「おかあさん、”きょうきん”ってなに?」帰宅した途端に子どもが質問してきました。

「胸についている筋肉のことぉ。」と答えると、「引っかかったぁ~♪」としたり顔!


胸襟を開く


「え~、じゃあ何?」

「知らない!でも、先生が筋肉とは違うって言ってたから何か教えてもらおうと思って…」

う~ん、このヒントから「胸襟を開く」を思いつくのはちょっと苦労しちゃいました(;´∀`)


「きっとこんな意味だよね!」「こんな漢字を使っていたと思うけど…」なんて、何となくわかるような気がするけれど、正確な意味は分からない・・・
そんな言葉って結構多いですよね。

「胸襟を開く」もそんな言葉のひとう。

そこで今回は、胸襟を開くの意味や語源・使い方を順に紹介します

では、まずは意味と読み方から。一緒に見ていきましょう!



胸襟を開くの意味・読み方!


「胸襟を開く」「きょうきんをひらく」と読みます。

意味は、「思っていることをすっかり打ち明ける事。心中を隠すところなく打ち明ける事。」です。



「胸憶(きょうおく)を開く」という場合もありますので、覚えておいてください。

ちなみに、冒頭の会話でもありましたが、発音が同じなので、「胸筋」と間違える人が多いです。

正しくは、胸襟ですのでご注意ください


また、同じ「胸襟」を使っている言葉で「胸襟秀麗(きょうきんしゅうれい)」というものがあります。

意味は、「考え方や心構えが正しく立派なさま。」です。

全く意味が違いますので、こちらも注意しましょう。


さて、「胸襟を開く」の意味が分かったところで新たな疑問が…。

「打ち明ける事」というのは、つまり「話す」ということですよね。

話をするのは「口」であるはずなのに、なぜ開くのは「胸襟」なのでしょうか?

その疑問を解決するためにも、次は語源を見ていくことにしましょう。


スポンサーリンク


胸襟を開くの語源・由来とは?

「胸襟を開く」の語源を紹介する前に、ちょっと類語から紹介しますね。

「胸襟を開く」の類語には、

  • 胸のうちを明かす:心の中。明らかにされていない考えや思い
  • 腹を割る:つつみかくさず本心をさらけ出す。本当の気持ちや考えを素直に話す
  • 膝を突き合わせる:心の中に隠さずじっくり話し合う
  • 披瀝(ひれき):心の中を包みかくさずに打ち明けること
  • ざっくばらん:心中をさらけ出して隠し事をしないさま。遠慮がないさま

などがあります。

さすがは日本語。いろんな言い回しがありますね。

実は、「胸襟を開く」の語源は、紹介した類語のひとつの「腹を割る」の語源にとてもよく似ているんです。

「腹を割る」の語源の一部に、「昔は物事を考えるのは”頭”ではなく”腹”と思われていた。」というものがあります。

それと同じく、「考え」や「思い」は「胸」にあるもだと考えられていたのです!

ですから、「考え」や「思い」を包み隠さずず話すためには「胸」を開く必要があるという比喩表現が使われているのですね。

それを裏付けるかのように、類語にも胸を使った「胸のうちを明かす」がありました。


さらに説明すると「胸襟」には、「心の中」という意味があります。

ちなみに、もともとは胸と襟のことで、転じて「心の中」という意味になったものです。
このときの「胸と襟」は着物の合わせ襟のことをさします。

「開く」の意味は、言わずと知れた「open」以外に、「わだかまりなどを取り去る。」「「包み隠してあるものをなくす。」というものもあるんですよ。

ですから、「胸襟」と「開く」の意味が合わさり、「思っていることをすっかり打ち明ける事。心中を隠すところなく打ち明ける事。」となったのです。


胸襟を開く

胸襟を開くの使い方・例文!

意味だけでなく、語源や類語を見たことで使い方がよくわかったのではないでしょうか。

それでは、実践に近い形で例文をご紹介していきますね。

勘違いがもとで話がややこしくなってしまった今回のもめ事。

お互いが胸襟を開いて話をしてみてよかった

無事に誤解も解けて、解決することができたね。\(^o^)/



胸襟を開きすぎるのも揉め事のタネになる可能性もありますから、何事も適度にしましょうね。

彼は、僕にとって胸襟を開いて何でも話せる友人だ

そんな友達は、一生のうちに何人も出会えるものではないから大切にしないとね。

彼も、僕の事をそう思ってくれているとうれしいんだけれど…



生きていくには、こう呼べる人が居るのといないのとでは全然違ってくるでしょうね。

やはり、一人や二人はほしいものですね。

きっと、相手も胸襟を開いて話せる相手と思っているはずですよ。

「今回の取引に関しては、胸襟を開いて相談させてもらいますよ!」なんて、某社のY部長はいうけれど、本当かなぁ?

なんていったってY部長はくわせもので有名だから、実際はそんなつもりなさそうだと勘ぐってしまうよ。



わぁ~、これはイヤな使い方ですね(-“-)

「胸襟を開く」なんて言っておいて、実は…ってやつですね。

こんな風には使ってほしくない例えですし、こんな人にはなりたくありませんね。


スポンサーリンク


まとめ

いかがでしたか?

「胸襟を開く」の意味や語源・使い方をみてきました。

「胸襟を開く」の日本語での類語は先ほどご紹介しましたので、こちらでは英語バージョンを例文と一緒にご紹介することにしましょう。

  • to be frank(率直になる)
  • to be frank with you(率直に言うと)

  • to speak one’s mind(思うことをはっきりという)
  • Feel free to speak your mind(遠慮なく思ったまま話してください)

  • to open one’s heart(心を開く)
  • open one’s heart to each other(お互いに心を開き合う)

  • have a heart-to-heart (心を突き合わせること)
  • We had a heart-to-heart.(胸襟を開いて話して話し合った。)

などがあります。

「胸襟を開く」は聞きなれない単語である「胸襟」を使っているので、使いにくいかも…と敬遠しそうになる言葉ですが、意味や語源をしっかりと理解すれば何てことはない言葉でしたね。

雰囲気だけで敬遠せずに、意味や語源を調べてみる。

そうすれば、ことわざや慣用句がもっと身近なものになるんじゃないでしょうか。


おすすめの関連記事♪