「あ~あ、好事魔多しとはホンマに上手いこと言ってるわ。」と母が突然言い出しました
嫌なことがあったのかな?と推測し「うん、うん」と相槌(あいづち)を打ちながら、母の話を聞いていたのです。
しかし、「嫌なことがあった」と解釈して正解だったのでしょうか。
あなたも同じように曖昧な解釈で返事をして、あとで気になったことありませんか?
モヤモヤした時は、しっかり調べて正しい意味を知るのが一番!
そこで今回は好事魔多しの意味や使い方を分かりやすく紹介します!
一緒に見ていきましょう。
好事魔多しの意味・読み方とは?
もう少し詳しく見ていくと、「好事」とは、「良い事・良い行い・幸せな状況」と言った意味です。
好きなこといった意味ではありません。
同じ表記を使用する「好事家」という言葉がありますがこちらは、「こうずか」と読みます。
意味としては、変わったものや珍しいものが好きな人。物好き。といった意味となり「好事(こうじ)」とは意味が異なりますので発音するときに注意が必要です。
「魔」は、「人の心を惑わし悪いことを起こそうという考え・悪魔」という意味があります。
しかし、ここでは邪魔や障害と解釈するのがよいですね。
「多し」は「多い・沢山」といった意味。
好調のときには思わぬ落とし穴があるかもしれないから、身を引き締めなければならないという戒めでもあります。
決して
- 「好事魔」という魔物が沢山いる
- 好きなことをしているときには邪魔が沢山入る
といった意味ではありません。
①は冗談としても、②と思っていた方はいらっしゃるのではないですか?
好事魔多しの語源とは?
さて、次は「好事魔多し」の語源を調べてみましょう。
「好事魔多し」の語源は中国の戯曲「琵琶記・幾言諫父」(作者:高明)の中の言葉「好事多麿」からきています。
「磨」とはさしさわり。つまり邪魔や障害のことです。
※戯曲とは、演劇を上演することを目的に書かれた脚本や文学作品のこと
琵琶記の概要は…ある妻が、はるか遠方まで、夫を訪ねる苦悩を 描いた長編物語。
好事魔多しの使い方・例文!
あなたは実生活で「好事魔多し」と使ったことがありますか?
あまり使われない言葉ですが、どんな使い方をするのでしょうか。
- 仕事は上手く言っているけど、私生活では振られてしまった。好事魔多しといったところです。
- せっかくの旅行なのに、雨が降ってきたてしまった。好事魔多しで残念。
- 私の人生はまさに好事魔多しだ。
- 昔から好事魔多しというでしょ。こういうときこそ気をつけなければ!
なんだか、暗い感じの例文ばかりになってしまいました。
よいこと・幸せなことって本当に続かないのでしょうか?
残念です…
でも少しでも長く続かせるためにも、もうひとつの意味の中にある「身を引き締めて」を念頭におき日々努力していきましょう!
まとめ
なかなか実生活の中では耳にすることが少ない「好事魔多し」ですが、小説や文学作品の中では結構使われているのです。
例えば、泉鏡花の「黒百合」や東雅夫「江戸東京怪談文学散歩」の中でも「好事魔多し」が使われています。
中国の戯曲からきている言葉だからでしょうか。
文学作品や小説で使われるほうがしっくりきますね!
最後に、同義語ついてもお話しましょう。
- 月に叢雲(むらくも)花に風(よいことには邪魔がはいりやすく、長続きしない)
- 花に嵐(良い事には邪魔がはいりやすい)
- 花に風(花に嵐 に同じ)
- そうは問屋がおろさない(そうそう上手くはいかない)
- 寸善尺魔(すんぜんしゃくま 良い事にはとにかく妨げが多い)
- 好景不長(中国語 良い事は長くは続かない)
同義語、たくさんありますね。中国語も出てきました。
先ほども書きましたがこれを見ていると、良い事って続かないものなのか…とつくづく思い知らされます。
あなたは、邪魔や障害があるのなら、良い事は無くてもよいですか?
それとも、邪魔や障害があってもかまわないから、良い事が起こってほしいですか?