突然ですが「顔色を伺った」ことはありますか?

普段からよく目にする言葉ですよね。


顔色を伺う


ここでちょっとしたギモン??

じゃあ「顔色」って具体的に言うと、どんな色を指すの?「伺う」ってどんな意味なの?

今回は「顔色を伺う」の意味や使い方について、もう少し掘り下げて見ていきたいと思います。


顔色を伺うの意味・読み方とは?


「顔色を伺う」は「かおいろをうかがう」と読みます。

意味は「相手がどんな状態か調べたり推測したりすること」です。



「ご機嫌を伺う」や「様子を伺う」のような言い方もされますが、他にも

  • 他人の意向を気にし、それに左右される
  • 人に気に入られるために卑屈な行動に出る
  • 自分の価値を低いものとし、行動に出る

という意味合いも含んでいます。


こちらは「八方美人」や「遠慮する」といった、どちらかと言えば良くないイメージとしてとらえられてしまうことも。

「顔色を伺う」が行き過ぎると、「ちょっとやりすぎ」とまわりから不快に思われてしまうかもしれません。


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顔色を伺うの語源とは?

なぜ「顔色」という言葉が使われるようになったのでしょうか。

人と会話をしたり、人に何かを伝えようする場合に、人間は相手の顔や目を見ます

そっぽを向いてしゃべられたら、なんか嫌な気分になってしまいますよね。

また、自分本位で一方的にしゃべっても相手に伝わらなかったり、「もういいよ!」ってなったりします。


だから、会話の最中などで「相手はどう思っているのだろうか?」と相手の状態を推し量るような場合に、この言葉が使われるようになったのではないでしょうか。


では「顔色」について、もう少し詳しく見てみましょう。

人の顔の色は多くの場合、肌色(今は使わないのかもしれませんが、詳しくは後述)で表されます。

しかし「真っ赤な顔をして怒る」や「極度の緊張で青ざめる」という表現のように、顔の色で相手がどんな状態かを判断する場合もあります。

また「伺う」という言葉は、「聞く」などの謙譲語として使われる言葉。

謙譲語とは、自分がへりくだって、相手を敬う気持ちを表した言葉です。

このようなことからも「相手の様子を推し量る」という場合に、「顔色を伺う」という言葉が使われる要因となったと言えるのではないでしょうか。


補足

肌色はこれまで私たちの肌の色を表す言葉として、よく使われていた言葉ですが、最近は「ペールオレンジ」や「うすだいだい」という言葉が使われるようになってきたようです。

これは、国際化社会が進むなど肌の色を1つの色として断定するのは、差別した発言であるというとらえ方に由来するものだそう。


例え、同じ日本人だとしても、肌の色は体質によっても違ってくる場合もありますよね。

普段当たり前のように使っていた「肌色」という言葉ですが、この話を聞いてから「なるほどなぁ」と納得!

言葉というものは、時代によって意味合いが変わってくることもあります。

知っている言葉だからこそ、その正しい意味を確認することも大事になってきますね。


納得

顔色を伺うの使い方・例文とは?

では「顔色を伺う」という言葉を実際に使ってみましょう。

「会議では、上司の顔色を伺いながら発言した」などのように「〇〇の顔色を伺う」と使います。

意味は「相手の気持ちを推し量ること」になりますので、例えば「子供が咳をし始めたので、顔色を伺った」などの表現は使い方が間違いですね。

確かに熱っぽいなど顔色が赤くなったりする場合もあるでしょうが、「顔色を伺う」本来の意味とは違ってくるようです

「顔色」という言葉が「顔色ひとつ変えずに決断した」のように「顔色=感情」として使われるということからも、なんとなくイメージできるのではないでしょうか。


また、昔の小説などで「顔色を窺う」という漢字で、この言葉を見かけることもあるでしょう。

言葉の意味としては同じだと言えますが、この場合の読み方は「がんしょくをうかがう」というように読むようです。

ただし「窺」は常用漢字ではないので、一般的には「伺う」や、ひらがな表記として「うかがう」が使われることが多いようですね。


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まとめ

いかがでしたか。

「顔色を伺う」という言葉について意味や語源、使い方について見てきました。

ポイントとしては「顔色」という言葉は感情を示す、「伺う」は自分がへりくだるという意味合いを含むということです。


「顔色を伺う」こと自体は良いことだと思います。

相手に対して一方的に話かけても、意外に伝わらないことというのは良くあることですよね。

それと同時に、相手の気持ちを推し量っているという感情も伝わります。

しかし、度が過ぎてしまうとその行動が否定的に見られることも


「ちょっと相手に気に入られようとして頑張りすぎじゃない?」や「そこまでしなくても…」などという目で見られる場合もあります。

どこまでが良くてどこまでが悪いのかは、人によって判断が分かれるところだとは思います。

しかし、必要以上に相手に対して卑屈になっている場合は、「顔色を伺いすぎだよ」と声をかけてみても良いのではないでしょうか。


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