「この試合は何かおかしい!八百長じゃないのか!」
スポーツや賭け事で、こんなセリフが飛び出すことがあります。
「八百長…?八百屋さんか何かですか?」
いえいえ、違います!八百屋さんのことではなく、他にちゃんとした意味のある言葉なんですよ。
今回は、八百長の意味や語源、使い方を解説していきますね!
面白い歴史がある言葉なので、是非語源と合わせて楽しんで読んでくださいね!
八百長の意味・読み方は?
これを見る限り、あまりいい意味ではないようですね。
実際に近年ではサッカーワールドカップ、日本では相撲で八百長が問題になったことがありました。
そんな悪いイメージの「八百長」どんな語源でこんな意味になったのでしょうか?
早速解説していきます!
八百長の語源とは?
遡ること明治時代のお話です。
八百屋の「長兵衛」という男がおり、長兵衛は通称「八百長」と呼ばれていたそうです。
恐らく、「八百屋の長兵衛」を略したんでしょうね!
長兵衛は囲碁が好きで、相撲会所に出入りし、大相撲の年寄・伊勢海五太夫とよく囲碁を打っていました。
囲碁の実力は長兵衛の方が上でしたが、長兵衛はいつも1勝1敗になるように調整していました。
なぜならば、八百屋の売上を打算する為に伊勢海五太夫の機嫌を取っていたからなんですね!
それで野菜をたくさん買ってもらっていたのでしょう。
ある日、碁会所開きの来賓で来ていた「本因坊秀元」と長兵衛が碁を打ち、なんと互角に打ち合いました。
本因坊と聞くと囲碁に詳しい人ならすぐにピンとくると思いますが、本因坊は江戸時代の囲碁の家元の1つ、本因坊家です。
現在は昭和になってからは家元制ではなく実力制となり、「本因坊戦」といって、とても大きな公式戦の名前になって残っています。
つまり本因坊家の彼と互角に打ち合うなんて、とてもすごいことなんですね!
長兵衛はここで本気を出してしまったわけです。
それがきっかけで、今まで伊勢海五太夫には手加減していたことが周りにバレてしまいました。
長兵衛がうわべだけの対局をしていたことから、それが転じて「事前に勝ち負けを決約束しておく、うわべだけの試合」と現在使われる意味になったと考えられています!
長兵衛は八百屋さんでしたが、一般的な八百屋さんとは関係がありませんでした!
言葉が似ているので八百屋さんのこと?と思う人が多いようですが、八百屋さんのいい迷惑になってしまうので、そんな人がいたら是非語源を教えてあげてくださいね!
八百長の使い方・例文!
ではここで、「八百長」の使い方を紹介していきますね!わかりやすいように例文を出してみます。
- 「彼は八百長でわざと負けたんだ」
- 「相撲の八百長問題でワイドショーは大騒ぎだ」
八百長自体が悪いことなので使わないに越したことはないのですが、このように使うことが出来ますね。
比較的、八百長をした人や関わった人に対して憤りや怒りを表し、批判する際に使うことが多いです。
そもそも八百長は「ズル、いんきち」の類いです。
ズルをしてはいけませんので、気を付けてくださいね!
さいごに
では、「八百長」の類義語をいくつか集めてみたので紹介したいと思います!
- 「出来レース」
- 「結託」
- 「内通」
「できれーす」と読みます。「出来上がっているレース、事前に勝ち負けが決まっている勝負」という意味です。
スポーツの試合、賭け事、試験、あらゆる出来事に使われ、八百長より多岐よりも多岐に渡り使えます。
例えば「彼女の面接は出来レースだった」なんて使ったりします。
この場合は「形だけの面接で、合格は決まっている」というニュアンスです。
「けったく」と読み「お互いに心を通じ合わせてあることをする、ぐるになること」という意味があります。
心を通じ合わせて、と聞くといいことに聞こえますが「ぐるになること」なので、多くは悪いことに使われる言葉なんです!気を付けてくださいね。
「業者と結託して裏金を作る」などと使われます。
「ないつう」と読み「味方の中にいて、こっそり敵とやり取りをすること」という意味がありますよ。
例えば「味方のふりをして、敵の軍と内通している裏切り者がいる!」などと使ったりします。
いかがでしたか?今回は「八百長」について説明してきました!
まさか本当に八百屋さんが出てくるとは思いませんでしたよね!
そして囲碁が語源とは、これも意外だったのではないでしょうか?
明治時代の出来事ですので比較的歴史は浅いですが、長兵衛は自分のやったズルが自分の名前として後世に残っているなんて、今ごろ後悔しているかもしれませんね!
八百長は絶対にしてはいけませんので、しっかり覚えて気を付けてください!
悪いことは後に必ずバレますよ。
長兵衛の過ちを反面教師にしていきましょう!そうしたら長兵衛も少しは報われる…かも?しれませんね!
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