「ママ、これなんて読むの~?」
突然ですが、あなたも子供から質問されて分からずに慌てた経験ありませんか?
私も、子供に聞かれて分からなかって慌てたり、言葉を濁した経験がたくさんあります。
今回、子供が聞いてきたのは、「衣鉢を継いで」
…衣鉢?いはつ?えはち?…ころもばち?どうしよう、読めない…。
私「…いはつをつぐって読むのよ~…たぶん(;´・ω・)」
娘「ふーん…」
と、親としてこのままでは、いけないので、子供と一緒に衣鉢を継ぐの意味や読み方、使い方などを調べてみました!
あなたも、子供から尊敬のまなざしを得るために、一緒に見ていきましょう。
衣鉢を継ぐの意味・読み方は?
さっそく子供と並んで辞書を引きました^^
実は、読み方も「いはつ」のほかに「えはち」や「えはつ」がありますが、どの読み方も間違いではありません。
他にも類義語では「衣鉢を伝える」と「法灯を守る」があります。
どちらも師から弟子に伝える大切な教えのことです。
しかし「衣鉢」とはなんのことでしょう?
子供もまだよくわかっていないようです。
今度は「衣鉢」を調べてみましょう。
衣鉢を継ぐの語源とは?
「衣鉢」とは仏教で僧侶が身に着ける三衣(さんえ)と一つの鉢を意味します。
どちらも僧侶の所持品で、仏教で奥義を伝える証拠として師匠の僧侶が弟子に授けるもの。
禅宗の始祖達磨 (だるま) が弟子の慧可 (えか) に正法眼蔵 (しょうぼうげんぞう) を伝授したとき、伝法の証として袈裟と施しを受けるための鉄鉢を授けたとの故事に由来しています。
しかし三衣(さんえ)も鉢も一体どういうものなのでしょう?
今度はそれぞれの漢字を調べてみました。
「三衣」とは僧侶が身にまとう三種の袈裟 (けさ)のことをいい、袈裟は、左肩から右わき下にかけて衣のうえにまとうものです。
袈裟の起源は、僧侶は出家したら私有物を持つことができなかったため、端切れ布を拾い集めて身を覆うための布を作ったのが始まり。
国や宗派によって袈裟の色や形は違いますが、日本では僧侶の階級や特権を表す衣装として発達しました。
「鉢」とは托鉢に使う鉢のこと。
托鉢は、僧侶が家々を回りお経を唱えて、僧侶の生活に必要な最低限の食料などを乞います。
ちなみに、托鉢を行っている僧侶のことを「托鉢僧」と呼び、現在も修行の一つとして残されています。
また、托鉢は「乞食行(こつじきぎょう)」とも呼び、こちらは乞食(こじき)の語源になりました。
衣鉢を継ぐの使い方・例文
ここまで調べていくと子供が「衣鉢を継ぐっていつもは使わないよね」と言い出しました。
確かに、普段は使わない言葉です。
ではどんな時に使うのでしょうか?
【衣鉢を継ぐ】は師匠の教えを弟子が受け継いでいることを表すことから、師と弟子の関係と実力を評価する際に使います。
例えば「師匠から衣鉢を継ぐのは、彼だ。」「この絵は、先生の衣鉢を継いだ作品である。」
また、英語で受け継ぐはinherit(インハート)と言います。
師から奥義を受け継ぐことを英語にするとinherit the secrets from one’s masterと書きます。
まとめ
「衣鉢」を「遺髪」と漢字の間違いが多いので注意が必要。
どちらも読み方は「いはつ」なところと、「遺髪」のほうが耳にする機会が多いせいか間違うみたいです。
よく間違う類義語として「遺志を継ぐ」があります。
意味は故人が果たせなかったこころざしを引き受けること。
確かに意味合いは似ていますが、【衣鉢を継ぐ】には師から受け継いだ奥義、先人から受け継いだ事業という意味です。
その背景をふまえて使う場面を考えなければいけませんね。
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