「どなたか部長、どこにいった知りませんか?」社内にいるんだか外出しているんだか分からかったので声をかけてみると…
「Y社へ営業にいくといっていたけど、またどっかで油を売ってるんじゃないか?」と常務から返事が…
サボっているのがわかっているんなら、上司として注意すればいいのに!なんて、私たちは不満が募るばかり(-“-)
ところで、サボることを何で「油」を「売る」っていうんだろう?
そもそも、「売っている」ということは仕事をしているはず。なのになんで、サボるって意味になるのか。
もしかして正しい意味を勘違いしているかも( ̄▽ ̄;)
そこで今回は「油を売る」の意味や語源・使い方について紹介します!
まずは意味と読み方から、一緒に見ていきましょう。
油を売るの意味・読み方!
長時間サボっているより、一時的にしているときに使う言葉ですね。
さて、意味はわかりましたが残念ながら冒頭に出てきた疑問はまだ解決していません(;´Д`)
次の章で疑問の答えを見ていきましょう!
油を売るの語源・由来とは?
「油を売る」の語源をたどっていくと、江戸時代の町民文化にたどりつきます。
「商売中におしゃべりをする」=「サボっている」という、図式なのでしょうか。
しかし、事実は違いました。
実際は、柄杓を使って桶から客の器に移す際に、油の粘着力が強くなかなか途切れず垂れ終わるまで時間がかかり、間をもたせるために雑談をしていたのです。
それが、「仕事をサボって女性と長話をしている」と他人からは見えてしまった。という訳なんで決してサボろうとしてた訳ではなかったんですね(^-^;
ついでに、江戸時代の油売りにまつわるお話をひとつ…
油売りの営業時間は11時頃~16時頃までと短い時間でした。
理由は、特に夏の暑い時期は油が外の気温で膨張するため。
朝や夜に売るよりも昼間の暑い時間帯に売った方が同じ一升マスで売るにしても、膨張している分少なくてすむという理由からなんです(´△`)
少しでも楽をして、得したいという気持ちは江戸時代の人たちも現代の人と変わらないものなんですね。
油を売るの使い方・例文!
さて、ここまで意味や語源をしっかりと見てきました。
この章では実際の使い方を例文を使って紹介しますね!
ありがちですよね。
うちの主人がそうでなんですけど、油を売っているわじゃなくゆっくりゆっくり陳列棚を見て回って1時間くらい帰ってこないんですよねw
そうそう、親は常に子どものことを心配しているんですよ。
油なんて売らないで、ちゃんと帰りましょうね。
なるほど!「油を売っている」ばかりでなく、「油を売るヒマもなかった。」こんな使い方もあるんですね。
「油」は「売るヒマがない」ほうがよさそうですね。
「油を売る」について、きちんと学んできたあなた。
あなたなら、例文に出てきたようなシーン以外にも上手に使えるはずですよ。
自信をもって使っていってください!
まとめ
いかがでしたか?
「油を売る」の意味や語源・使い方を見てきました。
「サボる」という意味合いの強い「油を売る」ですが、類語にはこんなものがあります。
- 道草を食う:目的地に行き着く途中で、色々な所に寄って時間を費やすこと。
- ぶらぶらする:あてもなくのんびりのんびりと歩きまわるさま。
- だらける:気持ちがゆるんで体や心にしまりがなくなる。だれる。
- 不精をする:面倒くさがってやるべきことを1 やらないこと。横着する。
などがあります。
そうそう、「油を売る」の英語表現はちょっとおもしろいんですよ。
直訳すれば「そよ風を撃つ」です。カウボーイが暇なので、銃を風に(空に)向かって撃っている状態。が語源だそうです。
他にも
- fool around(だらだらと過ごす)
- to dawdle(怠ける)
- shoot the bull(無駄話をする)
などが、「油を売る」と意訳されます。
ところで、あなたは「サボる」を漢字で書くことが出来ますか?
意味は、仕事・授業などを怠けること。ですが、漢字は出てこない…
それもそのはず、実は「サボる」は日本語ではないんです(°д°)
なんと、フランス語の「sabotage(サボタージュ)」を略した言葉なんですよ!
sabotageの意味は、「ぞんざいに扱うこと。」「生産の妨害・仕事の能率を低下させること。」
sabotageの語源は木靴のsabot(サボ)。
これを作る機械を労働争議のときに壊したことなんです。
今現在、私たちが軽い意味で使う「サボる」とは随分と意味合いが違いますね。
慣用句やことわざの語源だけでなく、意味を説明している語源も探ってみる。そんなことをしてみるもの、ちょっと面白そうですね。
言葉で巡る世界の旅。
次は、どこの国へたどり着くのやら…
楽しみですね♪
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