「おかあさん、うちのチームのTシャツに書いてある「切磋琢磨」って何?」と、試合の帰り道に息子が聞いてきました。
「なんて読むの?」でも「どんな意味?」でもなく、「何?」ときましたか(;^ω^)
と、いうことは読み方も意味も説明しないといけないかな。語源も必要かもしれないな・・・
でも、どうやって説明したらわかりやすいんだろう。
ニュアンスではわかっているものの、「説明する」となると困りますよね。
子どもからの質問には「こんな感じ」ではなく、正確に答えたいもの!
そこで今回は、切磋琢磨の意味や語源、使い方について分かりやすく紹介します!
子どもに聞かれても大丈夫なように一緒に見ていきましょう。
切磋琢磨の意味・読み方!
漢字表記は「切瑳琢磨」とする場合もあります。
しかし、なぜ切磋琢磨がこのような意味になるのでしょうか?
語源から言葉の成り立ちを見ていきましょう。
切磋琢磨の語源・由来とは?
「切磋琢磨」の語源をたどると、古代の中国の文献へとたどりつきます。
「切磋琢磨」の語源となっているのは、孔子が編成した中国最古の詞歌集である「詩経」の中に出てくる下記の会話です。
原文はもちろん中国語で漢文ですから、ぶっちゃけ訳が分かりません。
ですから、今回は現代語訳で紹介しますね。
(こちらに登場する、子貢(しこう)とは孔子の弟子の一人のことです。)
と、こんな内容なんです。
残念ながら、現代語に訳しても肝心の「切磋琢磨」の部分が「切するが如く、磋するが如く、琢するが如く、磨するが如し」としか訳されていなく、語源がわかりにくいですね。
それでは、奥の手です。
文字ごとの意味を見ていくことにしましょう。
- 切・・・獣の骨や象牙などを切り出すこと。
- 磋・・・やすりやかんななどで加工し磨き上げること。
- 琢・・・槌とのみで宝石や石などの角を削って形を整えること。
- 磨・・・砂と石を使って磨き上げること。
どうやら、「切磋琢磨」は、もともと職人が技を尽くして象牙や角・玉や石を研磨していた技術のことを褒めていた言葉のようですね。
材料から見て、装飾品を作っていたのでしょう。
「牙や角・玉や石」を「人格や学問」、「研磨すること」を「向上させること」へと比喩したことにより、「人格や学問などを、より一層磨き上げる事。」という意味になったのです。
また、職人が一人で宝飾品を作り上げたわけではないので、「仲間同士が互いに励ましあい、競いあってともに向上する事。」へと、意味が転じたのです。
さて、「切磋琢磨」の語源をしっかりと学んだことで意味をより理解し、どういったシーンで使う言葉なのか想像がついてきましたよね♪
次の章では、例文を見ながら使い方を説明します。
切磋琢磨の使い方・例文
さて早速、例文を見ていくことにしましょう。
そんな仲間なら、進路はバラバラでも何かでつながって入れると思いますよ。
そう思える人は人をはめたり、出し抜いたりせず、正々堂々と競っていける人だと思いますよ。
「切磋琢磨」という言葉は、「お互い競い合って励む」「お互いに競い合って高めあう」というときに使う言葉でした。
まとめ
いかがでしたか?
「切磋琢磨」の意味や語源・使い方をみてきました。
ちなみに、イギリスのサッカー選手はこんなふうに切磋琢磨を表現したそうです。
We are rivals but good friends. (よきライバルであり、友でもある)
他にも、
- To work hard and encourage each other. (一緒に頑張り、互いに励み合うこと。)
- improve ourselves through friendly rivalry.(友好的なライバル関係を通じてお互いを高めあう。)
という表現方法もあります。
「切磋琢磨」することはやはり、大事なことなんですね。
さらに、類語も紹介しますね。
- 鍛練(たんれん):体力・精神力・能力などをきたえて強くすること。
- 蛍雪之功(けいせつのこう):苦労して学問に励むこと。
- 臥薪嘗胆(がしんしょうたん):目的を遂げるために苦心し、 努力を重ねること。
- 粉骨砕身(ふんこつさいしん):力の限り努力すること。また、骨身を惜しまず一生懸命に働くこと。
- 刻苦勉励(こっくべんれい):心身を苦しめて仕事や勉学に励むこと。
人は一生のうちに「お互い競い合って励む」「お互いに競い合って高めあう」人にどれくらい、出会えるのでしょうね。
そんな人に出会えるだけでも、幸運ですよね。
関連記事(一部広告含む)