あなたは、普段何気なく使っている言葉の中で、間違えて覚えていたり、はっきりと意味も分かっていないのに使っている言葉ってありませんか?
私も先日、近所でお祭りがあったのですが、お祭りが終わってから、タコ焼き屋のおじさんに、「いや~思ったより客が来て上を下への大騒ぎだったねぇ。」と言われました。
「上を下へ大騒ぎ…?上へ下へじゃなかったっけ?いや、上や下へだったかな?そう言えば、聞いたことはあるけれど、はっきりと意味も分からないや。」と後でモヤモヤしてしまいました。
合っていると思って使っているのに、後で間違っていることを知ったらとても恥ずかしいですよね。
そこで今回は、「上を下への大騒ぎ」の意味や使い方について紹介します!
よく聞く言葉なので、恥をかく前に正しく理解しときましょう^^
上を下への大騒ぎの意味と読み方とは?
これを「上や下へ」や「上へ下へ」と間違えている人は多く、正しく使えている人は2、3割程しかいないそうです。
今日からあなたも正しく使ってくださいね!
次に、意味についてですが、あなたもよく目にしたや経験したこともあると思います。
少し想像してみてください。
お正月、あなたは、小さいけれどとてもご利益のあると言う有名な神社に初詣に行ったとします。
神社の外は車の列でいっぱいですし、中も人で溢れていますよね。
特に本堂の前は物凄い人混みで、お参りに行く人、帰る人、後ろからお賽銭を投げる人、追い抜こうとする人、人の間を走り回る子供、こける子供、迷子になって泣いている子供…。
このように、大勢の人が入り乱れ、パニック状態、てんやわんやになっていることを言います。
しかし、なぜこのような状況が「上を下への大騒ぎ」と言われるのでしょうか?
上を下への大騒ぎの語源とは?
「上を下への大騒ぎ」の「上を下へ」とは、「上にあるものを下にし、下にあるものを上にすること。ごった返していること」を意味します。
それなら「上を下へ、下を上への大騒ぎ」の方が分かりやすいじゃない!と感じる方もいらっしゃるかと思いますが、少し長いですよね…。
また、先程言い間違いで出てきた「上へ下へ」や「上や下へ」でも「人が上がったり下がったりうろうろする様子」は想像できるので、不思議には思わないのです。
しかし、「混乱を極めている」意味にはならないので「上を下へ」ではなければなりませんね!
あれ?それなら「上を下へ」だけでもいいんじゃない?と思われるかもしれませんが、正しい慣用句は「上を下への大騒ぎ」ですので、正しく使いましょう。
同じ意味で「上を下に返す」「上よ下よ」とも言います。
次では、どのような時に使うのかを見ていきましょう!
上を下への大騒ぎの使い方・例文
「上を下への大騒ぎ」のポイントは「上も下も分からないくらいごった返している」状態です。
年末年始シーズンでのいくつかのシーンに当てはめてみましょう。
- 今年も後1週間で仕事納め。年末の追い込みで支店は大忙し。そんな中、急に本社の社長が午後に来ることになり、支店内は上を下への大騒ぎだ。
- 家族全員で家中を大掃除中、戸棚の裏からネズミが!追いかけても追いかけてもネズミはなかなか捕まらず、たった1匹だけなのに上を下への大騒ぎになった。
- 新年の初売りの目玉はやっぱり沢山の商品が入ったお得な福袋!オープン1時間前から長蛇の列。オープン開始の合図から出入り口には人が殺到し、福袋売り場では我先に福袋をゲットしようと他人を押し退けたり福袋の取り合いになったりと、上を下への大騒ぎだ。
まとめ
「上を下への大騒ぎ」状態の場所…私は人混みが苦手なのであまり行きたいとは思わないですね。
ニュースなどで、福袋争奪戦のシーンや渋谷でのお祭り騒ぎなどを見かけたりしますが、「都会の人はすごいなぁ」と思ってしまいます。
満員電車も一見「上を下への大騒ぎ」のように見えますが、日本人は乗り降りの際、ちゃんと降りる人を降ろしてから乗る人が乗り込むので、ここは「上を下への大騒ぎ」ではないかもしれませんね。
ちなみに、「まどみちお」言う詩人の方をご存じですか?
「ぞうさん」「やぎさんゆうびん」「ふしぎなポケット」などの動揺を作った有名な詩人さんです。
この方は、詩で「もやし」を「うえをしたへのおおさわぎ」と表現しています。
は?となるかもしれませんが、もやしは、栽培している時は規則正しくみんな上向きに並んでいますが、出荷されるときは上も下も分からないようなごちゃごちゃの状態で袋に入れられています。
この袋の中のもやしを見て「上を下への大騒ぎ状態だなぁ」と感じたのでしょう。
さすがは詩人さん、表現の仕方が面白いですね!