ある夫婦のケンカの声が聞こえてきました。
「あなたはいつもそう!もう少し家事を手伝ってくれたっていいじゃない!私は育児も仕事もあるのよ!」と奥さん。
「まあ、そう目くじらを立てるなよ」と旦那さん。
すると奥さんは更に怒ってしまい、ケンカはますますヒートアップしてしまいました。
あなたにもこんな経験があるのではないでしょうか?
旦那さんのセリフにあった「目くじらを立てる」この言葉で奥さんは更に怒ってしまったわけです。
この言葉にはいったいどんな意味があるのでしょう?
今回は、目くじらを立てるの意味や語源、使い方について解説をしていきますよ!
目くじらを立てるの意味・読み方は?
冒頭のケンカは、旦那さんが奥さんに「あらさがしするなよ」と言ったようですね。それでは奥さんが怒るのも当たり前です!
そんな「目くじらを立てる」ですが、なぜこのような意味があるのでしょうか?
そもそも「目くじら」ってなんでしょう?クジラを想像しますが、これに関係があるようには思えませんよね(;´∀`)
次は「目くじらを立てる」の語源について勉強していきましょう!
語源を知れば「目くじら」がなんなのか、なぜこのような意味があるのか、もう少しこの言葉について深く知れますよ!
目くじらを立てるの語源とは?
まず気になるのが「目くじら」がなんなのか?ですよね。
「目くじら」とは「目尻」のことを意味します。
残念ながらクジラのことではありませんでした(*^-^*)
「目尻」は「目くじり」とも言うそうで、それが変化して「目くじら」になったと言われています。
そして「立てる」についてですが、例えば、怒った時、人の顔はどんな顔をしていますか?
目尻がつり上がっていて、とても怖い顔をしているはずです。
「立つ」は物を立てるという他に、「感情を高ぶらせる」という意味があるんです!
それを考えてみると、「目くじらを立てる」とは、「目尻が上がって、感情が高ぶっている状態」ということになりますよね!
先程も少し触れたように、目尻がつり上がっている顔=怒っているという解釈が一般的ですが、この「目くじらを立てる」の場合は「あらさがしをしたり、人を責めること」です。
確かに人を責めるときの顔も目尻が上がっていますよね。怒りに近い表情に感じます。どうやらそこから来ているようですね。
ちなみにですが、もう1つ由来となったであろう言葉があります。
北陸地方の方言で「すまくじら」という言葉があるそうです。
「すまくじら」とは「隅」という意味だそうで、端っこなどのニュアンスの言葉です!
「目尻」は「目の隅」といい変えることが出来ますよね!
恐らくそこから、目の隅である「すまくじら」が「目くじら」に変化して現在も使われていると考えられています。
他にも「くじり」という言葉もあり、これは先のとがった「きり」のような道具や、えぐることを意味するようですよ。
「とがったもの」を指す言葉ですので、「目がつり上がっている」→「くじり」というニュアンスもあり、そこから「目がつり上がっている表情」→「目くじらを立てる」になったという説もあります。
いずれも諸説ありますが、「目くじらを立てる」にはこのような意外な語源がありました!
文章だけを見ると「クジラ」を連想しますが、言葉の裏にはしっかりとしたその言葉の歴史があるのですね!
目くじらを立てるの使い方・例文!
では、「目くじらを立てる」の使い方を紹介したいと思います。どんな使い方が出来る言葉なのか勉強していきましょう!
- 「あの上司は部下のミスにすぐ目くじらを立てる」
- 「そんなことで目くじらを立てるなんて、大人気ないよ」
例文をあげてみました。このように「怒っている、責めている」人に対して使う言葉ですね。
自分で、「私は目くじらを立てている」とは使いませんので、使う際には気をつけてくださいね!
さいごに
最後に、「目くじらを立てる」の類義語を紹介して終わりにしましょう。
- 「目角を立てる」
- 「咎める」
- 「腸が煮えくりかえる」
「めかどをたてる」と読みます。意味は「ひどく怒ってにらみつけること」などがあります!
例えば「彼は珍しく目角を立てている」などと使います。
「とがめる」と読みます。「過ちや欠点などをとりあげて非難すること」という意味がありますよ。「
最近の仕事の出来について咎められた」などと使うことが出来ますね!
「はらわたがにえくりかえる」と読みます。「腹が立って怒りをおさえることが出来ないこと」という意味があるんですよ!
例えば「腸が煮えくりかえる思いをした」などと使ったりします!
いかがでしたか?今回は「目くじらを立てる」の意味や語源、使い方について説明してきました!
平たくいうと、人を責めるという意味でしたのであまりいい意味ではなく、ネガティブなイメージの言葉でしたね。
生活していく上で、怒ったり人を責めてしまうことがあるのは人間ならば当たり前です。
何かにつけてそういう態度ばかりの人がよくいますが、あまり目くじらを立てないよう、心にゆとりを持って生きていきましょう!
関連記事(一部広告含む)