「信用しているあいつの言う事だから聞いたのに、まんまと煮え湯を飲まされた!」
営業のAさんがこう言いながら帰社しました。
Aさんは、こんな感じの難しい言い回しをよくされます。
実はこの言葉、簡単なようで意外と間違った使い方をされることが多いんです。
そこで今回は、煮え湯を飲ませれるについて意味や語源、正しい使い方を紹介しますね!
煮え湯を飲まされるの意味・読み方とは?
ちなみに、身内からの同様の行為もこの言葉の意味に含まれます。
煮え湯を飲まされるの語源とは?
信じている・信頼している人から「ちょうどいい飲み頃ですよ」と言われ差し出されたお茶。
しかし、煮えたぎるほどの熱湯で入れられたお茶だった。
疑いもせず勢いよく飲んだ為に、口の中を火傷するくらい熱い思いをした。という行為が語源になってます。
この語源から、信頼している相手から裏切られて酷い目にあってしまうことを「煮え湯を飲まされる」と言うようになりました。
ちなみに、語源にはもう一つ別の説もあります。
罵煮酒という悪霊退治の方法を習得する為の修行のひとつに「熱湯を口に含む」というのがあり、そちらが語源であるという説です。
しかし、こちらは信憑性が低く、先の語源のほうが有力と言われています。
煮え湯を飲まされるの使い方・例文!
まずは「煮え湯を飲まされる」が間違った使い方をされることが多いので、そちらの説明をします。
ちなみに、文化庁が発表した「国語に関する世論調査」においては、若い人ほど、煮え湯を飲まされるを間違った使い方をしているという結果が発表されています。
- 予想通り、あいつに煮え湯を飲まされたよ。
- 赤組のやつらに、リレーで煮え湯を飲まされた。だから白組は負けてしまったんだ。
- 20数年前阪神淡路大震災。あの地震には煮え湯を飲まされたなあ。
この3つの例文、実は全て間違えた使い方をしています。
ここまで、読んでくださったあなたは間違いに気づいたのではないでしょうか。
①で煮え湯を飲ませたのは「あいつ」ですね。
「あいつ」はどんなヤツでしたか?
「予想通り」という言葉があります。と、いうことは…「煮え湯を飲まされる」かも?と予想していた と読み取れますね。
また、②③も同様に考えましょう
煮え湯を飲ませたのは②「赤組」③「阪神淡路大震災」です。
上記のことをふまえて、「煮え湯を飲まされる」の意味を思い出してみてください。
「信じていた・信頼していた人」という隠れた主語があることを。つまり、信頼している人の存在が大前提なんです。
①は、裏切るかもしれないと予想していた相手(そんな人誰も信じないですね)
②は、敵対している組(最初から敵です。これまた敵を信じる人はいませんね)
③は、天災。(もう人ですらありません)
①~③の例文は、単に「ひどい目にあった・ひどい目にあわされた」という意味で使っているので間違えた使い方になります。
では、改めて正しい使い方をして例文を作っていきましょう。
- 親友だと思って内緒の相談をしたのに、言いふらすなんて煮え湯を飲ます行為だ。
- 信頼していた同僚に企画を盗まれて煮え湯を飲まされた。
- いつもあんなにかわいがってくれていた先輩なのに、私の陰口を言っているなんて煮え湯を飲まされた思いだ。
もう、例文を書いているだけで心が折れそうになりました(;´Д`)
まとめ
「敵は本能寺にあり!」有名な台詞ですね。
信頼していたはずの家臣、明智光秀の謀反により燃え盛る本能寺で自害をした織田信長。
この「本能寺の変」こそ「煮え湯を飲ませる」の代表格ではないでしょうか。
同義語に「飼い犬に手をかまれる」という言葉がありますが、裏切り度合い=「飼い犬に手をかまれる」<「煮え湯を飲まされる」といった所でしょう。
英語でも表せます。
「It is to drink hot water」(熱いお湯を飲まされた)直訳すぎて何も伝わるものがありません。
では、こちらはどうでしょう。
- 「to be betrayed」(~に裏切られる)
- 「be badly let down」(~に失望させられる)
こちらのほうが、しっくりきますね。
信頼・信用が出来る人が出来ないのも寂しいですが、そういう人から酷い裏切りを受けることも悲しすぎます。
いつか心から信頼出来る人に出会いたいものです。
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