突然ですが、想像してみてください。
友達に「先週、○○ちゃんにLINEしたんだけどさ、なしのつぶてだったよ!」と言われたあなた。なんと返しますか?
「な…なしのつぶて?」…キョトンとしてしまいそうですね。
友達だったら「なにそれ?」ですみますが、もしこれが上司や先輩、取引先だったら?
考えるだけで汗が出ますね…
今回は、そんな目に合わないよう、「なしのつぶて」の意味や使い方を説明していこうと思います!
なしのつぶての意味・読み方は?
冒頭のセリフの正解は「LINEの返事こなかった!」と言うことでした!うまくかわされてしまったようですね…
「なしのつぶて」には漢字もあり、「梨の礫」と書きます。
「なし」とは果物の梨なんですね!
ですが、返事が無いことがなぜ「梨」?そして「礫」とはなんのことなのでしょうか?
せっかく意味を知ったのですから「なしのつぶて」の語源も勉強していきましょう!
なしのつぶての語源とは?
では、「なしのつぶて」の語源を解説していきます。
漢字で書くと「梨の礫」でしたね!まずはバラして漢字の意味も考えていきましょう!
- 「梨」は果物の梨のことですね。
- 「礫」は、れき、つぶて、と読みます。小石という意味があります。
そのままの意味で考えると「梨の小石?」何それ?となってしまいますが、この場合は少し意味が違うんです!
思い出してみてください。あなたは子供の頃、小石を投げて遊んだ経験はありませんか?
ポーンと小石を投げてみても、決して返ってくることはありません。
石は行ったっきりのままです。
つまり、投げた小石(つぶて)のように行ったっきりで返ってこないことを、手紙や連絡が返ってこない様子に例えたのです!
それを「なしのつぶて」と表現するようになったそうですよ!
ここで気になるのは「梨」ですが、実は特に梨である必要は無いそうです。
じゃあ桃でも柿でもいいじゃないか!と思いますが、どうやら「語呂合わせ」という説が有力で、「返ってこない、返事がない」の「無し」と果物の「梨」を掛けて「梨の礫」と漢字が当てはめられたと考えられています。
ちなみに「無し」なら「無しの礫」でもよさそうですが、何もない物は投げられないので、物体のある「梨の礫」と表すようです。
では、「なしのつぶて」いったいどんな風に使う言葉なのでしょうか?
意味と語源がわかったので、次は使い方を勉強していきましょう!
なしのつぶての使い方・例文!
「なしのつぶて」の使い方を紹介していきますよ!
例文をいくつか出しますので、比べながら見てみてくださいね!
- 「10年ぶりの同窓会開催のハガキを送ったが、半数はなしのつぶてだった」
- 「何度電話をしてもなしのつぶてで、そこで騙されていたことに気がついた」
- 「上京した息子はもう半年間もなしのつぶてだ」
3つの例をあげてみましたが、「全て返事がない様子」を表していますよ!
1つ目はハガキを送ったが反応がない、2つ目は電話が繋がらない、そして3つ目は電話も出ないしメールの返事もないといったニュアンスでしょうか。
どれもよく聞く話ですよね!
現代、連絡手段は様々ありますが、このように1つに限らずに多方面で使える言葉なんです!
冒頭でも出てきたLINEもここ数年で当たり前の連絡ツールとなりました。
既読スルーも「なしのつぶて」を使うにはピッタリかもしれませんね!
さいごに
それでは、「なしのつぶて」の類義語を集めてみましたので、ここで紹介しましょう。
- 「音沙汰がない」
- 「鉄砲玉」
- 銃弾の玉
- 丸く固めた飴
- 使いなどに出たまま戻らないこと、またその人
- 水に浮かないこと、泳げないこと、またその人
- ヒットマン
- 「音無の構え」
- 音を立てない姿勢
- 行動を起こさないこと、働きかけに対して反応しないこと
「おとさたがない」と読みます。
「音沙汰」だけで、便り、連絡、訪れという意味があります。通常使う際は「音沙汰がない」と「ない」をつけて使用しますよ。
「てっぽうだま」と読みます。これはいろんな意味がある言葉なんです!
この場合は「使いなどに出たまま戻らないこと」が近い意味ではないかな?と思います。
読みは「おとなしのかまえ」です。
という意味があります!
「音無の構えを決め込む」などと使うことが出来ますよ!
いかがでしたか?今日は「なしのつぶて」について解説してきました!
漢字では意外な「梨」の登場でした。
その語源も語呂合わせとは、ちょっと拍子抜けしてしまいましたよね!
しかし、語呂合わせとはとても覚えやすいものです。
昔の人の考えは「なるほど!」と感心出来るものが多いですよね。
特に今回の内容は一度聞いたら忘れないのではないでしょうか?
意味と使い方に加えて、語源も一緒に説明出来たらかっこいいと思います!
是非「なしのつぶて」使ってみてくださいね!
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