結婚の挨拶のシーン。緊張もピークの中、いよいよ彼女のお父さんに本題を切り込む!
「お父さん、娘さんを僕にください!」
「…どこの馬の骨かわからない男に娘はやらん!」
こんなベタな話がよくありますよね!実際にこんな展開になるかは置いておいて、この中にある「馬の骨」とは一体どんな言葉なのでしょう?
今回は、馬の骨について意味や語源、使い方を解説していきます!
まず、意味の説明からいきますよ!
馬の骨の意味・読み方は?
冒頭のお父さんは、娘さんの彼氏を「素性がわからない!」と、ののしったんですね!
昔はお見合い結婚が主流でしたし、家柄を気にすることが多かったようなのでそんな言葉を言われる男性が多かったのかもしれません。
そんな「馬の骨」ですが、なぜそんな意味があるのでしょうか?
そもそも回りくどく言わなくても「素性がわからない男に娘はやれん!」とストレートに言ったっていいんじゃないの?と思ってしまいます。
しかし、この「馬の骨」にはしっかりとした語源があるのです!
次はその語源にスポットを当てていきますよ!
馬の骨の語源とは?
「馬の骨」の語源について解説していきます。実はとてもおもしろい成り立ちがあるんですよ!
まずは言葉をバラして、整理してから考えていきましょう。
「馬」は、うま。のことですね!昔から人間の暮らしにはかかせない動物です。
大型から小型まで品種も様々ですが、とくに大型の馬は、乗り物としての役割や、馬車や荷物を運んだり、競馬、はたまた食肉などと幅広く人間に寄り添ってきました。
もちろん、日本のみならず世界中で知られ、活躍している動物ですね!乗りこなせたらかっこいいイメージがあります!
そして「骨」は、ほね。のことですね!
一般的には動物の骨のことを指しますが、その他にも、人柄、品格などの意味もある言葉なんです。
もともと「馬の骨」とは中国で「役に立たないもの」という意味で使われていた「一に鶏肋(けいろく)、二に馬骨」という言葉から来ているのですよ!
鶏肋とは鶏の肋骨の部分のことで、これは小さすぎてなんの役にも立たないです。
そして馬骨は大きすぎてこれもまた役に立たないんですね!むしろ大きくて処分に困るほど…。
そのことから転じて「馬の骨」が「役に立たない余計な者」という意味で使われるようになりました。
その「役に立たない余計な者」とは、「いい大人なのに職業や出身が明らかではない者」、つまり「素性の知れない者」という意味で使われ始めました。
先程少し触れた通り、骨には「人柄」という意味もありますのでこのような意味で使われることも納得です。
長い年月でそのような意味に変化していったのですね!
ちなみに、「馬の骨」だけではなく「牛の骨」という言葉が同じ意味で使われていた時代もあったそうですよ!
馬同様、牛も人間と関わりが深い動物ですし、なにより骨が大きいことも共通していますからこれも納得ですよね!
ではそんな「馬の骨」の使い方を勉強していきましょう!どんな使い方が出来るのでしょうか?
馬の骨の使い方・例文!
ここでは「馬の骨」の使い方について説明していきますよ!例文をあげてみますね。
- 「どこの馬の骨かわからない輩だ」
- 「どこの馬の骨だか知れないやつだ」
このように使うことが出来ます。使い方としては例文のような文面になるのが一般的ですね。
「馬の骨」は相手をののしる言葉なので、いい意味では使いません。
ネガティブな表現で「素性がわからない人」に対して使いますので、あまり面と向かって使う言葉ではありません。
また、冒頭にあったような結婚の挨拶の件でよく登場したりします。
彼に対して彼女の父親が一喝する表現として、ドラマや何かのお話の中で、ほぼ決まり文句で使われるイメージもあります。
さいごに
ここで「馬の骨」の関連語を紹介したいと思います!「馬」がつく言葉を集めてみましたよ!
- 「馬も買わずに鞍を買う」
- 「馬の耳に風」
- 「馬には乗ってみよ人には添うてみよ」
「うまもかわずにくらをかう」と読みます。「物事の順序が反対になること」という意味がありますよ!
「うまのみみにかぜ」と読みます。「人の意見や批判を聞き流すこと」という意味の言葉ですよ。
似ている言葉で「馬の耳に念仏」が有名です。
「うまにはのってみよひとにはそうてみよ」と読みます。
意味は「何事も経験してみなくては本当のところはわからないのだから、やりもしないで批判したり評価したりするべきではないということ」です!
いかがでしたか?今回は「馬の骨」についての意味や語源、使い方を解説してきました!
残念ながらネガティブな言葉ですから、あまり使うタイミングはないかもしれません。
しかし、語彙が増えたことでまたあなたはスキルアップしました!
「どこの馬の骨!」だなんて言われないよう、自分を高めて大人として恥ずかしくない日々を送りたいものですね。
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