さまざまなシーンで耳にする「塵も積もれば山となる」という言葉がありますね。
ビジネスシーンや学校など、割と聞くことが多いのに、「どうしてこんな表現をするの?」と聞かれるとわからない。
そんな言葉の一つではないでしょうか?
単純に意味だけを覚えるのではなく、語源や使い方を合わせて知ることで、グッと記憶に残りやすくなるものです。
と、いう訳で今回は「塵も積もれば山となる」の紹介です。
まずは、意味と読み方から一緒に見ていきましょう。
塵も積もれば山となるの意味・読み方!
「塵」とは、「ゴミ」や「ほこり」のことのでしょうか?
ゴミやほこりが溜まれば山になりそうな気はしますが(ー_ー;)
次の章で、語源を見て確認していきましょう!
塵も積もれば山となるの語源・由来とは?
「塵も積もれば山となる」の語源は、仏教にあります。
仏教の教えを書いた書のことを仏教書といい、この仏教書のひとつである「大智度論(だいちどろん)」に語源となる言葉が書かれているのです。
何と「大智度論(だいちどろん)」は100巻もあるんですよ!
その中の94巻目に、お目当てのものは書かれています。
その言葉が、
「譬如積微塵成山、難可得移動」
書き下し文にしてみましょう。
「譬(たと)えば、微塵を積みて山を成せば、移動を得べきことかたきがごとし」となります。
「塵」に該当する部分は、「微塵」ですね。
この場合「微塵」の意味は「いろいろなものを作っている量や程度がごくわずかなもの」のことを指します。
ゴミやほこりではなかったですね(; ^ω^)
実は、こちらの言葉は、「たとえ小さなものでも疎かにするものではない」という意味の戒めの言葉なんですよ。
会話や文章の中で使う場合、「何か」を「塵」に比喩して使うことが多いので覚えておきましょう。
塵も積もれば山となるの使い方・例文
では、「塵も積もれば山となる」は、どういったシーンで使うのが正しい使い方なのでしょうか?
例文を使いながら、紹介しますね!
「毎日の練習」を「塵」に例えていますね。
コツコツと繰り返したからこそ塵が山になったのでしょう。
「小銭」を「塵」に例えています。
この場合は「塵も積もれば山となる」ことを目標にしているという使い方ですね。
「英単語を覚える」ことを「塵」に例えています。
先ほどと同じく、こちらも目標にしているという使い方です。
と、このように「塵も積もれば山となる」を使います。
「コツコツと重ねる努力」「コツコツと貯めていく」という前向きな意味で使う言葉ですね。
まとめ
いかがでしたか?
「塵も積もれば山となる」の意味や語源・使い方を見てきました。
「塵も積もれば山となる」の類語には、こんなものがあります。
- 積土成山(せきどせいざん):努力を積み重ねれば、いつか大きなことを成し遂げることができるということ。
- 雨垂れ石を穿(うが)つ:小さな努力でも根気よく続けてやれば、最後には成功する。
- 砂長じて巌(いわお)となる:小石は長い年月を経て大きな石になる。末長く栄えることや長生きすることを祝っていう言葉。
- 積羽(せきう)舟を沈む:軽い羽根も大量になると、その重さで舟も沈む。
- 涓涓(けんけん)塞がざれば終に江河となる:ちょろちょろと流れる小川もせきとめないで おくと、 ついには大河 となる。 物事は初めの処置 が大切であること。
などです。
実は「塵も積もれば山となる」と似たような意味の言葉が世界各地にあるのです。
一部となりますが、紹介しますね!
- 英語:Light gains make heavy purses.(僅かな収益が重い財布を作る。)
- フランス:Petit à petit, l’oiseau fait son nid(鳥は少しづつ巣を作る。)
- スペイン:Poco a poco hila la vieja el copo.(老婆が少しずつ紡いでも糸玉になる。)
などがあります。
日本の慣用句やことわざを世界の言葉と比べてみるのも面白そうですね。
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