人口に膾炙するという言葉は、聞いたことはあるけど、意味がよくわからないなぁという人が多いかもしれません。
見るからに難しい漢字が並んでいて身構えてしまいますが、実はとても面白い成り立ちを持った言葉なんですよ!
今回は、人口に膾炙するの意味や語源、使い方を解説していきます!
では、まずは意味と読み方から説明していきますね!
人口に膾炙するの意味・読み方は?
だったらこんなに難しい言葉を使わなくてもいいじゃないか!と思ってしまいますが、いえいえ、この言葉にはちゃんとした語源があるんですよ。
では、その歴史から勉強していきましょう!
人口に膾炙するの語源とは?
「人口に膾炙する」の語源を解説していきますね!
初めに、「人口」と「膾炙」とは何を指すのでしょう?
まず「膾炙」ですが、あまり見たことのない漢字ですよね。2つに別けて考えていきましょう。
「膾」とは、訓読みで「かい」音読みで「なます」と読みます。
どこかで聞いたことありますよね。おせちに入っているあれですね!
「膾」とは元々、古代中国で「生肉を細く切った料理」のことを指していたそうです。
日本でも同じような料理として食べられていましたが、時代と共に変化し生魚も使われるようになりました。
そのことで月編の「膾」から魚編の「鱠」という漢字に変わったそうですよ。
現在の皆が知っている、野菜を酢で合えた「なます」はそれ以降に登場したそうで、漢字は以前の名残で「鱠」と書きます。
料理としては古代中国とは随分と違う独自の変化を遂げたのですね。
そして「炙」は、「炙る」で「あぶる」と読みます。
回転寿司屋さんによくある「炙りサーモン」とかの炙るです。
実はこの「炙」は、一文字だけで「炙った肉」という意味があります。
つまり「膾炙」とは、「なます」と「炙った肉」という意味なんですね。
そして「人口」とは100万人とかの人の数の人口ではなく、「人の口」という意味。
この「膾」と「炙った肉」は非常に味がよく万人受けすることから、「皆が好きでよく食べるよ」ということを「人口に膾炙する」と表現するようになりました。
それが現代では「なます」や「炙り肉」に限らず、「広く周知されて、もてはやされる」という意味になったそうです。
皆が好きな食べ物がこのような言葉になるなんてとても面白いと思いませんか?
やっぱり昔の人もお肉が好きだったのか!と、ちょっと親近感がわきますよね!
意味と語源がわかったところで、実際にどのように使えるのでしょうか?
使い方を説明します。
人口に膾炙する使い方・例文!
「人口に膾炙する」の使い方の例文をいくつか紹介していきます!
想像しながら読んでみてくださいね(*^-^*)
- 「この作家の小説は人口に膾炙している」
- 「『少年よ大志を抱け』この言葉は広く人口に膾炙している」
実は、詩文や言葉に対して使うことが比較的多いです。
ですが、もちろんそれ以外にも使うことが出来き、あなたが知っている有名なものには当てはめられますよ!
- 「戦国武将の中でも特に人口に膾炙されているのは徳川家康だろう」
- 「去年大ヒットした、人口に膾炙した曲」
この様に、「多くの人が知っている人気があるもの」に使うことが出来ます!
今回は徳川家康とヒット曲にしてみましたが、それこそ「膾炙」の意味通り食べ物に使うのもいいと思いますよ。
ただ気を付けてもらいたいのは、悪い意味で有名な物には使われないということを覚えておいてください。
あくまでも「万人に人気があるもの、好かれているもの」に対してです。
「皆が知っている」だけを抜き出して使ってしまうと、語弊が生まれてしまいますので注意が必要です。
さいごに
「人口に膾炙する」の類義語を紹介していきますね!
- 「喝采を博す」
- 「持て囃される」
- 「口の端に掛ける」
「かっさいをはくす」と読みます。「世間から評価され人気がでること、誉められること」を意味します。「彼の演奏は喝采を博した」なとど使われます。
読みは「もてはやされる」です。「持て囃す」の受け身で、「人々の受けがよく、さかんに誉められたり、いい待遇をされること」という意味です。
「彼女はいつも持て囃されている」なんて聞いたことがありませんか?ちょっと妬まれそうなイメージですね。
「くちのはにかける」と読みます。「よく話題にする、噂をする」という意味があります。「口の端に掛ける噂」と使ったりします。
いかがでしたか?「人口に膾炙する」について説明しました!
なかなか見かけない難しい漢字を使った言葉ですが、語源はとてもユニークな成り立ちでした!
「なます」と「炙り肉」なんだか焼肉定食みたいですよね!
苦手な人ももちろんいますが、どの時代もお肉は人気なんだなぁと雑学も知ることが出来ましたね。
語源も含めて意味を知るととても愛着がわくと思います。
そんなことも頭に入れつつ、「人口に膾炙する」チャンスが来たら是非使ってみてくださいね!
関連記事(一部広告含む)