「ご多分に漏れず、うちも家計が苦しくてね」なんて会話を、近所の方が交わしているのを耳にしました。
「ご多分に漏れず」って聞いたことはあっても、意味までは詳しく分からない。
でも、日常生活で使える言葉なら知っておきたいですよね!
ここでは、「ご多分に漏れず」について意味や使い方を紹介します。
ご多分に漏れずの読み方と意味は?
漢字で書くと「ご他分に漏れず」「ご他聞に漏れず」「ご多聞に漏れず」などと書き間違えることが多いのでご注意を!
もう少し詳しくみていきましょう。
国語辞典では、「世間と同じような。他と例外なく。多くの場合と一致している。」と出てきました。
ここでいう「多分」とは、世間の大多数、または世間一般を指して、世間の大多数の人が漏れなくそういう状況である、という意味になるのです。
言い換えると、「他の大部分と同じようなこと」「世間並みのこと」「例外なく事が進んでいること」となりますね^^
では、「ご多分に漏れず」って、どのような成り立ちがあるのでしょう?
語源を知ることができたら、言葉への理解も深まると思います。
次の章では、ご多分に漏れずの語源についてみていきますね。
ご多分に漏れずの語源とは?
もともと「多分」は、量が多いこと、ものごとの大部分または大多数、という意味です。
それが世間の大部分という意味に置き換えられて、大多数の人たちが漏れなく付き従うような状況や場面を指して「ご多分に漏れず」が生まれました。
古くは、「多分に漏れず」で使われていたようです。
「ご」がついたのは、「多分」が「世間様」というニュアンスで用いられるようになってからである、という説が多いですね。
「ご多分に漏れず」ですが、とんな場面で使うものでしょう?
日常生活でも使えそうな言葉なら知っておきたいですよね。
では、使い方をみていきましょう。
ご多分に漏れずの使い方・例文!
「私もご多分に漏れず失敗してしまった。」言い換えると、「他の人たちが失敗してしまったように、私も失敗した。」という表現になります。
何だか悪いイメージでとらえられていますね。
しかし、必ずしも悪いことばかりを指す言葉ではありませんよ。
「ご多分に漏れず、彼らも大手企業の志望だった。」これは、「多くの人がそうするように、彼らも大手企業を志望した。」という意味です。
事実を述べているだけであって、悪いことではありません。
「ご多分に漏れず」は、世間の景気だとか、一般的な事実を含むことが多いようです。
そうなると、あまり良いイメージで扱えないので注意が必要ですね。
付け加えて注意が必要なのは、先にも述べた「ご他分に漏れず」「ご他聞に漏れず」「ご多聞に漏れず」です。
特に、最後の「ご多聞に漏れず」ですが、これが最も間違えやすいといいます。
実は「多聞」という言葉が存在していて、それと混同してしまうからです。
ちなみに、「多聞」は、多くの知識があること、多くの人が見聞きしてすでに知っていること。
なので「ご多聞に漏れず、うちも家計が苦しくてね。」というと、「多くの人が知っている通り、自分の家は家計が苦しくて…。」なんて意味に(;´Д`)
使いたいときには、ぜひ注意してみてくださいね。
まとめ
「ご多分に漏れず」は、世間や他の大部分と同じようなこと、という意味でした。
似ている表現だと、「例に漏れず」「例外なく」「ありふれた」「ありきたりな」…などですね。
案外、身近にある言葉かもしれませんね。
英語でも、同じような表現がありました!
- As is usual with
- In common with
- Among the rest
直訳すると、「周りと同じような」「普通と変わらない」といった意味になります。
ちなみに、多分って言葉は普段使いますよね。
「多分明日は雨だろう。」「多分彼らは遅れてくる。」「私たちは多分大丈夫だ。」よく使う言葉だと思います。
ここでいう多分、とは副詞であって、だいたい、おそらくという意味。
上で述べてきた多分はものごとの大多数という名詞です。
「多分」にも全く違う意味が含まれているのですね。
日本語って面白いですね(*^-^*)
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