「獅子身中の虫]という言葉があります。
あまり聞き慣れない言葉ですよね。
獅子っていうことは、ライオンだと思うけど、その中の虫って何?
という事で、今回は「獅子身中の虫」の意味や語源について紹介します!
一緒に見ていきましょうね。
獅子身中の虫の意味・読み方とは?
なんだか早口言葉みたいな読み方ですね(^-^;
「獅子心中の虫」と誤表記されることがありますので、注意しましょう。
「心の中」ではなく「身体の中」です。
ちなみに、私は意味を聞いた時点で「トロイの木馬」を思い出しました。
古代ギリシャの有名な叙事詩ですね。
また、現在ではパソコンのウィルスとしても有名です。
ソフトのふりをしてパソコンに侵入し内部からパソコンデータを破壊していく・・・((゚Д゚;))
まさに「獅子身中の虫」!
獅子身中の虫の語源とは?
「獅子身中の虫」の語源をたどっていくと仏教にたどりつきます。
「梵網経(ぼんもんきょう)」という経典の中に書かれている
「獅子身中の虫、自ら獅子の肉を暗い、余外の虫に非ざるが如し。是くの如く仏子自ら仏法を破り外道・天魔の能く破壊するに非ず」が出どころです。
何を言ってるのか、分かりにくいので、口語に直してみると…
「獅子は体の中に寄生している寄生虫に食われて死ぬのであって、外から虫に食われるのではない。
これと同じく仏教徒でありながら自ら仏の教えを破るのであり、外道や天魔がこれを壊すのではない」となります。
だいぶ分かりやすくなりましたが、もう少しかみ砕いてみますね。
「獅子の体の中の寄生虫は獅子の命も脅(おびや)かします。同じように内部の裏切りによって組織が滅ぼすこともあるのです」という教えです。
転じて、「組織の内部にいながら害をもたらすもの」「恩を仇で返すもの」という意味になりました。
ようするに「裏切り者」ですね。
獅子身中の虫の使い方・例文!
意味や語源がわかったところで、実際に例文を作っていきましょう。
聞きなれない言葉ですから、うまく使いこなすと上司などに「おっ!」見直されるかもしれませんよ!
- 獅子身中の虫を駆除して、社内組織を立てなおそう。
- プレゼン内容が全く同じなんて、プロジェクトチームの中に獅子身中の虫が居たとしか思えない。
- 今回は手を組むことにしたけれど、もともとはライバル社。いつ獅子身中の虫になるかわからないから気を付けないと。
- 実は彼が獅子身中の虫ではないかと前々から疑っていたんだ。
- 世の中、獅子身中の虫だらけなんじゃないかな。
言葉の意味がわかればすごく使いやすい言葉なので、例文をつくるのは簡単でしたね。
「裏切り者」に置き換えることができれば、「正解」ということです。
まとめ
「獅子身中の虫」英語で表現することができるのでしょうか?
見ていきましょう。
- a thorn in one’s flesh.(身体の中のとげ)
- a treacherous friend(味方でありながら味方に害をなす者)
どちらも嫌な表現ですね。
イソップ寓話(ぐうわ)の中にこんなにもピッタリな表現があるんでご紹介しますね。
a snake in its bosom
「寒さで弱っていた蛇を懐に入れて温めてやっていた農夫。その蛇が目覚めると農夫を咬み致命傷を負わせた」という話の一節です。
こちらのほうがピッタリくるのですが、イソップ寓話を知らない人には通じないので残念です。
せっかくの機会ですから、「獅子身中の虫」の同義語もご紹介しましょう。
- 恩を仇(あだ)で返す:恩返しをしないで、かえって恩人に害を与えること
- 飼い犬に手を噛まれる:日頃からかわいがり面倒をみてきた者からひどく裏切られたり、害を受けたりすること
- 鉈(なた)を貸して山を伐(き)られる:恩を仇で返されること
- 軒を貸して母屋を取られる:一部を貸したために、 やがて全部を奪われるようになる。保護してやった相手に、恩をあだで返される
- 煮え湯を飲まされる;信用していた人に裏切られて、ひどい目に遭わされる
いかがでしたか?
今回の「獅子身中の虫」は言葉の響きが難しいので敬遠しがちな言葉かもしれません。
しかし、意味がわかれば同義語もたくさんある使い勝手の良い言葉でしたね。
ぜひ、あなたも使っていってください。
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