ご主人が単身赴任をしている友人が「最近、旦那が全然帰ってこないし、電話にも出ないことが多くて、会いたくなって矢も楯もたまらず押しかけてきちゃったよ!」と話してきました。
ご主人の単身赴任って精神的にも辛いんだろうなぁ…と思いながらも「矢も盾もたまらず」という言葉の意味が全くわからず、「んっ?」と疑問が…。
そこで「矢も楯もたまらず」の言葉の意味を調べてみました。
あまり日常的に使われる言葉ではないかもしれませんが、知っておいて損はないと思いますので皆さんにもご紹介しますね。
矢も楯もたまらずの意味・読み方は?
自分自身の気持ちが興奮して高ぶってしまったときに、何かをしたいという気持ちを抑えることが出来ない様子を表した言葉です。
矢も楯もたまらずの語源とは?
「矢も楯もたまらず」は、「矢で攻めても楯で防いでも相手の攻撃の勢いを抑えることが出来ない様子」から生まれた言葉です。
「たまらず」というのは「耐えられない」という意味を持っています。
しかし、ここで私にはひとつ「?」と思うことが…この言葉の語源は「敵の攻撃の勢いが強すぎて耐えられない」ということですよね。
ということは、その状況から逃げ出したいという気持ちがあるのでは?
「辛い状況から逃げ出したい」という消極的な状況が由来となっているのにも関わらず、意味は「自分の気持ちが抑えられずに動きだすことを我慢できない」という、とっても積極的な印象に感じます。
語源と言葉の意味の繋がりについてちょっとすっきりしなくて、私なりに考えてみました。
この言葉の中の「攻撃する側」も「攻撃を受ける側」も、どちらも私たち自身の心の中にあるものではないでしょうか。
自分が「こうしたい!」と強く思った気持ちが、ほかの感情よりもはるかに勢いが強く、その気持ちを抑えることが出来ずに行動を起こす状態。
様々な感情からひとつの行動につながる部分は1本道で、その道を通ることが出来るのはひとつの感情のみだとします。
いくつかの感情が同時にこの1本道に入ろうとしたときに、その手前で感情同士がぶつかり合いが起きるでしょう。
様々な感情から勝ち残った感情のみが行動につながる道に入れるわけですね。
そのとき、ずば抜けて強い思いをもった感情が存在していたとしたら、確実に勝ち残るはずです!
他の感情はその攻撃に耐えられず道を譲る…この他の感情たちの気持ちを代弁したのが「矢も楯もたまらず」なのではないでしょうか。
「攻撃する側」が最も強い感情であり、「攻撃を受ける側」がそのほかの感情にたとえて考えてみました。
矢も楯もたまらずの使い方・例文!
では実際にどんな時に「矢も楯もたまらず」という言葉を使ったらよいのかを見ていきましょう。
- 「彼女は彼に会いたくて矢も楯もたまらず、家を飛び出した。」
- 「公園の桜が満開という話を聞き、矢も楯もたまらず仲間をお花見に誘った。」
彼女は彼のことが好きで好きでたまらない存在なんでしょう。
これからの予定とか、明日の仕事とかそんなことを気にすることよりも、「彼に会いたい」という気持ちがよりも勝る感情となってしまいます。
そのため、衝動的に家を飛び出し、彼のもとへ向かってしまった状況を表した使い方ですね。
満開の桜を見られるのって、本当にあっという間ですね。
今のチャンスを逃したら、来年までお預けになってしまう…なんて思ったら行動を起こすしかありません。
「満開の桜が見たい」という気持ちが何よりも優先し、「まずは仲間を誘おう!」という行動に出たのでしょう。
さいごに
「矢も楯もたまらず」と似た言葉も見てみましょう。
「矢も楯もたまらず」の言葉の意味がわかると、「居てもたってもいられない」という言葉がニュアンス的には似てますね。
しかし、このふたつの言葉は似ているようでも、それぞれの意味は違ってくるので間違えて使わないように気を付けましょう。
「居てもたってもいられない」とは、心がそわそわしたり、イライラしたりして落ち着かない様子を表した言葉です。
不安なことがあって落ち着かないというイメージなので「矢も楯もたまらず」とは少し意味が変わってきてしまいます。
いかがでしたか?
「矢も楯もたまらず」わかっているようでも、実際に使ってみるのって難しいかもしれませんね。
中には、今回初めてこの言葉を目にしたという人もいるでしょう。
私も友人との会話に出てきたときがこの言葉を耳にした初めての瞬間でした。
ことわざや慣用句って、古くから伝わる日本語文化の中でもとくに奥深いもの。
気にしなければスルーしてしまうこともあるかもしれませんが、ちょっと振り返って考え直してみるときっとためになることばかりだと思います。
これを機に、ことわざや慣用句に興味を持っていただけたら嬉しいです(*^-^*)
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