料理を作っている時に「色味が足りないなぁ」と思い、細かくした柚子の皮や、刻んだパセリなどを散らすこともあるかと思います。
黄色や緑を散らすことで、見た目が鮮やかになり食欲が進みそうですね!
しかし、これが、「色味が足りないので、蜘蛛の子を散らした」では、料理が台無しです((( ;゚Д゚)))
では一体、どのような使い方をすればいいのでしょうか?
そこで今回は「蜘蛛の子を散らす」の意味や使い方について紹介していきますね!
間違った使い方をして、変な人と思われないためにも一緒に見ていきましょう^^
蜘蛛の子を散らすの意味・読み方とは?
「まるで蜘蛛の子を散らしたかのように、多くの者が散り散りになって逃げ惑う」ということは、なんとなくイメージできそうです。
また、細かく見ると、この言葉は2つの意味合いを含んでいます。
「ものが分かれて散らばっている」と「多数のものが一度に同じことをする」を表しています。
前者を違う表現で表すならば「バラバラ」「分散」「散り散り」などが挙げられるでしょう。
後者は「一斉に」「同時に」「ワッと」などの表現ができそうですね。
逆に言えば、この2つの意味を合わせた言葉が「蜘蛛の子を散らす」という慣用句であるとも言えそうです。
蜘蛛の子を散らすの語源とは?
「蜘蛛の子を散らす」という慣用句をよく見てみますと、大勢であることを表すために「蜘蛛の子」という言葉が使われていることに目が行きます。
そうなると気になるのが、蜘蛛は一度にどれくらいの子供を産むのだろう?ということ。
実は、蜘蛛は卵生(卵から生まれる)であり、複数の卵を親蜘蛛の出す糸によって作られた袋状のものの中で孵化させます。
そして、ある程度の時期になったら、子供たちが袋から出てそれぞれが生活し始めます。
卵の数ですが、蜘蛛の種類にもよるでしょうがなんと数百個とも(;゚Д゚)!
ですので、語源としては「蜘蛛の子の入っている袋を破ると、中から多数の蜘蛛の子が出てきて、それらが四方八方に散る様子」からこの表現が使われるようになったとされています。
ある掲示板で「実際に蜘蛛が誕生する様子を見るとこの言葉の意味が良く分かる」という意見がありましたが、それをすると眠れなくなるようですよ(;´Д`)
あくまでも想像で止めておきましょう(笑)
蜘蛛の子を散らすの使い方・例文とは?
では「蜘蛛の子を散らす」はどのように使うのが正しいのでしょう?
この言葉は「多数のものが一斉に分かれて逃げだす」というさまを表す言葉でしたよね。
ですので「夕方になったので、子供たちは蜘蛛の子を散らすように帰宅し始めた」のような文章では、使い方が間違っています。
この言葉は「四方八方に散って逃げる」という意味合いが含まれていますので「逃げる」という場面でなければ誤った使い方。
「雷が鳴りだしたので、子供たちは蜘蛛の子を散らすように家へと帰っていった」などの場面であれば有効な使い方です!
また、漫画の一場面のように近所のカミナリ親父に「コラー!」と怒られたので皆が一斉に逃げ出すシーンなども正しい表現ですね。
(怒られるようなことをするのはもちろん良くないことですが)
他にも「あの人が来ると、蜘蛛の子を散らすように誰もが席を離れる」などの使い方があります。
想定していないことが起きたから一斉に逃げ出すというイメージでしょうか。
ちなみに、「蜘蛛の子を散らす」という表現を英語で表すとしたら「run away(逃げる)」や「in all directions(四方八方に)」などという言葉を使うようです。
「一斉に分かれて逃げ出す」さまを頭の中に思い浮かべることができるのではないでしょうか。
このように、慣用句は正しい場面で、正しい使われ方をしないと、その状況にそぐわないと判断される場合もあるので、ご注意ください!
こちらはこういったつもりで使用したつもりなのに、本来の意味を知っている人からしたら「使い方が間違っている」と評価を下げられてしまう可能性さえも(;゚Д゚)!
言葉の意味は語源も含めて理解すると、自分の中でより深い落とし込みができます。
ですので、いろいろな言葉について改めて見直してみるのも良いのかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたか。
「蜘蛛の子を散らす」という言葉についていろいろと見てきました。
この言葉は「分かれて散らばる」「一斉に動き出す」「逃げる」という要素を同時に含んだ言葉であることが理解できたかと思います。
それらの状況がちょうど蜘蛛の子を散らしたときの状況と似ていることから使われるようになった言葉なのでしょう。
補足になりますが、蜘蛛は人間にとって益虫であると言われています。
それは、私たちが一般的に害虫と呼んでいる虫たちを捕食してくれるからです!
蜘蛛を見つけたとしても、基本的にはそっとしておくほうが良いでしょう。
例え、蜘蛛の子の入った袋を見つけたとしても「散らす」ことのないようにしたいものですね^^
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