先日、テレビを見ていると「何の役にもたたない国会。これでは国会は烏合の衆と言えるのではないでしょうか?」というニュースがありました。
ニュースよりも気になったのが、「烏合の衆」。
文脈から考えるとなんだか、バカにしているよな文章。
でも、カラスってかしこいよね…
なんて、気になって仕方がなくなってしまいました。
こうなったら、烏合の衆についてきちんと意味や語源を調べないと!ですね。
せっかくなので、あなたも一緒にみていきましょう!
烏合の衆の意味・読み方!
簡単にいえば、「まとまりのないただの寄せ集めの集団」ですね。
ついつい「うごのしゅう」と発音してしまいがちです。
また、最初の漢字は「烏 カラス」です。
ご覧になっているパソコンやスマホ・タブレットでは「鳥 トリ」と見えてしまうかもしれません。
間違わないようにこちらも注意してくださいね。
ちなみに、「烏合之衆」と表記される場合もありますので、覚えておきましょう。
烏合の衆の語源・由来!
「烏合の衆」は中国の「後漢書」という書物からきています。
「烏」はカラス・「衆」は軍勢・群集 を表しています。つまり「カラスの群れ」ですね。
カラスはもともと単独行動をする鳥です。
そんな鳥が集まっても、それぞれが好き勝手に行動し統率(とうそつ)が取れない。
統率の取れないカラスを人に見立てて「烏合の衆」という言葉がうまれました。
慣用句ではよく使われる比喩表現ですね。
この言葉がうまれた頃は、カラスは「かぁかぁ」鳴くうるさだけの鳥と思われていました。
しかし、現在ではカラスは知能もコミュニティー能力もとても高い鳥であることがわかっています。
単独行動をしているようで、連携をとっているんです。
実際のカラスに置き換えて考えると「烏合の衆」は能力の高い集団といった意味になってしまいますね(;´Д`)
烏合の衆の使い方・例文!
では、実際に例文を作って使い方を学んでいきましょう。
- 試合開始1時間前に急遽集めたメンバー。やはり烏合の衆でしかなかったか。
- 敵はただの烏合の衆。この戦い絶対に勝てる!
- チームワークができていないバラバラのチームなんて、烏合の衆にすぎないよ。
- 人数ばかりたくさんいても烏合の衆じゃあ、何の役にもたたないよ。
- 先輩たちがぬけてしまったけど、決して烏合の衆にはならないぞ!
「烏合の衆」を使うときのポイントは、「人」を「カラス」に比喩している言葉というところ。
人の集まりに対して使う言葉ですので、他のものには使いません。
例文ではしっかりとポイントを押さえることができていますね。
先ほども言いましたが
- シャチは群れで獲物を捕らえます。そのチームプレイは烏合の衆と言えるでしょう。
- ネズミが何匹集まったところで、しょせん烏合の衆だ。
(知能が高い集団と意味を取違えている。集団であっても動物には使わない。)
(集団であっても動物には使わない)
という使い方は、誤った使い方ですので気をつけてくださいね。
まとめ
「烏合の衆」では、慣用句やことわざの十八番(おはこ)の比喩が使われています。
英語で表現できるのでしょうか。
disorderly crowd(秩序のない集団)という言葉があります。
なんだか直訳すぎて比喩が生かされていません。
The mob has many heads but no brains(暴徒とは、人数だけたくさんあって考えがまったくない集団)
こちらのほうがよい言い回しですね。
また、同じような意味をもつ、慣用句やことわざもありますよ。
- 有象無象(ゆうぞうむぞう):取るに足りないただ集まっただけの人々
- 獣聚鳥散(じゅうしゅうちょうさん):規律・統率が全くないものが集まったもの
- 野次馬連:無秩序(むちつじょ)な人の群れ
- 雑魚(ざこ)の集まり:取るに足りないただ集まっただけの人々
せっかく「烏」という漢字を覚えたので、「烏」が使われている慣用句やことわざもご紹介しますね。
- 烏の行水:入浴時間が短い
- 鵜の真似をする烏:自分の能力を考えず、人真似をして失敗することのたとえ
- 鷺(さぎ)を烏と言いくるめる:口先で相手を丸め込む
- 烏兎匆匆(うとそうそう):月日があっという間に過ぎてゆくこと
- 烏の雌雄(しゆう):外見がよく似ていて区別するのが困難なことのたとえ
同じ「烏」でもいろいろなものに例えられていますね。
同じ言葉で違うものに例えられている慣用句やことわざを調べてみるのもおもしろそうですね。
きっと面白い発見がありますよ(*^-^*)
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