「その仕事をするんだったら、先にこっちのデータをまとめてからのほうが良いよ」と優しい先輩はアドバイスに対して…
後輩は「ちょうど今からやろうと思っていたんです」と返答。
普段は優しい先輩ですが、この後輩はいつもこのような言い訳を使うので「そんなすぐに底が割れるようなこと言ってないでさっさと仕事しろ!」と怒ってしまいました。
このような場面で「底が割れる」という言葉は使われるのですが、あなたは正しい意味をご存知でしょうか?
ことわざや慣用句は分かりにくい表現も多いのですが、そんな言葉を知っていると周りから一目置かれることも。
そこで今回は、「底が割れる」の意味や語源などについてまとめてみましたので、一緒に見ていきましょう!
底が割れるの意味・読み方は?
自分の中では上手く言い訳したりごまかしたりして「何とかうまいこと切り抜けたかな?」と思っていても、実は相手からしたら「すべてお見通しだった」なんて場面で使われることが多い言葉です。
他の言葉で表すならば、「ウソがばれる」「真実が明るみに出る」などと近い表現となります。
ところで、この言葉は慣用句としてだけでなく「ビンの底が割れる」のように普通の会話の中にも出てくる言葉ですよね。
多くの場合「底が割れる」と聞けばそのようなことを思い浮かべることが多いでしょうが、なぜ「底が割れる」という表現が「隠し事が見破られてしまう」ことにつながるのか、もう少し掘り下げて見ていきましょう。
底が割れるの語源とは?
まずは「底」と「割れる」に分けてそれぞれの言葉について見ていきます。
「底」は一般的に「ビンの底」のようにその物体の一番下を表すときに使う言葉ですが、「そのものがもつ真の力量・実力」という意味もあります。
例えば「能力で言ったら、あの人の強さは底が知れない」のように使う場合ですね。
また、「割れる」は「身元が割れる」「犯人が割れる」のように「隠れていたものが現れる、秘密などが明らかになる」場面でも使われる言葉です。
ですので、「底が割れる」とは「そのもの本当の実力が現れる」ことを表していて、冒頭部で紹介した例のように「うそなど隠していたことが見破られてしまう」場面で使われるようになりました。
底が割れるの使い方・例文!
では、これらのことを踏まえましていくつか例文を見ていきましょう。
例えば、すぐにバレるような嘘をついてしまった場合。
嘘をつくときは、本人でも気づかないうちに表情や態度に出てしまうことがあるようですね。
自分ではうまくごまかせたつもりでも、嘘を見破ることに長けた人は「それ専用の能力を持っているのではないか?」とさえ思ってしまうほどです。
そんなときに「あの人は嘘をつくときに決まって目をそらすのですぐに底が割れてしまう」などと言われてしまっているかもしれませんね。
他にも、偽りのプロフィールで学歴や経歴を詐称していた場面。
自分を良く見せたり本当のことを隠したかったりとプロフィールを偽ることもあるでしょうが、大抵真実はひょんなことから明るみに出てしまうものです。
そんな場面では「あの人の経歴もついに底が割れてしまったようだ」と使うことができます。
最後に、ドラマなどで犯人のこれまで鉄壁だったアリバイを崩すような証拠が見つかった場面。
「ようやくヤツのアリバイも底が割れることだろう」とエンディングに向けて大盛り上がりすることでしょう。
このように嘘がばれてしまった場面や経歴、アリバイなどで偽っていたことが明るみに出てしまった場合などに使う言葉です。
似たような響きの言葉に「底割れ」も耳にすることがありますが、こちらは「景気がさらに悪化する」という意味を表す場合に使う言葉となります。
慣用句としてこれまでの説明のような意味として使う場合は「底が割れる」と使いますので注意が必要です。
まとめ
「底が割れる」の意味や語源、使い方などについて進めてきました。
おさらいしますと、「底」は「そのものが持つ真の実力」という意味があり、それが表に出ることから転じて「隠していた嘘などが相手に見破られてしまう」場面で使われる慣用句です。
「底が割れる」という慣用句はできれば使われたくない表現ですね。
もし人からこの言葉を使われてしまったら自分の嘘が相手にバレてしまっているかもしれませんので反省が必要になってくるでしょう。
ちなみに「底」を使った慣用句は他にもこのようなものがあります。
- 底が知れない(限度が分からない・無限である)
- 底が浅い(人の力量や物事の内容に深みがない)
- 底を突く(蓄えていたものがなくなる)
- 底を割る(本心を打ち明ける、腹を割る)
併せて覚えてみてはいかがでしょうか。
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