「なにをそんな藪から棒に言い出すの?」
高校生になる娘が突然「私、アイドルになる!」と言い出した時、思わず私の口から出たのがこの言葉でした。
突然、なにを思ったのか突拍子もないことを言い出す人っていませんか?
いきなりの言動に自分の方が、どうようしてしまうことってありますよね。
「藪から棒」という言葉はそういう時に使う言葉。
何気なく使っている言葉ですが、正しい意味を理解すると、「私の使い方は間違えていた…」なんて気づく人もいるかもしれませんね。
今回は、藪から棒の正しい意味と使い方を紹介しますね!
藪から棒の意味・読み方は?
誰もが予測することのできなかったことが突然起こったり、もしくは、いきなりなにかを始めだしたりすることを表現するときに使う言葉ですね。
藪から棒の語源とは?
「藪から棒」は「藪から棒が突き出す」を略した言葉です。
「藪」とは草木が生い茂り、中の様子が全くわかりません。
その中から急に棒が突き出して来たら誰だって驚きますよね。
そんな風に意表をついた行動を喩えて「藪から棒」という言葉が使われるようになりました。
藪から棒の使い方・例文!
普段からサッカーが好きな子が「サッカー選手になる!」と言い出しても、誰も驚く人はいませんよね。
しかし、この子が将棋が大好きで、暇さえあれば将棋の本を読んでいるような子だったらどうでしょう…
きっと「えぇぇぇーっ!」ってなりますよね。
これはまさに「藪から棒」です。
会社でのミーティング中、隣の同僚が私の肩をたたいて何か伝えようとしています。
仕事の話だと思い込んで耳を傾けると彼女がボソッと「ラーメン食べたい!」と…
予期せぬ言葉に思わず「はっ?」と言ってしまいました。
この状況もまさに「藪から棒」ですね。
前にあげた例とは逆に、あなた自身が相手にとって不意打ちであろうと思われるときに使うこともできます。
「突然、藪から棒に失礼いたしますが、この仕事を頼んでもよろしいでしょうか?」
あなたからいきなり仕事を振られるとは思っていなかった状況のときに、この一言を添えてお願いしたら、急な頼み事でも相手を嫌な思いにさせてしまうことは避けられるでしょう。
このように気の利いた言葉として使ってみるのもいいですね。
ちなみに、間違えやすい言葉に「藪から蛇」があります。
言葉は似ているようですが、意味は全く違うので使い方に注意しましょう。
「藪から棒」は、あなたに対して誰かが藪から棒を突き出してくる様子を比喩したものであるのに対し、「藪から蛇」は「藪をつついて蛇をだす!」という言葉が語源になっています。
そのため、「自分で藪をつつきながら歩いていたら急に蛇が出てきて驚いた」ということになります。
慣用句の中では「藪から蛇」は「自らが余計なことをして災難を引き起こす」という意味です。
「藪から棒」と「藪から蛇」は似ているようでも、それぞれが持つ言葉の意味には大きな違いがあることを理解して、正しい使い方をしましょう。
藪から棒の類義語とは?
日本語には言葉の表現方法は違っても、同じような意味を持つ言葉が存在します。
「藪から棒」と同じような意味を持つ言葉を探してみました。
- 「寝耳に水」
- 「窓から槍」
この言葉は「寝耳に入る水のごとし」を略した言葉です。
不意の知らせや出来事に驚くことを喩えた言葉です。
寝ている時に耳に水が入ってきたら…想像しただけでびっくりしてしまう様子が感じられる言葉ですね。
これもまた想像しただけでも驚愕の場面ですね。
この言葉は読んで字のごとく、窓の中から突然槍を突き出されたように予期していないことが突如として起こった様子を表しています。
表現方法は違っても言葉の意味や語源の形は「藪から棒」と同じですね。
さいごに
いかがでしたか?
「藪から棒」の言葉の意味や使い方を理解していただけたでしょうか?
日常生活に中で、不意打ちでとんでもないことが起きることって意外と多いです。
それはあなた自身と、周囲の人との物事に対する考え方の差があるからかもしれませんね。
「こうゆう時にはこうなるだろう…」
「今の状況から次は何が起きるだろう…」
などと、ほとんどの人が次の行動を予期しながら生活していると思います。
しかし、ちょっとした解釈や考え方の違いがあることで、ある人にとっては予期できることも、別の人にとっては不意打ちの出来事になってしまうことも…。
それがまさに「藪から棒」になってしまうのでしょう。
色々な考え方の人がいるからこそ、考えの食い違いが起きるわけです。
このさい「藪から棒」に起きる出来事を楽しんでしまうのもありかもしれませんね(*^-^*)
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