「袂を分かつ」って「別れ」を意味することはなんとなく分かるのですが、なんで別れを意味するのか、いまいち分かりません。
そもそも袂ってなんだったっけ…
しかも「別れ」と言っても、いろいろな「別れ」がありますよね。男女の別れや死別などなど。
いったい「袂を分かつ」は、どんな別れのことを意味しているのでしょうか。
正しい意味を知っていないと、いざ使おうと思ったときや人の話に出てきたときに使えませんね。
そんな状況を避けるために、「袂を分かつ」について意味や読み方、使い方をまとめてみました。
さっそく見ていきましょう!
袂を分かつの意味・読み方!
どうやら「袂を分かつ」は、男女間の別れを意味している言葉ではなさそうですね。
確かに「彼氏と袂を分かつことになった」とは、言わないし、聞いたことがありません(^-^;
袂を分かつの語源・由来とは?
意味と読み方の章で説明したように、「袂を分かつ」は「一緒に行動していた人と別れる、関係を断つ」という意味でした。
ここでは、「袂を分かつ」が、どうして「関係を断つ」という意味を持つのか説明していきますね。
「袂を分かつ」を「袂」と「分かつ」に分けて考えていきます。
- 「袂」の意味
- 和服の袖付けから下の、袋状に垂れた部分。
- そば。きわ。
- ふもと。すそ。
- 肩からひじまでの部分。
- 「分かつ」の意味
着物とかの、いろいろ入れたくなってしまう袋状の部分を指す言葉です。
もとは「手本(たもと)」のからできた言葉なので手の近くを表していて、「そば、きわ、ふもと、すそ」などの意味に通じていきます。
分ける、分配する、分別する、区別する
「分かつ」は古文単語で、終止形の活用になっています。
意味は、現在で「分ける」と同じですね。わかりやすいです。
このことから、「袂を分かつ」は「そばから分ける」→「そばから離れる」ということになり、「行動を共にしていた人と別れる、関係を断つ」を意味することになります。
着物の袂の意味しか知らなかったので、「袂を分かつ」が離別を意味するのかいまいち、ピンときませんでした。
袂には、「そば」や「きわ」の意味があったのですね!確かに、「橋の袂」とか言いますしね。
袂を分かつの使い方・例文!
続いて、「袂を分かつ」の例文を確認しながら、使い方を見ていきましょう。
友人も自分もいろいろな人と触れ合う中で、違う考え方になってきたようですね。
「袂を分かつ」は、一緒に行動してきた人同士が離れることになるときに使う言葉。
なので、上記のように馬が合っていた友人同士が、考え方の相違によって絶交するときにも使えますね。
「絶交」だと「すごく嫌なことがあって別れた」など感情的になってしまった感があります。
しかし「袂を分かつ」だと感情的というよりお互い冷静に離れていった感じがするのではないでしょうか。
では、次の例文もみていきましょう。
Aさんとこの人は「会社を盛り上げる」という同じ目標をもって今まで進んできました。
そんな二人が意見の違いによって、別々の道を歩んでいくことになる…こんな時にも「袂を分かつ」が使えます。
では、袂を分かつの類語を確認していきましょう。
- 袖を分かつ(そでをわかつ)
- 手を切る(てをきる)
行動を共にしていた人と別れる。親密だった人との関係を断つこと。
関係を断つ。縁を切る。(悪い関係や男女関係を断ち切る場合に使う)
手に関連した言葉が多いですね。
手は人と人とのつながりを表しているのかもしれませんね。
まとめ
今回は「袂を分かつ」の意味や語源、使い方をまとめてみました。
意味は、「行動をともにしていた人と別れる。離別する」でした。
行動をともにしていた人が離れるというのは、少し切なく感じます。
しかし、生活していく中で考え方も変わっていって、お互い何が悪いというわけでもなく離れることは少なからずあることです。
そんなときは「袂を分かつ」を思い出してみてください。
自分の状況に置き換えて使ってみると、きっと「袂を分かつ」の意味が覚えられると思います。
関連記事(一部広告含む)