「窮鼠猫を噛む」から名前を取ったバンドがありますね。
「窮鼠猫を噛む」って、聞いたことはありますが、日常生活であまり使う機会がない言葉。
バンド名を聞いた時「珍しい名前だなぁ」と思って、それからずっと覚えています。
でも、同時に「窮鼠猫を噛むってどんな意味だったっけ?」そもそも「きゅうそ」って何のことだろう…
日常生活で使う頻度は少ないですが、若い人に人気のバンド名にもなっているので、「どんな意味?」って聞かれた時に、答えられるとカッコイイですよね!
今回は、「窮鼠猫を噛む」について、意味や使い方を説明していきます。
窮鼠猫を嚙むの意味・読み方!
「窮鼠(きゅうそ)」とは、猫に追い詰められたネズミのことです。
「窮(きゅう)」という字の意味には、「行き詰って身動きができない」というのがあり、にっちもさっちもいかない状態を表しています。
「窮鼠(きゅうそ)」も、「身動きが取れない」→「逃げ場がない」ネズミとなり、追い詰められたネズミとなるのですね。
猫に追い詰められたネズミは、逃げ場がなくなり、猫に反撃することがあります。この状況を表した言葉です。
実は、この言葉には
- 弱いものを侮ってはいけない。
- 追い詰められているものを、追い詰め過ぎてはいけない。
という2つの視点があります。
弱いからと侮って追いつめていると、思わぬしっぺ返しをくらうことになる、ということですね!
ちなみに、「窮鼠猫を噛む」は、「窮鼠返って猫を噛む(きゅうそかえってねこをかむ)」と言うこともありますよ。
窮鼠猫を嚙むの語源・由来とは?
元は、中国、前漢という時代の政治家・学者であった桓寛(かんかん)という人が編集した「塩鉄論(えんてつろん)」という書に出てくる言葉です。
「塩鉄論」は、財政打開策で行った塩、鉄、酒の専売の是非についての論議を編集したもので、当時の政治や社会、経済、学問、芸術などについても書かれています。
「塩鉄論」の中で、「死すれば再びは生きず、窮鼠も狸を嚙む」と出てきます。
この「狸」は野生の猫のこと。
「猫に追い回されて死に物狂いになっているネズミは、死んだら生き返ることはないので、最後の力を振り絞って猫を嚙もうとする」という意味ですね。
ここから「窮鼠猫を嚙む」が、「絶体絶命の窮地に追いやられれば、弱者でも強者に歯向かうことがある」になりました。
窮鼠猫を嚙むの使い方・例文!
では、例文で使い方を確認していきましょう。
B子はA子のことを「何をしても言い返さない弱いやつ」と思っていたと考えられます。
B子がからかい続けたことで、追い詰められたA子が歯向かった…まさに「窮鼠猫を嚙む」ですね。
せっかくなので、「窮鼠猫を嚙む」の類語も確認しておきましょう。
- 窮寇は追うなかれ(きゅうこうはおうなかれ)
- 窮寇は迫る勿れ(きゅうこうはせまるなかれ)
- 獣窮まれば即ち嚙む(じゅうきわまればすなわちかむ)
窮寇(きゅうこう)とは追い詰められた敵のことで、これを更に追えば死に物狂いで逆襲されることを言います。
出典では「窮寇は迫る勿れ」で、「追う」ではありませんでした。
「獣窮まれば即ち嚙む」も同じような意味で、追い詰められた動物はすぐに攻撃してくることをいいます。
まとめ
今回は「窮鼠猫を嚙む」についてまとめてきました。
弱いものでも、逃げ場がなくなるほど追い詰められると、強いものに反撃することがあるという意味でしたね。
また、「弱いものを侮ってはいけない」と「追い詰められているものを追い詰め過ぎてはいけない」という教訓が含まれていました。
自分の方が強いからと、弱いものを侮って追い詰めていると、弱いものからの死に物狂いの反撃で攻勢が逆転するかもしれません。
逃げ場がなければ、反撃するしかないですもんね。なので、古来中国の戦術では、四方を取り囲んでも、一点だけ逃げ場を作っておいたそうです。
使う機会はあまりないですが、心に留めておくと良い言葉だと思います。現代の生活でも上記の考え方は生かせる機会がありそうですね。
これで、若い子たちから「窮鼠猫を噛む」の意味を聞かれても、自信を持って答えられます。
これからも分からない言葉が出てきたら、どんどん調べて知識を増やして行きましょう!
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