「以心伝心」は、四字熟語の中でもよく耳にする言葉のひとつ。
ただ、意味を分かっているつもりでも、「意味を説明して。」「なぜ、以心伝心って言うの?」と質問されるとハッキリ答えられない人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、以心伝心の意味と使い方について例文を交えながら紹介していきますね!
そして、記憶に残りやすくするためにもうひと工夫!
語源もあわせて紹介します。
まずはじめは、意味と読み方からです。
一緒に見ていきましょう。
以心伝心の意味・読み方!
①の意味は分かりやすいですが、②の意味は少し分かりずらい・・・(-_-;)
そんなときは、語源や逸話を見れば理解するためのきっかけがあるかもしれませんよ!
というわけで、次の章では語源を見ていくことにしましょう!
以心伝心の語源・由来とは?
「以心伝心」の語源をたどっていくと、仏教へとたどり着きます。
そう、実は「以心伝心」はもともとは仏教用語だったのです!
仏教の中でも宗派はいくつかありますが、「以心伝心」は、禅宗の教えとなります。
そして、語源となるお話が書かれているのは、「禅源諸詮集都序(ぜんげんしょせんしゅうとじょ)」中にある「無門関 第六則の世尊拈花(せそんてんげ)」です。
それでは、語源となったお話の内容を紹介しましょう。
「傳」は「伝」の旧字体ですから、「以心伝心」がそのまま出てきていますね。
日本語の書き下し文にすると「法は則ち心を以て心を伝う」となります。
「以」に「用いる・使用する」という意味がありますから「教えは心を用いれば必ず、心へと伝えることができる。」という意味になります。
つまり、「心を通い合わせることができる。」ということですね。
これで、②の意味「言葉では言い表せない悟りや心理を師から弟子の心へ伝えること。」が理解できたのではないでしょうか?
ちなみに①の意味「心が通じ合い、言葉や文字を使って説明しなくてもお互いの気持ちが通じること。」は、時代とともに「師と弟子」という部分が「人間同士」という意味へと転じていったものです。
現在は、①の意味で使われることがほとんどですよね。
次の章では、実際に使えるようになるために、例をあげながら使い方を紹介していきます。
一緒に見ていきましょう。
以心伝心の使い方・例文!
では早速、例文を見ていくことにしましょう。
プレゼントは悩んでいる時間も楽しいので、ちょっと残念な気もしますがやはり長年一緒にいると、相手のことが自然と分かるようになるんでしょうね。
息の合ったチームメイトは貴重な存在ですよね。
「阿吽の呼吸」や「アイコンタクト」とも言いますね。
こちらの使い方はどうでしょうか?
確かに、「何も言わなくても」伝わっているのかもしれません。
しかし、仕事ではよく「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」が大切だと言われますよね。
また、「以心伝心」だと思っているのは、一方の人だけかもしれません…
ミスをなくすためにも、仕事での以心伝心には気を付けなくてはいけませんね。
こちらの使い方は、あまりよくない使い方ですよ。
まとめ
いかがでしたか?
「以心伝心」の意味や語源・使い方をみてきました。
「以心伝心」は宗教のひとつである「仏教」に語源がある言葉でした。
そんな言葉を英語で表現することはできるのでしょうか?
- telepathy(言語・表情・身振りなどによらずに、 その人の心の内容が直接他の人に伝達されること。)
- sympathy(共感・共鳴)
- heart to heart(心と心)
などで表すことができます。
ここでの「telepathy」は超能力の方ではありませんので、気を付けてくださいね、
日本語でも類語はありますよ。
- 拈華微笑(ねんげみしょう):言葉を使わず、心から心へ伝えること。また、伝えることができること
- 不立文字(ふりゅうもんじ):悟りは文字や言葉によることなく、修行を積んで、心から心へ伝えるものだということ。
- 教外別伝(きょうげべつでん):意味や解説、類語。禅宗で、仏の悟りを伝えるのに、 言葉や文字によらず、心から心へと直接伝えること
- 意気投合:互いの気持ちや考えなどが、ぴったりと一致すること
- 共感:他者と喜怒哀楽の感情を共有すること
今回紹介した「以心伝心」は同じように仏教用語からきているいくつかの類語よりも、英語のほうがニュアンスが伝わる言葉ですね。
また、おまけとして「telepathy」に超能力であるテレパシー以外の意味があることも知ることができました。
このように、言葉同士のつながりから新しい発見がある。これもまた、言葉を調べる楽しみのひとつですね(#^.^#)
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