「え~い、頭が高いこのお方をどなたと心得える!控えおろう。」
ご存じ「水戸黄門」の決まり文句。
人のいいご隠居さんと思いきや、とんでもなく身分が高くえらいお方だった黄門さま。
この時代劇で「頭が高い」という言葉を知った人も多いはず!(年代がバレますね(笑))
ところで、「頭が高い」って どういう意味なんでしょう?
水戸黄門では、このセリフの後に「はっはぁ~」とみんなが土下座。つまり、頭が高い=土下座しろ!ということ?
なんだか違う気もする…
気になった言葉の正しい意味を知りたい!って、あなたも思ったことあるのではないでしょうか。
そこで今回は「頭が高い」の意味だけではなく、覚えやすいように語源や使い方も順を追って紹介します!
一緒に見ていきましょう!
頭が高いの意味・読み方!
もちろん、キリンのように首が長くて高いといっているのではありませんよ(笑)
では、「頭が高い」とは具体的にどのような状態を言うのでしょうか?
さらに深く理解するために、次は語源をみていきましょう!
頭が高いの語源・由来とは?
「頭が高い」の語源をたどると行き着く先は武家社会になります。
武家社会は礼儀作法にとても厳しく、挨拶の作法もTPOに応じて決められていました。
挨拶の方法は大きく分けると3つ。
これ以外のも主君に挨拶するとき・馬に乗っているときなどの作法もあります。
「真」<「行」<「草」の順に頭の位置が低くしないといけません。
それぞれの場面に適した挨拶をしていなければ、本来の頭の位置よりも高くなり相手を見下げる態度になります。
そのときに受ける注意の言葉が、「頭が高いぞ!」や「頭が下げたりないぞ!」だったのです。
さらに言えば、
という思いから下げる頭の深さを間違えた、もしくはワザとそうしたんですよね。
そこから、「身の程をわきまえず態度が傲慢・無礼である。」と相手に感じてしまう…が、頭が高いの語源です。
武家社会で使われ始めた「頭が高い」ですが、次第に武士以外の階級層へも使われる言葉となっていきます。
冒頭に出てきた時代劇「水戸黄門」では武士社会だけでなく「農」「工」「商」と呼ばれる身分階級の人たちにも「頭が高い」といっています。
この場合は「身の程をわきまえず態度が傲慢だ」というより、「この方は、実は身分が高いお方なんですよ。だから身分を明かした今からはそれなりの振る舞いをしなさい!」程度の意味でしょう。
もちろん、悪代官なんかに対しては前者の意味も込められているでしょうけど…
ちなみに、現在でも使われている「上座(かみざ)・下座(しもざ)」という言葉は、武家社会の名残りなんですよ。
実は、この時代の礼儀作法には、座る位置も決められたそうです。
なんとも厳しい社会だったでしょうね(;´∀`)
頭が高いの使い方・例文!
「頭が高い」という言葉は、時代劇など封建的な社会で使われるのが多い言葉ですね。
冒頭の時代家劇のセリフの一部「控えおろう!」からも分かるように、立場の上の方が下の人に向かって使う言葉。
しかし、語源となった武家社会での使われかたのように、
- 上位の人に対する態度が悪い場合に注意する言葉
- 上位の人に対して悪い態度をとる人を表す言葉
としてのほうが使う機会は多そうです。
これらをふまえて、例文を見ていくことにしましょう。
この例文では、「上位の人に対して悪い態度をとる人」を表す言葉として使っていますね。
次の例文は、どうでしょうか。
なるほど!上位の人に対して無作法な態度をとらないように気を付ける。という使い方ですね。
こんな使い方もできるんですね。
まとめ
いかがでしたか?
「頭が高い」の意味や語源・使い方を見てきました。
どうやら日本語独特の言い回しのようですが、英語で表現出来るんでしょうか?
さすがに「High head」ではないでしょうし…
- acts big(偉そうにふるまう)
- impolite(無作法な)
- uncivil(礼儀を守らない)
が近いでしょう。
「頭が高い」の語源を勉強したことですし、語源が武士社会に関係がある慣用句やことわざも紹介しますね。
- 詰め腹を切る:強制的に責任をとらされたり辞職させられたりすること
- 高を括る:その程度を予測する。大したことはないと見くびる
- 陣中見舞:選挙運動中の人や,仕事に忙殺されている人などを出向いて慰問すること
- 横槍を入れる:人の話や仕事に第三者が横から口を出して妨げる
- 天晴れ:行為がとてもすぐれていて、賞賛に値するさま
などがあります。
これらはほんの一例ですから語源つながりの言葉を探して、楽しんでみるなんてのも面白そうですね。
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