぎませんが、いくつかご紹介しましょう。
- 骨折り損のくたびれもうけ
- 無駄骨を折る
- 籠で水を汲む
- 徒労に終わる
- 労して効なし
次は「賽の河原」とは逆の意味をもつ慣用句やことわざを紹介です。
- 濡れ手で粟:苦労せずに大きな利益を得る。
- 棚から牡丹餅(ぼたもち):思いがけず幸運が舞い込んでくる。
- えびで鯛を釣る:わずかな努力で値打ちのあるものを手に入れる。
- 一攫千金(いっかくせんきん):一度に簡単に大金が手に入る。
何か行動をおこすならちゃんと結果が伴ってほしいものです。
一攫千金なんて夢みたいなことを言わず、日々地道に頑張っていきましょうね!
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