先日、バイト先の店長との話の中で、
私「このお店はいつもお客さんがいっぱいですね。店長の料理が美味しいってことですね~(^^)」
店長「今はたくさんのお客さんが来てくれるようになったけどね。この店って少し辺鄙な場所にあるやん?初めの頃は〝苦汁をなめる〟生活を送ったもんや。」
私は「苦汁を嘗めるって何だ…?」と思い、意味がよく分からず、曖昧な返事をしてしまいました。
あなたも「苦汁を嘗める」の言葉を見たり聞いたりしたことはあるけれど、その意味が分からず困っていませんか?
また、それって「苦汁」で合ってるの?「苦渋」じゃなかったっけ?と「苦汁」と「苦渋」で混乱していませんか?
今回は、「苦汁をなめる」の意味や使い方についてしっかり理解していきましょう!
苦汁をなめるの意味と読み方とは?
類語として「挫折を味わう」「屈辱を味わう」「痛い目に合う」などがあります。
類語が並ぶとどういう時なのか想像しやすいですね。
冒頭の話ですが、私のバイト先の店長は、オープン当初はお客さんが思うように入らず、辛い経験もしたんだぞと言いたかったんでしょう。
ネットなどの情報の中でも出てくるのですが、「くじゅう」の漢字を「苦渋」と間違える人が沢山いる様。
次では、なぜ辛い経験をすることが「苦汁を嘗める」と言われるのか?、「苦汁」と「苦渋」の違い、を見ていきましょう。
苦汁をなめるの語源とは?
「苦汁を嘗める」の「苦汁」とは、その漢字の通り「苦い汁」のことで、「苦い経験」を表します。
苦い汁って少しなめるだけでも嫌ですよね…。
なので「苦汁を嘗める」とは「辛くて嫌な思いをすること」を表すのです。
「苦汁」と言う言葉は、「苦汁を飲む」や「苦汁の日々」などにも使われます。
一方、「苦渋を嘗める」と間違えやすい「苦渋」ですが、これは「渋い味」のことで「心の苦しみ、苦しく辛い思い」を意味し、様子を表します。
「渋い〝味〟」はなめるのではなく、味わうものですね。
なので「苦渋を味わう」と言うのが正解です。
他に、「苦渋の決断」や「苦渋の選択」「苦渋の色を浮かべる」「苦渋に満ちた顔」などと使われます。
「苦汁」と「苦渋」、意味もよく似ていますし混乱しやすいのも納得。
使う時は「なめるものか?味わうものか?」「経験なのか?様子なのか?」を考え、間違えないようにしましょう!
苦汁をなめるの使い方・例文
では、実際「苦汁をなめる」はどの様なときに使うのか見ていきましょう。
- 去年の全国大会の決勝戦はライバルチームとだった。これまでお互い勝ち負けを繰り返し、力の差はほとんどない。こちらも様々な作戦を駆使し試合に挑んだのだが、相手チームの思いきった作戦により、苦汁をなめる結果で終わってしまった。
- 彼は有名なトップアスリートである。過去に大きな怪我をし、一時は引退も囁かれ、苦汁をなめる生活もしたが、ひたむきにトレーニングを積み重ね、自分の得意なプレーはどんどん磨き、苦手なプレーは克服し、ここまで這い上がってきたのだ。
- 私は前回の大型免許の実技試験で、あるカーブを曲がりきれず、合格することができなかった。今回、また同じカーブでミスをし、2度も苦汁をなめることとなった。
- 彼女は、昔から綺麗だ、可愛いとチヤホヤされ、自分でもその容姿には自身があった。友人から「あなたが絶対優勝だよ」と美少女コンテストを勧められ、出場。結果ファイナルステージまで進んだのだが、優勝は他の女性が手にすることとなり、彼女は苦汁をなめたのだった。
まとめ
いかがだったでしょうか?
「苦汁をなめる」…あなたも経験があると思います。
その時は本当に辛いですし、最初から無理だったんじゃないか?自分には向いていなかったんじゃないか?もう頑張っても無駄だ!などと自己嫌悪に陥ってしまいますよね。
でもそこで終わりではなく、その辛さや苦しさをバネにしてもう一度頑張ることができれば、成功やゴール、成長に繋がります。
どんなに偉い人、すごい人でも「苦汁をなめた」ことの無い人なんていないと思います。
あなたも苦汁をなめても諦めずに頑張ってくださいね!
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