仕事帰りの電車、運よく席が空いていたので座っていました。

すると、となりのおじさんが、こっくりこっくりと舟を漕ぎだし、だんだんと私にもたれかかって来た…。


舟を漕ぐ


あれ、「舟を漕ぐ」って「うとうとする」って意味だったよね?このおじさんはどちらかといえば、爆睡ですが。

舟を漕いだ後に、私にもたれて爆睡していたからどうなんだろう…
こんな時は舟を漕ぐって使っちゃいけないのかな?

気になっってしまったらすっきりするためにも調べてみないと!

と、いう訳で今回は「舟を漕ぐ」の意味や使い方を紹介しますね!

一緒に見ていきましょう。



舟を漕ぐの意味・読み方とは?

「舟を漕ぐ」は「ふねをこぐ」と読みます。

意味は、座ったまま、または腰を掛けた状態で体を揺らしながら眠る。居眠りをする。という事です。



「うとうと」や「こっくりこっくり」「うつらうつら」なんて表現がピッタリ!

うつらうつらとする居眠り、ポカポカとした陽気ならなおさら気持ちいいですよね。


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舟を漕ぐの語源とは?

  • 座りながら眠りかけていると頭が下がってくる
  • 「はっ」とそれに気がついたかのように頭を上げる
  • また眠りかけて今度は横に倒れていき
  • 「はっ」と気がついたかのように体制を戻す

と、いった倒れる・起こすの動作を繰り返しおこなわれる様子が、体を前後に揺すりながら 艫(ろ)を使って舟を漕ぐ様子に似ている事から「舟を漕ぐ」と言われるようになりました。


ちなみに、艫(ろ)とは、「櫓(ろ)」とも表記される人力によって舟を漕ぐための道具のことです。

艫は船尾から漕ぐ道具で、カヌーなどに使われる パドルと同様に舟に固定されていません。

また、艫と混同されがちである櫂(かい)は、舟の横から水に伸ばして漕ぐものなので似て非なるものです。

櫂は固定されていて支点がしっかりとあるオールのようなものですから、あまり左右に体を揺すりながら漕ぎません。

間違えて「艫を漕ぐ」や「櫂を漕ぐ」と使ってしまいそうなんで気をつけましょう。


舟を漕ぐ

舟を漕ぐの使い方・例文!

意味や語源がわかったところで、例文を作っていきましょう。

  • 水泳の後の授業では、舟を漕ぐ生徒が続出する。
  • 遠足の帰り、バスに乗って座ったらすぐに舟を漕ぎだした。
  • 残業続きの毎日。帰りの電車でつい舟を漕いでしまい乗り過ごした。
  • 今日見た映画はつまらなかったので舟を漕ぐ人がたくさんいた。
  • 遊び疲れて舟を漕ぎ始めた子犬や子猫。ものすごくかわいいね。

舟って退屈なときにや疲れたときに、ついつい漕いでしまうものなんですね。

仕事や遊び帰りの電車はまさに最適といったところでしょうか。


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まとめ

ところで、どうして居眠りをしていると体が倒れくるのでしょうか?

それはズバリ頭が重いからです!

普段は筋肉に力が入っているから支えられているのですが、うつらうつらとしているうちに筋力から力が抜けていってしまい頭を支えられなくなってしまうからなんですね。


せっかく「舟を漕ぐ」で眠りに関する慣用句を勉強したので、他にも「眠る」や「寝る」に関係する慣用句やことわざがないか調べてみましょう。

  • 寝る子は育つ(よく眠る子は健康ですくすくと育つ)
  • 寝耳に水(予想外の事が起こって驚く)
  • 枕を高くして眠る(安心しきって眠ること)
  • 宵惑いの朝寝坊(取柄もなく役に立たない人
  • 果報は寝て待て(幸運は自分んの力ではどうにもできないことなので、焦らずに時期を待ていうこと)



せっかくので「舟」のほうも一緒に勉強してしまいましょう。

  • 舟に刻みて剣を求む(融通かきかない)
  • 舟は帆でもつ帆は舟でもつ(世の中は互いに助け合って成り立っているということ)
  • 舟は船頭に任せよ(何事も専門家に任せるほうがよいという事)
  • 呉越同舟(仲の悪い者が同じ場に居ること。利害のために協力し合う事)
  • 同舟相救う(どんな関係の人でも危機的状況になれば助け合うものだという事)



もう、ここまできたら英語もいっちゃいましょうか!
 
「row a boat」 う~ん、直訳過ぎてピンときませんね…
もう少しいい表現はないんでしょうか?

「nod」はどうでしょうか。

頷くという意味ですが、居眠り状態で頭が据わっていないという意味もあります。

これって「舟を漕ぐ」にピッタリじゃないですか!

英語だとすごく短くなっちゃいましたww


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