「魚心あれば水心」って、一体どんな言葉なの?

あんまり使わない言葉だし、意味もぱっと思い浮かばないですよね。


魚心あれば水心


私は、「魚に心があるなら、水にもある」から「(魚や水など)どんなものも大切にしましょう」のような意味かなと思っていました。

今回気になったので調べてみましたが、実は全然違う意味だったのです!知らずに使っていたら、大恥かくところでした…

調べて分かった魚心あれば水心の本来の意味や読み方、使い方を一緒に確認していきましょう!



魚心あれば水心の意味・読み方!


「魚心あれば水心」は、「うおごころあればみずごころ」と読みます。

「相手に好意を示す気があれば、こちらも好意を示す気になる、相手の対応次第でこちらの応じ方も変化する」という意味になります。



「水心あれば魚心あり」とも言います。


スポンサーリンク


魚心あれば水心の語源・由来とは?

本来は、「魚、心あれば、水、心あり(うおにこころあれば、みずにこころあり)」という言葉でした。

時が経つにつれて、「魚心」と「水心」と誤って一言で言われるようになり、定着して「魚心あれば水心あり」になりました。


水に棲む魚が、水に対して好意的な感覚を持てば、水も魚に好意を持ってくれる。

魚と水の関係は、切っても切り離せないものです。魚は水がないと生きられないですし。なんだか、「両思い」って感じがしますね。


魚心あれば水心

魚心あれば水心の使い方・例文!

「魚心あれば水心」は、相手から好意的にしてもらったら好意的に返すという意味でしたね。

「魚心あれば水心」を使った例文をいくつか紹介します。

今年も会社に新入社員が入ってきた。社内は研修ムード一色だ。

この間、営業のガイダンスが行われていて、私の先輩が経験談を踏まえたアドバイスをするというので聞きに行ってきた。

先輩は、「魚心あれば水心といいますが、お客様に対して丁寧に真心持って接すれば、お客様も私たちに好意を持って接してくれるようになります。」と言っていた。

さすが、売り上げトップ。どうやって先輩がお客様の心をつかんでいるのか、よくわかった。



先輩は優秀な営業なんですね。

このように、相手に対して好意的に接していれば、相手も好意的に返してくれることを例えていう場合に使えます。

自分に対して丁寧に接してくれる人は、好意的な印象を持ちます。

そんな人に対しては、自分も丁寧に接していかないといけませんね。

大学の友人Aは、いつも授業に出席せず代返ばかり頼んでくる。いい加減、うんざりしてきた。

また、代返を頼んできたが、「いい加減授業出ろよ。魚心あれば水心っていうだろ。俺に何の得もないのに、何回もやるわけないだろ。」と言って、断った。

大学に入って初めてできた友人だったが、さすがに付き合いきれないと思った。



いますよね、そういう子。こちらのことは何も考えず、自分の都合だけで頼みごとをしてくる。ちょっとくらい、きつめに言った方が本人のためにもなると思います。

ちなみに、「代返」とは出席確認のときに代わりに答えてもらうことを言います。

この「魚心あれば水心」は、ギブアンドテイクの意味合いが強いですね。

「あなたのためにこれだけしてあげてるんだから、何か同等なものをよこしなさいよ」と、脅しているような感じが((( ;゚Д゚)))

あまり良い意味では使えなそうですが、一応このように使う場合もあるということで覚えておきましょう。


続いて同義語や類語、反対語も一緒に確認しておきましょう。

  • 同義語
    • 網心あれば魚心(あみごころあればうおごころ)

  • 類語
    • 水魚の交わり(すいぎょのまじわり)
    • 水と魚が切っても切り離せない関係のように、離れることのできない親密な間柄のこと。また、夫婦仲が睦まじいことの例え。

    • 持ちつ持たれつ(もちつもたれつ)
    • 互いに助け合うさま。相互に助けたり助けられたりするさま。


  • 反対語
    • 落花情あれども流水に意なし(らっかじょうあれどもりゅうすいにいなし)
    • 散る花は流水を慕うが、川の水は素知らぬ顔で流れていく。一方に情があっても、相手に通じないことの例え。

「魚心あれば水心あり」が「両思い」なのに対して、「落花情あれども流水に意なし」は、「片思い」のようですね。少し花がかわいそうになります。


スポンサーリンク


まとめ

今回は「魚心あれば水心」について意味、語源、使い方をまとめてみました。

元は「魚、心あれば、水、心あり」という言葉で、相手を思いやる気持ちをもって接すれば、相手も同じように接してくれることの喩えでした。


本来は、自分から相手に好意的に接して、それに気が付いた相手から同じように接してもらうという意図だったはずなのですが、ギブアンドテイクな意味合いも持つようになってきました

「私はこれだけやるから、あなたも同じくらい私にちょうだい」のような。

どうやら、時代劇の悪代官と商人のやりとりに使われたことから、「魚心あれば水心」にこのようなイメージがついてしまったみたいです。

「魚心あれば水心と言うしな…分かっておろう?」

「ハイハイ、お代官様。こちらの金の饅頭をどうぞ。」

「ほほほ、お主も悪よのう」

上記のようなセリフが使われたようで…テレビの影響ってすごいですね!


この悪いイメージより、どんな人に対しても好意的に接していれば相手も好意的にしてくれる「魚心あれば水心」精神で、周りと交流を図ってみるのがいいと思います。

心にとどめておきたい言葉でした。


関連記事(一部広告含む)