「今回の騒動では、責任者である〇〇氏が槍玉にあげられる結果になりました。」



槍玉にあげる


TVのニュースの中で流れてきたこの言葉。

家事をしながらふと、耳に入ってきたため、前後の話の内容がわからず、「槍玉にあげる」という部分だけが異様に頭に残ってしまいました。

前後の話の流れがわかっていればなんとなく言葉の理解もできたのかもしれませんが、この部分だけでは全く意味がわからず、頭の中には「?」ばかり…


そこで今回は槍玉にあげるの意味や、言葉の由来について調べてみました!

調べてみて分かったのですが、出来ることならあまり使いたくない言葉かもしれません…

実際には使いたくはない言葉ですが、言葉の意味を知っておくことはあなたにとってプラスになると思うので、ぜひ読んでみてください。



槍玉にあげるの意味は?


「槍玉にあげる」は「やりだまにあげる」と読みます。

言葉の意味は「大勢の中から一人を選び出し、攻撃や非難の対象にすること」です。



数多くの人の中から、一人だけに集中して攻撃を与えるなんて、考えただけでもちょっと怖い状況ですね(;´Д`)

実は、言葉がうまれた由来についてみていくと、この言葉が生まれた時代の壮絶な状況が明らかになってきます。

次項でその語源について詳しく説明していきましょう。


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槍玉にあげるの語源とは?

槍玉にあげるは、人を槍で突き刺し、そのまま高く掲げ手玉のように操る様子に由来しています。

その状況が転じて、大勢の中から選び出して責め立てるという意味になったのです。


ちなみに、「槍玉」とは、槍を手玉のように自在に扱う様子を意味しています。

「手玉」とは「お手玉」のことで、「槍」をお手玉のように扱うってどんな状態?

実は、戦が日常的に行われていた時代、敵の武将を仕留めれば戦に勝ったも同然。

敵将を仕留めたことを周りに知らしめるために、その武将を槍で刺したまま高く掲げました。

さらにはその状態から放り投げ、別の人がまた槍で刺し高く掲げる様を表しています。

かなり残酷な状況ですよね…


その状況から「高くつき上げる」様子が転じて「槍玉をあげる」という言葉がうまれました。

そんな状況からうまれた「槍玉をあげる」という言葉もそれだけ残酷な状況を意味しているということになるわけです。

非難の対象になってしまった側が、この表現を使う時には「槍玉にあげられた」という風に使われます。


槍玉にあげる

槍玉にあげるの使い方・例文!

「槍玉をあげる」の言葉の意味と語源がわかると、そう簡単に使ってよい言葉ではないような気がしますね。

ましてや使い方を間違えてしまうと、相手に対して不快感を与えてしまうこともあるので注意して使う必要があります。

それでは、「槍玉にあげる」の正しい使い方についてみていきましょう。

  • 「今回の建設現場での事故に関しては、現場責任者が槍玉にあげられた。」
  • 建設中の建物の足場の一部が歩行者に落下し、重体に陥るという事故が発生した。

    現場にいた作業員は複数名おり、さらに落下した足場を組んだ担当者はその日は不在であった。

    警察からの事情聴取に始まり、被害者側への謝罪などすべてを現場責任者が行うこととなり、マスコミに取り上げられ多くの非難を受ける結果となった。

  • 「市民は再開発の予算問題の不透明さに対して、市長を槍玉にあげた」
  • 昔からある市内の商店街も今ではシャッターの閉まった店舗の方が多い状態になってしまった。

    市は商店街に再び賑やかさを取り戻そうと再開発を計画している。

    しかし、その予算案の内容に不透明さが多く、市民の納得できるものではなかった。

    市民の声を受け、市長が説明会を行ったが市民の納得を得るどころか、市長に対する不信感は拭えず、抗議の声しか上がらなかった。

    市長が何を言おうとも、市民からの反対意見は絶えず、総攻撃を受けることとなった。

    挙句の果てに、市長になる前の女性関係が浮き上がるなどし、市長は辞任を余儀なくされたしまった。



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さいごに

いかがでしたか?

「槍玉にあげる」の意味や語源についてご紹介しましたが、この言葉は知れば知るほどとても恐ろしい言葉であることが理解できますね。

どんな地位にいた方であっても、一度槍玉にあげられてしまうと再びその位置に戻ることはかなり厳しいものになりそうです。


「槍玉にあげる」と同じ意味をもつ言葉には、「袋叩きにする」「つるし上げる」「滅多打ちにする」などがあります。

どの言葉にしても自分がその立場になると考えたら恐ろしいですよね。

よほどのことをしてしまわない限り、あなたが「槍玉にあげられる」ことはないとは思いますが、何が起きるのかわからない時代です。

「槍玉にあがる」人生にならないようにしたいものですね。


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